現在、初台の東京オペラシティアートギャラリーにて、大規模な写真展「ライアン・マッギンレー BODY LOUD !」(2016.4.16 - 7.10)が公開中のアメリカが生んだ稀代の写真家、ライアン・マッギンレー。
フォト・カルチャーに馴染みのない方も一度は、耳にしたことがあるかもしれないライアン・マッギンレーという名前、アート、ファション、サウンド、シネマが好きな方、写真が生活の一部になっている方、また一度でも彼の作品世界に興味を持ったのなら、是非、この機会に観に出かけることをオススメします。
彼の今までの足跡を大きく引き延ばされたプリント群で壮観できる、さながら"マッギンレーまとめ"ともいえる大規模な展示内容となっている。
*:記事の最後に入場チケット・プレゼントがございます!
専攻していたグラフィック・デザインよりも写真に傾倒していった学生時代
ライアンは、数多くの名だたるファッション・デザイナーやアーティストを輩出してきたN.Y.のパーソンズ・スクール・オブ・デザインのグラフィック・デザイン課を卒業している。写真は、学生時代に次第に目覚めて、その才能を開花させたようだ。
初期のライアンの愛蔵カメラは、ちょっとマニアックな日本製のパチカメだった!
当時、愛用していたカメラは、中古で5ドルで買えるYASHICA T4 SUPER、シャープで明るいカール・ツァィス・レンズを奢ったスナップ・カメラで、ライアンはモチロンのこと、かのテリー・リチャードソンも重用していたというフィルム装填式コンパクトカメラの隠れた名機。
日本で知られたキッカケはシガー・ロスのジャケ写
写真家、ライアン・マッギンレーが日本で一躍、注目されたのは、アイスランドのエレクトロ・シューゲイザー・バンド、シガー・ロスのアルバム「残響」のジャケットに写真が使われたのがキッカケだった。
史上最年少! N.Y.の名門美術館 ホイットニー・ミュージアムで個展という快挙!
学生時代、寝食を共に過ごした友人らとのユース・カルチャー・シーンを収めた初期の作品集「キッズ・アー・オールライト」を100部限定で自らデジタル・プリントし、ZINEのような初の私家版写真集として、雑誌編集者やアート・キュレーターに贈ったところ、すぐにその才能に目が留まり、2003年に、史上最年少でニューヨークのホイットニー・ミュージアムで個展を開いている。まだ25歳の時のことだ。
以降、トントン拍子という形容がこの人ほど当てはまる人もいないと思える破竹の快進撃で、あっという間にニューヨークでのアート・フォトグラフィ・シーンのアイコン的存在となっていった。
映像を志向する"シネマティック"なその世界観
筆者は、この作品「メロウ・メドゥー」を観た時、公に姿を見せず、映画「シン・レッドライン」を作るまでは、その生死さえも分からず、一時は幻の映画監督とまで云われたテレンス・マリックの名作「天国の日々」を思い起こした。
黄金色に包まれた至福の光と色彩の中をあてどもなく裸の男女が走り抜ける。描かれているものは、若き頃のリチャード・ギアが出ていたあの曰く付きの名画とは、全く違うものだけれど、画が醸すものには同じ空気や血が流れていると感じた。
ライアンが撮る光景は、サウンドでいえば、シネマティック・サウンド・スケープそのものだ。1枚の写真なのに時を超えた映画的なダイナミズムと叙情性が佇んでいる。
そして、ライアンが、最も敬愛する映画監督は、テレンス・マリックで大好きな映画は、「天国の日々」なのだと後になって知った。
しかも、二人の話はそこでは終わらない。テレンス・マリックが2014年に監督した映画「Knight Of Cups」(日本公開未定)は、写真家、ライアン・マッギンレーにインスパイアされた作品でライアン自身がテレンスのたっての願いでカメオ出演していると知って、更に驚いた。
アメリカ社会が失いつつあるもの、人間の根源的な渇望を写真や映像として、結実させることができるこの異能の二人の作家。
様々なことが綻び始めた現代社会において、彼らが視続ける夢を追想したい思いに老若男女を問わず、きっと駆られることだろう。
それにしても、ライアンへのアンサーソングのようなことをテレンス・マリック自身がやるとは?! 孤高の作家同士が互いに響き合ったコラボレーションをいつの日か、是非、劇場で観てみたい!
『Knight Of Cups』(原題)
監督・脚本:テレンス・マリック
出演:
クリスチャン・ベール
ナタリー・ポートマン
ケイト・ブランシェット
日本公開未定
アート・シーンにおける"ライアン・マッギンレー"という現象
ライアン・マッギンレー BODY LOUD !
ライアンの写真世界は、自由に溢れ、唯一無二の輝きを放ち続ける。とてもロマンティックだ。
ヴィヴィッドでカラフルでいて、どこか、永遠に夢を追い続けているかのような美しい光景の下、モデルたちの何気ない所作の瞬間を切り取った、決して美しすぎず、ほんの少しだけ、薄汚かったりする。
コンセプトをキチンと考え抜かれた元で、ハプニングを期待してシャッターを押し続けることで崇高な世界観を作り上げる。こんなアート・フォトグラフィは、今までになかった。
とても気さくでナイスなライアン・マッギンレー、次回の来日で、機会をいただけたら、ムービーでロング・インタビューを収録してみたい。訊いてみたいことがたくさんある。21世紀の世界の写真史を確実に更新し、そして、その先の未来を志向する彼を見守っていたい。
PRESENT 「ライアン・マッギンレー BODY LOUD !」
このたび, シネフィルでは、「ライアン・マッギンレー BODY LOUD !」入場チケットを5組10名の皆様へプレゼントをおこないます。
下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、
「ライアン・マッギンレー BODY LOUD !」入場チケット・プレゼント係宛てに、メイルでご応募ください。
抽選の上、記名ご本人様のみ有効の、チケットをプレゼントいたします。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。
☆応募先メイルアドレス
info@miramiru.tokyo
応募締め切り ☆2016年5月15日
記載内容
☆1、氏名
☆2、年齢
☆3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
建物名、部屋番号がない場合は、郵便が到着しないケースが発生しておりますので、
かならず、建物名、部屋番号の両方をご明記下さい。
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ご家族名などでの、二重、三重応募は、無効とさせていただきます。
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