世界を揺るがしたスノーデン事件の始まりと真相、
そして彼の亡命までを追ったドキュメンタリー
『シチズンフォー スノーデンの暴露』
米国政府のスパイ行為を告発した男、エドワード・スノーデン。
世界を震撼させたスノーデン事件の全ての記録(ドキュメント)――。
ドキュメンタリー映画作家ローラ・ポイトラスに重大な機密情報を持っているとコンタクトしてきた者がいた。
コードネームは、CITIZENFOUR。2013年6月、香港でのインタビューに現れたのは当時29歳の元CIA(中央情報局)職員、エドワード・スノーデン。
彼の暴露、それは、米国政府は世界の要人だけでなく、一般国民の電話、インターネット等を傍受しスパイ行為を行っているという驚愕の真実だった。
インタビューを敢行したポイトラス監督は、本作でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞、そして、もう一人のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドのガーディアンへの寄稿はピューリッツァー賞に輝いた。
世界を駆け巡った“スノーデン事件”の始まりとその真相、母国(アメリカ)に戻れなくなった彼の亡命までを追った衝撃作。
スノーデン氏が「IP電話は盗聴器として遠隔操作でき、この機器一つで10億件の通話や通信を監視できる」と語り、政府がサーバーに直接侵入するとして、Yahoo、Google、Facebook、YouTubeなど世界企業の名前が、挙げられていく---
"観察映画"でやはり世界で活躍する想田和宏監督のブログにその撮影の逸話が---
僕はてっきり、スノーデン氏の告発の過程を事後的なインタビューを通じて描くような作品だと勝手に思っていたので、映画を観ながら口をあんぐり開けっぱなしでした。あの歴史に残る重大事件の真ん中にローラのカメラがあり、その顛末を「第三者」としてというよりも、当事者として記録している。ものすごい快挙です。
こんなドキュメンタリー、いくら頑張って撮ろうと思っても、おいそれと撮れるようなものではありません。奇跡だと思います。同時に、スノーデン氏のみならず、母国アメリカの政府を完全に敵に回してでもこの作品を作り公開したローラの勇気と鉄の意志に、感嘆せざるを得ません。