シネフィルで前回も取り上げた、米俳優ブラディ・コーベットの監督デビュー作であり、ロバート・パティンソンが出演している「THE childhood of a leader 」が日本題『シークレット・オブ・モンスター』として、11月に日本公開されることとなりました。
1918年。ヴェルサイユ条約締結を目的にフランスに送り込まれた米政府高官。彼には、神への深い信仰心をもつ妻と、まるで少女のように美しい息子がいた。しかし、その少年は終始何かに不満を抱え、教会への投石や部屋での籠城など、その不可解な言動の数々に両親は頭を悩ます日々。その周囲の心配をよそに、彼の性格は次第に恐ろしいほど歪み始める―。そして、ようやくヴェルサイユ条約の調印を終えたある夜、ついに彼の中の怪物がうめき声を上げる―。
20世紀が生んだ最悪の怪物="独裁者"生誕の謎に迫る至高の心理ミステリー。
原作は、ジャン=ポール・サルトルが1939年に発表した短編集「The Wall」に収録されている「The Childhood Of A Leader」をベースにして、既にデビュー作で2015年ヴェネツィア国際映画祭でオリゾンティ部門の監督賞と新人監督に送られる ルイジ・デ・ラウレンティス賞(未来の獅子賞)を受賞し、その他リスボン&エストリル映画祭2015 新人監督賞受賞やイスタンブール国際映画祭2016では審査員特別賞を受賞するなどの注目の作品となっていました。
もう一つの話題としては、60年代にウォーカー・ブラザーズとしてデビューして一躍ポップミュージックのスターに登りつめたスコット・ウォーカーが音楽を担当していることです。
デヴィッド・ボウイ、U2、ザ・スミス、レディオヘッド、アレックス・ターナー(アークティック・モンキーズ)、ブライアン・イーノ、ジャーヴィス・コッカー(パルプ)、デーモン・アルバーン(ブラー)まで影響を与えたスコット・ウォーカーによる書き下ろし楽曲を提供しています。
幽玄なそして重厚な、映画音楽に、往年の彼を知っている人から見れば、びっくりです!
海外リリースされた映画『The Childhood Of A Leader』のために書き下ろしたオリジナル・サウンド・トラック
海外予告でも、新人監督と思えない堂々とした雰囲気が伝わります---
おまけ
これが、全盛時のウォーカー・ブラザース。メインのボーカルがスコット・ウォーカー
これが日本のコマーシャルにも出演のウォーカー・ブラザース
サイケの時代です。
そして、2007年には彼自身の伝記ドキュメンタリーも映画になっています。