映画『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』
(原題: The Second Best Exotic Marigold Hotel)
人気作家デボラ・モガーの小説を実写化した2011年製作のヒューマンドラマ『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』の続編。
インドのオンボロホテルで悠々自適の生活を送るイギリス人シニアたちが、若き支配人の結婚と謎めいた宿泊客の登場に翻弄されていく。
監督は前作に引き続き『恋におちたシェイクスピア』などのジョン・マッデン、キャストにはジュディ・デンチ、マギー・スミス、ビル・ナイら前作のメンバーが結集。そこに名優リチャード・ギアが新たに加わり、物語を盛り上げる。
ユーモアとヒューマニズムに満ちた内容はもちろん、インドの風光明媚な風景を捉えた映像も見もの。滋味溢れる名優たちのいぶし銀の名演に、“老い”なんて人生のスパイスでしかないね!!と勇気付けてくれる素晴らしい作品。
インドの時の流れはゆっくりだろうのに登場人物が増えたせいでエピソードも増え、雑多で散漫な印象か…。展開もやや早めかな…。ユーモアをまぶした軽快な語り口と俳優陣の軽やかさと爽やかさが際立つね。インドの風土や人の多さ、色彩、音などに圧倒されていた登場人物たちはすっかりインドの土地に慣れてるんだよね。
名優たちの演技は圧巻で、さりげない台詞、仕草、視線、ちょっとした表情の変化にいろいろと込められていて味わい深い。ジュディ・デンチとマギー・スミスは活き活きとした瞳で可愛らしく、ビル・ナイのスーツ姿はカッコイイ。リチャード・ギアにはボクにないはずの子宮がうずいたね。
終盤の婚礼シーンに出てくるボリウッド的ダンスは華やかでノリノリで歓喜に満ちて楽しい。必死に踊ってる名優たちが可愛らしくもあり、カッコ良くもあり。インドの情景の色彩はキレイでエキゾチックだし、音楽も良かった。
最後はジンワリ来たね。いくつになっても“恋”は人をキラキラさせるんだなあ。
愛おしくて素敵な映画。
シネフィル編集部 あまぴぃ