台湾、香港、中国本土など中華圏での仕事歴20年
(うち半分の10年は中国暮らし)
自称!日中友好大使の小松拓也です。

画像: 小松拓也

小松拓也

今回のコラムでは、中国人旅行客の爆買いの今後に関して検証していきたいと思います。
そもそもこれまで中国人旅行客の日本での爆買いに大きく起因していたのが、
1:円安、元高
2:近年、中国人の所得が上がった
3:日本品質という日本ブランドの信頼性と評価
4:日本が免税品を拡大していたことと、中国のこれまでの税制との関連
などが一般的に挙げられる主な理由のようです。

では、この爆買いと呼ばれる現象はいつまで続くのか?これを検証したいと思います。
そもそも爆買いの明確な定義って何でしょう?
①人気の高い家電や化粧品などの固有商品が大量に売れることですか?
②それとも飲食やレジャーなどの各種サービスを上記に含めた、中国人旅行客の日本国内における総消費額の総称ですか?

画像: 中国人旅行客の爆買いの様子 http://thutmose.blog.jp/archives/28934847.html

中国人旅行客の爆買いの様子
http://thutmose.blog.jp/archives/28934847.html

恐らくは後者を指して使われる場面が多い気がしますが、前者と後者がごちゃごちゃに入り乱れて捉えられている節を個人的には感じています。
仮に爆買いが後者だとした場合、個人的な見解としては、日本が良質なサービスを提供し続けられる国である以上、爆買い現象はまだ当面続くだろうと考えています。
ただ、爆買いがどのぐらいの消費額を指すのか?明確でないため、ここで使う「爆買い」は、日本の観光産業に中国人旅行客がもたらす恩恵が高いかどうか?という認識を共通の認識として、読んで頂ければと思います。

まず、①の固有商品の今後の売れ行きに関してですが、恐らくはこちらのピークの時期はすでに過ぎたのではないか?と考えています。
そもそも、爆買いの1番の要因と言われる「円安、元高」のピーク時は1元=20円程度でしたが、現在は1元=17円弱に変化しています。
(対ドルだと120円前後だったレートは現在111円ですね。)
為替だけで、去年のピーク時に比べると1万円換金するのだとしても1500円ほどの差額が生まれる状況です。

画像: http://umitokaze.net/archives/52426376.html

http://umitokaze.net/archives/52426376.html

加えて、2016年4月8日から中国政府は、海外で購入した商品を中国国内に持ち込む際の課税率を引き上げました。
これまで10~50%だった課税率は15~60%となり、たとえば家電製品は20%から30%に、高級腕時計などは30%から60%に引き上げられました。

これにより、消費面で中国人にとって最もお得感のあった時期はすでに過ぎてしまったことになりますし、仮に去年1年間で中国人旅行客が日本で消費したとされる約23兆3700億円(共同通信データ)が、ピークの爆買い額とするなら、今後はこれほどまでの需要は見込みにくくなるでしょう。
ただ、それでも今までの状況が少し異常だっただけで、今までほどではないでしょうが今後も日本の商品は相変わらずある程度の人気を保ちながら売れやすい状況だとは考えています。

なぜなら、日本で購入する全ての商品が課税の申告対象ではないわけだし、ここでは敢えて説明しませんが海外商品を国内に持ち込む際、課税を逃れる方法を知っている中国人だって存在します。
加えて為替などの影響はあるにせよ、それでも中国国内に比べて、日本での買い物にまだまだお得感がある状況は変わっていないからです。

画像: 中国のスーパーに陳列されているインスタントラーメン http://kotaro605.blog57.fc2.com/blog-entry-926.html

中国のスーパーに陳列されているインスタントラーメン
http://kotaro605.blog57.fc2.com/blog-entry-926.html

僕も中国在住時代は、たまに日本のカップラーメンなどが無性に食べたくなる時なんかがあり、関税と増値税が加わり、結果日本のスーパーなどで売られている3倍前後の金額を払ってわざわざカップラーメンを食べていた!ことがありました。(笑)
仮に日本のカップラーメンファンの中国人旅行客がいるなら、お土産に日本の安いカップラーメンを買って帰った方が遥かにお得ですよね?
もちろんこれはカップラーメンに限った話ではないので、中国人から見てお得感を感じる日本の商品は相変わらず人気を保つ可能性は当面高いと見ています。
では、次回のコラムでは上記②の爆買いに関して説明したいと思います。
是非そちらもご覧ください。

小松拓也
1977年生まれ。
高校を卒業するとともに金城武のような多言語を操る国際的な俳優を目指し、台湾へ語学留学。
2003年に台湾でリリースした北京語CDアルバム「一萬個為什摩」は二万枚のセールスを記録。2007年に中国の国民的テレビオーディション番組「加油!好男児」に参加をし、約八万人の応募者の中からトップ20位に残った唯一の外国人ということで大きな注目を浴び、番組終了後は数多くの中国のテレビやイベント、雑誌などに出演するほか、数社の企業広告のイメージキャラクターを務め、日本の音楽を紹介する「音楽物語in Japan」のMCを務めるなど幅広く活動。
また、国家プロジェクトである上海万博の開幕式への参加や、世界中の華僑を台湾に集めて台北小巨蛋をステージに行われた四海大同では、2万人を前にイベントのテーマソングを歌うなど、その功績を中国からも認められている数少ない日本人の1人。

小松拓也オフィシャルブログ
http://profile.ameba.jp/takuyashanghai/

This article is a sponsored article by
''.