「日本人に嫌われても世界に好かれる映画作ってるんで!みんな、行って!」と発言して相変わらず存在感を示す桃井かおり。言葉通りに着々と、世界の映画のシーンで活躍している。
まずは、ハリウッドの『攻殻機動隊 "Ghost in the Shell."』では、主演のスカーレット・ヨハンソンの母親役に決定したと海外メディアの多くで報道されている。
同作の製作陣は昨年、スカーレット・ヨハンセンを原作漫画の草薙素子少佐をベースとした「少佐」役にキャスティングしたことから、人種を無視して白人俳優を起用する「ホワイトウォッシュ」だと批判され、10万人に及ぶ嘆願書までファンが提出し、大きく報道され話題を集めていた。
桃井のほか、北野武や福島リラなどが出演することも決まっている。
また、先日、オデッサ映画祭での演技賞を『フクシマ・モナムール』で桃井かおりが受賞したことをお伝えしたが、今度はメキシコのグアナファト国際映画祭では彼女に功労賞を受賞したことがわかった。
そして、日本では8月に、彼女自身が監督・脚本・主演の桃井かおりワールド全開の話題作『火 Hee』が公開される。
メキシコのグアナファト国際映画祭では功労賞
『火 Hee』
世界を跨いで活躍する女優・桃井かおりが、芥川賞受賞作家・中村文則と異色のコラボレイト!
中村文則原作の「火」を基に、女優・桃井かおりが演出・脚本を手がけ、かつ、同時に火に異常に執着する精神疾患を患う女性の演技にも挑戦する意欲作。
女優ならではの観点でしか成し得ない見たことのないミステリー作品を演出している『火 Hee』。
『火 Hee』予告
桃井かおり コメント
中村文則氏原作の「火」は、主人公がただ喋り続ける、ト書きさえないという、とにかく画期的な小説です。最初、奥山和由プロデューサーから出演のお誘いがあり、その後すぐ「桃井さんが監督するっていうのもアリかな?」と仰って頂いたんです。中村文則氏や奥山さんの勇気に比べれば、桃井が引き受けたことなど大したことではありませんが、この作品は彼らの勇気に報いる覚悟がなければならないと痛感していました。
主人公の女は、放火を犯しながら罪の意識さえない、物事を判断する尺度が折れ曲がっているとしか思えない女。でも、零れ落ちてくる言葉には、なぜかリアリティがある。誰でもいいからつながろうと生きている。どこか今の時代の象徴だと感じます。私はそんな人間を描き、演じたかったのです。