東京都現代美術館で「スタジオ設立30周年記念 ピクサー展」が2016年5月29日まで開催されています。ピクサー作品が生まれる過程をみられる貴重な機会です。

「トイ・ストーリー」や「ファインディング・ニモ」、「インサイド・ヘッド」そして最新作「アーロと少年」など、数々の人気作品を世界に送り出すピクサー・アニメーション・スタジオ。1986年、アメリカのカリフォルニアで、ジョン・ラセター、エド・キャットマル、スティーブ・ジョブズらが奇跡のような運命で共に集い、ピクサーは設立されました。2016年はスタジオ設立30周年の節目となります。

画像: ボブ・ウォーリー ウッディとバズ 『トイ・ストーリ』(1995年) マーカー、鉛筆/紙 203x241mm 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

ボブ・ウォーリー
ウッディとバズ
『トイ・ストーリ』(1995年) マーカー、鉛筆/紙 203x241mm 「©Disney/Pixar」
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会場に入って少し歩くと、「ルクソーjr」がいます。

画像: ルクソーjr 制作:デザイン:ネフタリ・アルヴァレス/ 3Dプリント:キャロル・ワン/ ポージング:ウォーレン・トレゼヴァント<ランプとボール>「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

ルクソーjr 制作:デザイン:ネフタリ・アルヴァレス/ 3Dプリント:キャロル・ワン/
ポージング:ウォーレン・トレゼヴァント<ランプとボール>「©Disney/Pixar」
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ピクサー作品は、日本やアメリカだけでなく世界中で上映され、多くのファンに愛され続けていますが、それはコンピュータアニメーションという優れた技術だけによるものではなく、独創的なストーリーや魅力的なキャラクターなどの存在があるからです。驚くべきことに、ピクサーには技術スタッフと同じくらい多くのアーティストやデザイナーたちが在籍しており、彼らはストーリーや映画のビジュアルなどを考える企画の構想段階で、手描きのドローイングやパステル画、デジタルペインティング、彫刻などを数々生みだし、ピクサー作品の創造性を支えています。

本展は、そうした創作活動にスポットライトをあて、ピクサーに所属するアーティストたちが映画制作の過程で創り出した多種多様なアートワークを紹介するものです。2005年にニューヨーク近代美術館でスタートし、世界各国で好評を博した世界巡回展が、2016年、スタジオ設立30周年を記念した作品群を加え、構成を新たにして日本に上陸します。

画像: ロバート・コンドウ(レイアウト:ジェイソン・カッツ、ジョン・サンフォード)《ビートボード:さよなら、アンディ》『トイ・ストーリー3』(2010年)デジタルペインティング 「©Disney/Pixar」

ロバート・コンドウ(レイアウト:ジェイソン・カッツ、ジョン・サンフォード)《ビートボード:さよなら、アンディ》『トイ・ストーリー3』(2010年)デジタルペインティング
「©Disney/Pixar」

みどころ1.   
世界初のフルCG長編アニメーション映画「トイ・ストーリー」から最新作「アーロと少年」に至るまで、映画制作の過程で生み出された美しいアートワークの数々から世界初公開作を含む約500点を一挙公開!

驚くことに、ピクサーには技術スタッフと同じくらい多くのアーティストやデザイナーたちが在籍しています。彼らが生み出す、美しい手描きのドローイングやパステル画、デジタルペインティング、彫刻などが、ピクサー映画にとって、テクノロジーと同じくらい重要な役割を果たしていることは、実はあまり知られていません。本展では、スタジオ設立当初の短編作品をはじめ、「トイ・ストーリー」シリーズ、そして「インサイド・ヘッド」や最新作「アーロと少年」に至るまで、映画制作の源となった貴重なアートワークから約500点を厳選し、一堂に展示します。

画像: シャロン・キャラハン《カラースクリプト》『アーロと少年』(2015年)デジタルペインティング 「©Disney/Pixar」

シャロン・キャラハン《カラースクリプト》『アーロと少年』(2015年)デジタルペインティング
「©Disney/Pixar」

みどころ2.  
ピクサーがアニメーション制作で最も大事にしている「ストーリー」「キャラクター」そして「世界観」を、多才なアーティストたちが様々な技法を使って表現!

みどころ3.   
大型ゾートロープや迫力のスクリーン映像でピクサー・アニメーションの世界観を表現!

ピクサーの世界観を表現する大型インスタレーションや、映画制作の裏側などを紹介する豊富な映像コンテンツも本展の大きな見どころ。特に世界巡回展のために特別に開発された2つの大型インスタレーション、「トイ・ストーリー ゾートロープ」と「アートスケープ」は圧巻です。また、スタジオ所属のアーティストへのインタビュー映像やショートフィルムも多数上映される貴重な機会となります。

画像: 《トイ・ストーリー ゾートロープ》 円盤の上に配置されたウッディやバズといった「トイ・ストーリー」に登場するキャラクターたちの立体フィギュアを暗闇の中で高速回転させ、それらをストロボライトで照らすことでキャラクターたちがあたかも生きて動いているように見せる装置です。アニメーションの原理を体感できます。 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

《トイ・ストーリー ゾートロープ》
円盤の上に配置されたウッディやバズといった「トイ・ストーリー」に登場するキャラクターたちの立体フィギュアを暗闇の中で高速回転させ、それらをストロボライトで照らすことでキャラクターたちがあたかも生きて動いているように見せる装置です。アニメーションの原理を体感できます。
「©Disney/Pixar」
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「ピクサー映画ができるまで」のコーナーでは、順を追って映像作品が仕上がっていく様子をみることができます。

画像: 「ピクサー映画ができるまで」コーナー入口「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

「ピクサー映画ができるまで」コーナー入口「©Disney/Pixar」
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画像: スクリプトの展示「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

スクリプトの展示「©Disney/Pixar」
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カラースクリプトは、色彩、ライティング、空気感によって、ストーリー全体の喜怒哀楽を目に見えるようにする役割を担っています。時間軸に沿ったフォーマットで描き出して映画全体に適用される基本的なカラー構造をみることができます。

画像: 堤大介 カラースクリプト 『トイ・ストーリー3』(2010年) デジタルペインティング 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

堤大介
カラースクリプト
『トイ・ストーリー3』(2010年) デジタルペインティング 「©Disney/Pixar」
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画像: 上図の一部を拡大したところ 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

上図の一部を拡大したところ 「©Disney/Pixar」
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「キャラクター」
ピクサーでは、観客が大切に思ってくれるような魅力的なキャラクターを作るために、努力を惜しまないそうです。アーティストのチームは、監督と一緒に複数のデザイン案を模索しながら、それぞれのキャラクターを様々なバリエーションで描いていきます。
この初期のスケッチでは、すてにマイクとサリーの特徴が決まっています。

画像: ピート・ドクター サリーとマイク 『モンスターズ・インク』(2001年) マーカー/紙 216x279mm 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

ピート・ドクター
サリーとマイク
『モンスターズ・インク』(2001年) マーカー/紙 216x279mm 「©Disney/Pixar」
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彫刻家たちも、ドローイングを利用して粘土で立体模型を制作します。この模型によって、そのキャラクターをあらゆる角度から見ることができるようになります。

画像: ジェローム・ランフト サリー 『モンスターズ・インク』(2001年) ウレタン樹脂構造 368x241x235mm 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

ジェローム・ランフト
サリー
『モンスターズ・インク』(2001年) ウレタン樹脂構造 368x241x235mm 「©Disney/Pixar」
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展示作品の中には、完成した映画には登場しないモンスターたちのイラストもあります。

画像: 左:ジーフィー・ボードー あるモンスター 『モンスターズ・インク』(2001年) グアッシュ/フォトコピー 279x216mm 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

左:ジーフィー・ボードー
あるモンスター
『モンスターズ・インク』(2001年) グアッシュ/フォトコピー 279x216mm 「©Disney/Pixar」
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「世界観」
現実的であるということより、体感できるもの、心に訴えかけるものを目指しているそうです。
初期のアイデア・イメージの段階で、最終的なディテールが決まった場面の雰囲気はすでに見られます。

画像: ドミニク・R・ルイス 絶叫フロア 『モンスターズ・インク』(2001年)パステル/板に紙 216x248mm 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

ドミニク・R・ルイス
絶叫フロア
『モンスターズ・インク』(2001年)パステル/板に紙 216x248mm 「©Disney/Pixar」
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画像: ドミニク・R・ルイス 絶叫フロア 『モンスターズ・インク』(2001年)パステル/板に紙 508x654mm 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

ドミニク・R・ルイス
絶叫フロア
『モンスターズ・インク』(2001年)パステル/板に紙 508x654mm 「©Disney/Pixar」
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画像: ピクサーのデジタルアーティストたちが、洗練された彩色技術を駆使した作品の細部を紹介する映像より。『カーズ』のキャラクターのために制作された約150もの光彩を映し出す。 編集:ベッキー・ニーマン 彩色:バート・ベリー、ロビン・クーパー、ジェイミー・フライ、イボンヌ・ハーブスト、ブリン・イマギレ、グレン・キム、ジャペ・ピーパー、ベリンダ・ファン・ファルケンバーグ「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

ピクサーのデジタルアーティストたちが、洗練された彩色技術を駆使した作品の細部を紹介する映像より。『カーズ』のキャラクターのために制作された約150もの光彩を映し出す。
編集:ベッキー・ニーマン
彩色:バート・ベリー、ロビン・クーパー、ジェイミー・フライ、イボンヌ・ハーブスト、ブリン・イマギレ、グレン・キム、ジャペ・ピーパー、ベリンダ・ファン・ファルケンバーグ「©Disney/Pixar」
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画像: 拡大すると、一つ一つが驚きの美しさ。 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

拡大すると、一つ一つが驚きの美しさ。 「©Disney/Pixar」
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最新作『アーロと少年』の紹介もあります。

画像: 「アーロと少年」紹介ボード「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

「アーロと少年」紹介ボード「©Disney/Pixar」
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画像: シャロン・キャラハン カラースクリプト 『アーロと少年』 (2015年) デジタルペインティング「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

シャロン・キャラハン
カラースクリプト
『アーロと少年』 (2015年) デジタルペインティング「©Disney/Pixar」
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展示の最後にはジョン・ラセターのこの言葉。

画像: 「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

「©Disney/Pixar」
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エントランスホールにはフォトスポット「マイクとサリー」があり、「モンスターズ・インク」のキャラクターと一緒に記念撮影ができます。
ぜひ、彼らに会いに行きましょう。

画像: フォトスポット「©Disney/Pixar」 photo©cinefil

フォトスポット「©Disney/Pixar」
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開催

展覧会タイトル:スタジオ設立30周年記念 ピクサー展
会期:2016年3月5日(土)- 5月29日(日)
開館時間:10:00~18:00(ただし、4月29日-5月28日の金・土・祝日は20:00まで)
     ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日および3月22日(火)
※ただし3月21日(月・祝)、5月2日(月)、5月23日(月)は開館
会場:東京都現代美術館
〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1
• 交通のご案内:東京メトロ半蔵門線・清澄白河駅B2番出口より徒歩9分
• 都営地下鉄大江戸線・清澄白河駅A3番出口より徒歩13分
• 東京メトロ東西線・木場駅3番出口より徒歩15分、又は都営バスで「東京都現代美術館前」下車
• 都営地下鉄新宿線・菊川駅A4番出口より徒歩15分、又は都営バスで「東京都現代美術館前」下車
※「木場」「菊川」「錦糸町」「東京」「とうきょうスカイツリー」「押上」「秋葉原」「新橋」「葛西」「豊洲」駅などから都営バスでもお越しになれます。
▽詳しくはこちら
<http://www.mot-art-museum.jp/museuminfo/access.html>

お問い合わせ:東京都現代美術館
03-5245-4111(代表)/ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://pxr30.jp/
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館/読売新聞社/TBS/WOWOW
協賛:伊藤忠商事
協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン/日本貨物航空/ファミリーマート
後援:J-WAVE 81.3FM
同時開催:「MOTアニュアル2016」 「MOTコレクション」

チケット:

画像: チケット:

未就学児は無料。 20名様以上の団体購入は当日券料金から2割引(東京都現代美術館で購入の場合のみ)。 身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)は無料。5月18日(水)はシルバーデーにより65歳以上の方は無料(年齢を証明できるものが必要です)。 本展チケットで「MOTコレクション」(常設展)もご覧いただけます。
販売場所:ファミリーマート店内Famiポート
(※一部店舗を除く)
(そのほかに東京都現代美術館などでも販売)

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