ピンク四天王と呼ばれ、長編デビュー作『狂った触覚(激愛!ロリータ密猟)』(85)­から一貫してタガの外れた暴力とフェティシズム、鮮血と愛液の洪水をスクリーンに叩き­つけてきた鬼才・佐藤寿保監督が、戦慄の日米合作映画『眼球の夢』を完成させた。

江戸川乱歩原作の『乱歩地獄/芋虫』(03)、谷崎潤一郎原作の『刺青 SI-SEI』(05)以来およそ10年ぶりにタッグを組むのはカルト脚本家・夢野史­郎。
少女と猟奇殺人鬼の血まみれの交流を描いた『秘蜜の花園(ロリータ・バイブ責め)­』(87)、ピエル・パオロ・パゾリーニ監督へリスペクトを込めた『オスティア~月蝕­映画館~(狂った舞踏会)』(89)、川端康成の「眠れる美女」をモチーフに劇薬ハル­シオンを巡る秘密組織の恐怖を綴った『視線上のアリア(浮気妻 恥辱責め)』(92)など、これまでも尋常ならざる映像群を生み出し続けてきた日本の­ブニュエル×ダリとも言える二人。

そんな犯罪ギリギリの二本のアンテナが長い沈黙を経­て対峙した先には、予測不能な官能の極北があった…。初期作品からライフワークとして­追い続ける“視線の暴力”。
その根源である“眼球”を主題に産み落とされた本作は、観­客の精神をも危険にさらす、ドグラ・マグラ真っ青の発狂必至のビザール・シネマだ。

画像: 映画『眼球の夢』特報 youtu.be

映画『眼球の夢』特報

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プロデューサーを務めたヴェレナ・パラヴェルとルーシァン・キャスティーヌ=テイラーは、人と自然の狂気を斬新な視点で撮影した海洋ドキュメント映画『リヴァイアサン』(12)の監督として知られる一方で、ハーバード大学の感覚民族誌学研究所所属の人類学者という顔を持っている。

日本のピンク映画の歴史をリサーチする中で出合った、佐藤の一連の作品にショックを受け、バタイユが記した禁断の書「眼球譚」もかすむ本作の企画に賛同。プロデューサーとして名を連ねると同時に、研究テーマでもある人類の両義性および多様性に迫る彼ら自身の新たな作品撮影を本作の現場で同時進行的に行うという、共犯関係を結んだ(年内完成予定)。

■STORY■
“生き別れた眼球”を探すため、カメラ片手に魔都TOKYOを彷徨う麻耶。浮遊するが­ごとく眼球を求め続ける麻耶の姿を記録する脳外科医と、麻耶の眼球を狙う黒ずくめの怪­しい眼球コレクター。三人が一つの線として結ばれた時、血の惨劇が幕を開ける…。愛液­と鮮血をまき散らしながら迷いもがく麻耶が、己の網膜に焼き付けたものとは一体何だっ­たのか!?
出演:万里紗、桜木梨奈、中野剛、PANTA、小林竜樹、佐川一政、シャイリー波輝、­川瀬陽太、和女
監督:佐藤寿保 
脚本:夢野史郎
プロデューサー: ヴェレナ・パラヴェル ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー 坂口一直
共同研究:東京工芸大学映像表現研究室
特別協力:フジヤエービック
製作:アレット・トン・シネマ スタンス・カンパニー
Ⓒ2016 Arrete Ton Cinema, Stance Company

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