映画「FAKE」公開記念
森達也監督作品「A2 完全版」上映決定!
劇場公開時にカットされた幻のシーンを入れた「完全版」、初めての劇場公開
2014 年に「ゴーストライター騒動」で話題になった佐村河内守氏を追った ドキュメンタリー映画『FAKE』が、6 月 4 日(土)より、ユーロスペースにて劇場公開いたします。
映画「FAKE」の公開を記念して、この度、森達也監督「A2 完全版」をユーロスペースにて上映することが決定 いたしました!
本作はオウム真理教(現アーレフ)の広報副部⻑であった荒木浩と他のオウム信者たちにカメラ を向け、オウム事件の本質に迫った森達也の代表作『A』の続編。
公開から 15 年、2002 年の劇場公開時にカッ トされた幻のシーンを入れた完全版での初上映になります。
【森達也監督コメント】
「僕は最近のこの国が少し怖いです」 手にした一枚の年賀状の裏面には、印字された謹賀新年の横にボールペンでこの一文が書かれていた。差出人は、 その後に公開した「A2」に登場する⺠族派右翼のメンバーだ。
この少し前、彼ら⺠族派右翼の思想的支柱でもある幹部の自宅に安岡卓治と呼ばれて、三人でキッチンで酒を 飲んだ。飲み始めたときは緊張していたけれど、やがて酔いが回り、この時期に台頭し始めていた新しい歴史教科書を作る会について「極端な右傾化が始まっていて懸念します」と僕は言った。少しだけ目を細めるようにし てから、彼は静かに言った。
「あれは右翼じゃない。ファシズムだよ。とても危険だと俺も思うよ」 「A」そして「A2」を撮りながら、この国の急激な変化を肌で感じていた。それを言葉にすれば「集団化」だ。 危機意識を高揚させた集団は連帯を求め、同調圧力を強める。異物を探して標的にする。共通の敵を探したくな る。(同じ動きをするために)号令を求める。つまり強いリーダーだ。 「A2」公開直前、アメリカで同時多発テロが起きた。僕の視点からは、オウムによる日本社会の変化が、世界に 拡散したと感じた。
それから 15 年が過ぎた。集団化は止まらない。むしろ加速している。その原点を知ってほしい。気がつけば僕 たちは、これほどに遠くに来てしまっている。
<作品概要>
オウム真理教(現アーレフ)の広報副部⻑をと他のオウム信者たちにカメラを向け、オウム事件の本質に迫った 森達也の代表作『A』の続編。教団施設を追われ日本各地にその拠点を分散し活動している出家信者達とと地元 住⺠の対立と融和、右翼との交流など、社会の軋轢がより先鋭的に描かれる。
信者たちが抱えている矛盾や、社会の側に生まれ始めた「受容への萌芽」を描き出す。
前作『A』は 98 年に劇場公開され、ベルリン国際映画祭など多数の海外映画祭でも上映され世界的に大きな話 題となった。続く本作『A2』は 2001 年山形国際ドキュメンタリー映画祭、市⺠賞と特別賞を受賞。 今回、森達也監督 15 年ぶりの新作『FAKE』公開に合わせ、2002 年の劇場公開時カットされた幻のカットを加 えた完全版を上映。
監督:森達也
撮影:森達也・安岡卓治
編集:森達也・安岡卓治
製作:安岡卓治 2001/ドキュメンタリー/カラー/131 分
2002年度「映画芸術」ベスト・テン第8位
2002年度「キネマ旬報」ベスト・テン第23位
2001年 山形国際ドキュメンタリー映画祭 市民賞+特別賞W受賞
2001年 ダマスカス国際映画祭 正式招待
2002年 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭 正式招待
2002年 台湾国際ドキュメンタリー映画祭 正式招待
2002年 アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭 正式招待
<上映スケジュール>
◆日時:6/18(土)〜24(金) 連日 21:00〜
7/9(土)〜15(金) 連日 21:00〜
◆劇場:ユーロスペース(渋谷区円山町 1-5 KINOHAUS 3F)
6月公開 森達也監督 最新作『FAKE』予告
【映画『FAKE』上映時間&初日舞台挨拶のご案内】
東京、ユーロスペースでは、6 月 4 日(土)からの連日 11:30/13:50/16:10/18:30 の 1 日4回上映。
毎週木曜日の 18:30 の回と毎週日曜日の 11:30 の回に日本語字幕付き上映を行います。
6 月 4 日(土) 11:30 と 13:50 の回上映前に森達也監督による初日舞台挨拶を行う予定です。 初日舞台挨拶については改めてご案内をお送りいたします。