映画『シークレット・アイズ(原題: Secret in Their Eyes)』
第82回(2010年)アカデミー賞外国語映画賞に輝いたアルゼンチン映画『瞳の奥の秘密』をジュリア・ロバーツ&ニコール・キッドマンという2人のオスカー女優の初共演でハリウッドリメイクしたサスペンススリラー。
13年前の未解決殺人事件を解決すべく、捜査員たちが再会し、その後思わぬ真相にたどり着く姿を描く。『ニュースの天才』などのビリー・レイが監督・脚本。『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォーが共演。
梅雨の夜には少し怖めなサスペンスが合いますね。ハリウッドリメイクには一長一短があるけれど本作はかなり改変を加えてるものの3人の役者の怪演を思う存分楽しめる方向でのリメイクなのかな。
見事な存在感ですわよ。一流の役者ってすごいなあとつくづく。
13年前と現在を行ったり来たりするんだけれど、肌や体型の違いできちんと演じ分けてるんだよね。ただ3人の怪演に見惚れてるうちに13年前なんだか現在なんだかわからなくなっちゃうこともしばしばあったけど…。
ニコール・キッドマンはいつでもいつまでも美しい。完璧。圧倒的な美しさ。胸元のショットも嬉しいゾ。一方ジュリア・ロバーツはほぼスッピン(いや、老けメイクか!?)で生気を失って疲れ果てた雰囲気の中に怒りや狂気とそれを押さえる理性などが見え隠れする演技。まさに怪演。素晴らしい。
序盤の慟哭には心揺さぶられたよ。そんな2人に全然負けてないキウェテル・イジョフォー。
主演は彼だろう。他にも海外ドラマではお馴染みの役者ばかり出てくる。
巧みに作り込まれているドラマは見応えもあり、13年前と現在を素早く行ったり来たりする構成、演出も飽きさせず、衝撃のラストまで一気に連れていってくれる。絶妙な編集や音楽も相俟ってテンポが良いんだろうな。人間がいかに視覚から情報を得ているか、そしてそれがどう変化していくか、そんなことを考えながら楽しく観られる。満足なサスペンスだった。でもやっぱりジュリア・ロバーツには笑顔でいて欲しいなあ。
もっかい観るならニコール・キッドマンの髪の長さとキウェテル・イジョフォーの白髪を目印に13年前なのか現在なのか理解すれば良いんだな。
シネフィル編集部 あまぴぃ