台湾、香港、中国本土など中華圏での仕事歴20年
(うち半分の10年は中国暮らし)
自称!日中友好大使の小松拓也です。
これまでのコラムでは、中国人の世代間における価値観や嗜好性、習性の違いなどを中国人のバックボーンに照らし合わせながら話して来ましたが、今回の記事では日本へやって来るいわゆる爆買いに奔走している中国人旅行客に対して少しでも個人やお店、場所や会社をアピールしたいと考える人にとって必須になるアプリ「微信(WeChat)」に関して話していきたいと思います。(勿論中国芸能界へパイプを作りたいと考える日本人にとっても役立つはずです。)
微信(WeChat)は中国人であれば、かなりの確率で使用している必須アプリです。
ちなみに、微信(WeChat)ってどういうアプリ?というのを一言で説明してしまえば、中国版Lineという感じのアプリでして、主な機能などもほぼほぼLineと同じです。
スマホ携帯なら日本でも日本語版を簡単にダウンロード出来るので、もしまだ微信(WeChat)を持っていないという方は是非手に入れてみてください。Lineと使い方もほとんど変わらないですよ。
おっと、ここで一言!
恐らく疑問に思った方も多いはず!「Lineと同じような機能のアプリなんでしょ?そもそも中国ではLine使われてないの?」
はい、中国本土ではLineは原則繋がりませんし、TwitterやFacebookなどの中国国外のSNSサイトは国からの規制がかかっている為、まず使用出来ません。
こちらの対策としては、VPNを使用するなどの方法で回避するやり方もあるのですが、今回は話が脱線してしまうのでその説明は今後またするとします。
それと、台湾や香港はLineなどが使える地域なこともあり、台湾人や香港人ならばLineやTwitterといったSNSを微信(WeChat)と併用して使っている人は少なくないですよ。
さて、再び話を微信(WeChat)に戻しますが、ここからは日本人にとってのLineとの付き合い方と、中国人の微信(WeChat)の使い方の大きな相違点にフォーカスを絞ってお話します。
ちなみにLineと微信(WeChat)とで完全に異なるサービスの違いに、微信(WeChat)はPDFやWard、などの資料の送受信が可能な上に、最大20Mまでのファイルが転送可能な点です。
その為、中国人同士の間ではプライベートだけでなく、ビジネスでも微信(WeChat)を利用しているという割合が非常に高いです。
そして、ここが微信(WeChat)を利用する最大の肝ですが、まず日本人の多くはLineをほとんどの場合、ビジネスツールとしてではなく、プライベートツールが主な役割として使用していますよね?
もちろん仕事で使用している方々もいるでしょうが、特に取引先とのやり取りはメールを通して!という方が大半なのだと思います。
加えてLine内でグループLineを使用している日本の方は少なくないでしょうが、それでも多くてせいぜい50名ほどのコミュニティなのではないでしょうか?(もしかしたら僕が極端に友達少ないだけかもしれないですが…)
これが微信(WeChat)を利用している中国人のグループWeChatになると、1人で数百を超えるコミュニティにいくつも参加している!という中国人が決して少なくないのです。
多いコミュニティになると数千の大所帯グループを抱えるコミュニティも存在します。しかもビジネスツールとして利用している割合も相当数にのぼります。
もちろんグループへの1番最初の関わり方は、誰かの紹介がないとコミュニティに加われないですが
一度輪が広がれば、WeChat内だけで大勢の中国人と繋がりや交流が出来るだけでなく、流したい情報をピンポイントでダイレクトに自分の活動をアピールしたい人達に向けて流せるわけです。
ちなみに、僕が参加している微信(WeChat)のグループの中には、「日中ビジネス交流会(仮)」というようなカテゴリーの「日本人、中国人のビジネス交流会」のような100人超のコミュニティがあったり、(こちらは中国人だらけですが)300人ほどの中国メディア関係者や芸術家などが中心に集まったコミュニティに参加をしていたりします。
もちろん、時としてここから有益な情報を得たり、交流が生まれることなどもあるわけで、自分自身が身を以て中国人との交流には微信(WeChat)が非常に重要だと感じているわけです。
日本の飲食店などでも最近はLine登録をすることでサービスを付与し、登録者を増やすお店が増えていますが、もし中国人旅行客の爆買いを呼び込みたいと思うのなら、微信(WeChat)でも同じサービスを展開した方が確実にプラスになると思います。
アプリを入手するだけならばタダですし、「微信交換しようよ」と中国人と会話することから交流の幅を広げてみるという価値は大いにありますよ。
小松拓也
1977年生まれ。
高校を卒業するとともに金城武のような多言語を操る国際的な俳優を目指し、台湾へ語学留学。
2003年に台湾でリリースした北京語CDアルバム「一萬個為什摩」は二万枚のセールスを記録。2007年に中国の国民的テレビオーディション番組「加油!好男児」に参加をし、約八万人の応募者の中からトップ20位に残った唯一の外国人ということで大きな注目を浴び、番組終了後は数多くの中国のテレビやイベント、雑誌などに出演するほか、数社の企業広告のイメージキャラクターを務め、日本の音楽を紹介する「音楽物語in Japan」のMCを務めるなど幅広く活動。
また、国家プロジェクトである上海万博の開幕式への参加や、世界中の華僑を台湾に集めて台北小巨蛋をステージに行われた四海大同では、2万人を前にイベントのテーマソングを歌うなど、その功績を中国からも認められている数少ない日本人の1人。
小松拓也オフィシャルブログ
http://profile.ameba.jp/takuyashanghai/