第45回ロッテルダム国際映画祭に正式出品された日米合作、リリー・フランキー15年ぶりの単独主演最新作『シェル・コレクター』がテアトル新宿、沖縄の桜坂劇場ほか絶賛上映中です。

公開を記念して、『シェル・コレクター』坪田義史監督と、3/26に公開する映画『無伴奏』の矢崎仁司監督登壇のトークイベントを開催。
『シェル・コレクター』、『無伴奏』ともに出演し、物語を動かす役を演じる池松壮亮について、両作品に出演している映画を愛する俳優たちの魅力について語りました。


矢崎監督はこれまで『三月のライオン』(92)、『ストロベリーショートケイクス』(06)、『スイートリトルライズ』(10)など、話題作を数々発表。『ストロベリーショートケイクス』は月刊漫画ガロ出身の魚喃キリコ原作、坪田義史監督のデビュー作もガロに連載されていた安部慎一原作『美代子阿佐ヶ谷気分』という共通点も。

そんな2人の最新作は、坪田監督はピューリッツァー賞受賞米国作家アンソニー・ドーアの同名小説を映画化した『シェル・コレクター』、矢崎監督は直木賞受賞作家・小池真理子の同名小説『無伴奏』と、原作の映画化でありながら、2人の監督にしか描けない独自の色を作品に投影させています。出演者の顔ぶれも、『シェル・コレクター』はリリー・フランキー、寺島しのぶ、池松壮亮、橋本愛、『無伴奏』は成海璃子、池松壮亮、斎藤工という誰もが知るシネフィル俳優大集合!
共通点の多い奇才監督2人に、たっぷりと最新作についても語って頂きました!

画像: 右 坪田義史監督 、左 矢崎仁司監督

右 坪田義史監督 、左 矢崎仁司監督


3月13日(日)
【場所】テアトル新宿
【登壇者】坪田義史監督『シェル・コレクター』
     矢崎仁司監督 (最新作『無伴奏』)


■実は『無伴奏』は坪田義史監督の前作『美代子阿佐ヶ谷気分』を参考にしていた?!
坪田監督:共通するプロデューサーがいて、前作『美代子阿佐ヶ谷気分』のときに矢崎監督が電話してくれてから交流しているんですよね。
矢崎監督:坪田監督に会いたかったのになかなか会えなかったんですよね。『美代子阿佐ヶ谷気分』が好きで、こういう映画を撮れるってすごいな、かなわないなと思っていたんです。僕の最新作『無伴奏』も、1960~70年代が題材なので、この時代の作品をたくさん見ていてのですが、『美代子阿佐ヶ谷気分』が一番参考になりました。空気感とか、あの時代の雰囲気とか。
坪田監督:確かに体が先に動く時代だったかも知れませんね。

■原作から映画を作ること
矢崎監督:今までも原作ものが多かったんですが、原作者が第一の観客だと思っていて、原作者に見せたい作品にしようと思っています。まず原作者の自画像を探すところからはじめますね。『無伴奏』では原作には書いてないけれど、小池真理子先生のエッセイに書いてあった部分を入れたりしました。
坪田監督:最初は『シェル・コレクター』の原作者のアンソニー・ドーアさんに手紙を書いたりしたんですが、脚本を書いたり作品のイメージを膨らませていくうちに原作は意識しなくなりました。
矢崎監督:僕の場合、外国人原作だと諦めちゃうな(笑)。

■両作品に池松壮亮さんが出演、またみな映画ファンの俳優が出演
坪田監督:『シェル・コレクター』の原作の中で池松くんが演じた役は「バカで野球好きで純粋な人物」だったので、脚本を読んだ時に、どう演じていいかわからなかったらしいんです。でも、リリーさんの息子役なので、演じているうちにリリーさんになんとなく似てしまうと言っていて、不思議だなと思いましたね。
矢崎監督:俳優はどういう風に役作りをするのかが大事で、ポール・ニューマンが「俳優の時は監督の気持ちでやる、監督の時は俳優の気持ちでやる」と言っていたんですけど、まさしく池松くんは、監督的に映画を全体的に考えている。本当に助かったことが多かったです。すごい役者さんですよね。
池松くんも成海璃子ちゃんも斎藤工くんも、みんな映画好き。俳優は映画を観ないとダメだよね。映画を観ない俳優は、カメラの前に立つなと言いたい(笑)。

■文化庁在外派遣芸術家派遣での海外生活
矢崎監督:ロンドンは1年目は大嫌いで、2年目は好きになった。その気持ちの変化を映画にしようと思って脚本を書きました。ロンドンの地下鉄にも、いろいろな人種がいて、そんな映画を撮ろうと。その時まで映画というものに立ち向かっていたけれど、映画の隣に座れるようになりましたね。
坪田監督:NYはアートを売っている場所がたくさんあるんです。そういうところへ行って、何が売れるのかを毎日見ていました。日本で自分の作品をどう売ったら売れるのか、アウトサイダーとして、自分のやりたいことをどうやるかと、そんなことばかり考えていました。

■『シェル・コレクター』について
坪田監督:『シェル・コレクター』は、評価が分かれる映画だと思っています。気にいってくれたら、僕と友達になりましょう(笑)。
矢崎監督:映画は映像で魅せないとダメ。最近の監督はそういう人が少ない。坪田監督は映像を信じている人だよね。こういうすごい映画をヒットさせたいと思っています。映画を観て、わからないなと思うかもしれないけれど、映画は感じればいいので、友達を誘ってぜひまた観に来てください。

画像: 矢崎仁司監督と坪田義史監督

矢崎仁司監督と坪田義史監督

画像: 映画『シェル・コレクター』予告編 youtu.be

映画『シェル・コレクター』予告編

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画像: 映画 『無伴奏』 予告編 youtu.be

映画 『無伴奏』 予告編

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