剥き出しの魂が沸騰する。路上でいきなり見知らぬ人間に殴りかかり、ストリート・ファイトを繰り返す野獣のような若者。
その異形のオーラとカリスマ性に惹きつけられ、共に凶行に及んでいく“恐るべき子供たち”──。
真利子哲也監督の言葉を超えた衝撃作『ディストラクション・ベイビーズ』から、新しいキャラクター映像が解禁された。
この若者による群像劇は、愛媛県松山を舞台にした、無軌道な若者たちの欲望と狂気を描いている。
暴力にとりつかれた主人公には柳楽優弥がふんし、ほとんどセリフのない難役を演じ切った。さらに同様に菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎らが迫真の演技を見せている。
今回の真利子監督商業映画デビュー作は、監督と共に共同脚本として『桐島、部活やめるってよ』の喜安浩平を迎え、圧倒的なオリジナルの世界観を作り上げた。
「すべてをやりきった」と本人が語るとおり、純正100%、真利子(マリコ)映画の極限のかたちが満を持して世に放たれる---
ストーリー
愛媛県松山市西部の小さな港町・三津浜。海沿いの造船所のプレハブ小屋に、ふたりきりで暮らす芦原泰良と弟の将太。
日々、喧嘩に明け暮れていた泰良は、ある日を境に三津浜から姿を消す──。それからしばらく経ち、松山の中心街。強そうな相手を見つけては喧嘩を仕掛け、逆に打ちのめされても食い下がる泰良の姿があった。
街の中で野獣のように生きる泰良に興味を持った高校生・北原裕也。彼は「あんた、すげえな!オレとおもしろいことしようや」と泰良に声をかける。こうしてふたりの危険な遊びが始まった。やがて車を強奪したふたりは、そこに乗りあわせていたキャバクラで働く少女・那奈をむりやり後部座席に押し込み、松山市外へ向かう。
その頃、将太は、自分をおいて消えた兄を捜すため、松山市内へとやってきていた。泰良と裕也が起こした事件はインターネットで瞬く間に拡散し、警察も動き出している。果たして兄弟は再会できるのか、そして車を走らせた若者たちの凶行のゆくえは──