『ノーマ、世界を変える料理』公開記念
世界一のレストラン「ノーマ」の蟻はオレンジ味!!!
このたび本作の公開を記念して特別試写会が開催されました。上映前には、ひと足先に本作をご覧いただいた料理界を牽引する服部栄養専門学校校長の服部幸應さん、「世界ベストレストラン50」日本評議委員長であるコラムニストの中村孝則さんをお招きし、実際にレネ・レゼピ氏にもお会いしたお二方にしか話せない、世界一のレストラン「ノーマ」についてトークイベントを行いました。
■日程 4月15日(金)19:00~19:30 ■場所 スペースFS汐留
■ゲスト 服部幸應(服部栄養専門学校・校長)/中村孝則(コラムニスト)
本作は、“世界一のレストラン”と言われるコペンハーゲンのレストラン「ノーマ」の天才シェフ、レネ・レゼピに密着。美食とは無縁とされてきた北欧の食材にこだわり、生きた蟻、花、苔までをも美しい料理に昇華させ、食の世界に革命を起こしました。
休むことなく探求を続けるレネの姿を追いながら、突如襲った食中毒事件、世界1位からの転落。最悪の状況から再び世界1位に返り咲くまでーー壮絶な道のりを追う4年間のドキュメンタリーです。
『世界ベストレストラン50』1位に4度に選ばれたコペンハーゲンの「ノーマ」にこれまで3回ほど訪れ、レネ・レゼピとも親交のある服部栄養専門学校・校長の服部幸應先生。
「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長を務めるコラムニストの中村孝則さんに、実際「ノーマ」で食事した感想を聞かれると、
「倉庫街にあって、がらんとしていて、テーブルクロスがない。ナイフフォークが、バイキングの国だから、バイキングのナイフが出てくると聞いていた。奇想天外で面白いなと思った。そして、毎回メニューが変わる。彼の新しいものを作り上げたい気持ちが前面に出ている。アリが入っていたり、苔が出てきたり、びっくりするお料理。」
中村さんが「アリはどんな味なんでしょう?」と質問すると服部先生は、
「僕、いろんなもの、随分食べてきましたよ。ムカデとかクモとかいろんなもの食べた。アリは大したことない。笑。アリってね、酸っぱいんです。アリも種類によって味が違うんですよね。オレンジ味とグレープフルーツ味とゆず味とかね、いろいろあるんですよ。」
また、中村さんは、昨年ノーマが東京に限定出店した際に出てきたアリの料理について、
「その時は、長野のアリを使っていたんですが、なんと山椒の風味なんです。長野のアリは。」
と話し、会場からは驚きの声が上がりました。
また、世界的な美食ブームについても話しは及び、ノルウェーの親善大使をしていた中村さんは、つい数年前までは北欧に美食なんてなかったと話し、
「美食っていうのはフランス、というのが今までの流れであったんです。それが美食が今や、デンマークにもある、ペルーにもある、ブラジルにもある、メキシコにも。という時代になって、食がほんとうに多様化して、美食革命が起こっている。」と分析。
これに対し服部先生は、「まさに今そうゆう時代に入ってきていますね。
フランスは農務省が相当力を入れて、食品振興会とものを38カ国においてやっていた。ところがね農務省だけではダメだということになって、外務省と組んでやることになって、それぞれの国に行っている大使の人たちに、これは国の威信にかけてもフランス料理を普及をさせようと言って、今すごいんですよ。」と話した。
世界の食文化の現状について様々な話が飛び出し、そんな興味深い話の数々に観客の皆さんも、注意深く耳を傾けていました。
監督:ピエール・デュシャン
出演:レネ・レゼピ ほか
配給:ロングライド
(C)2015 DOCUMENTREE FILMS LTD