映画『セーラー服と機関銃 -卒業- 』をいま観終え、その足でTSUTAYAへと急いでいる。相米慎二監督版を再見し、このやり場のない怒り、絶望感を一掃したいからだ。

セーラー服の女子高生が、やくざの組長の跡目を継ぐ。それはつまりは おとぎばなしだろう。“もしそうなったら”という仮定、約束事にもとづいた「寓話」として語られるべきところの「物語」である。

それを、こんな、まるで たけしさんの映画の悪しき物真似みたいに、リアルに、ハードに、ヘビーに、ダークに、バイオレンスを繰り出して、どうする。赤川次郎さんの原作のキモは、そんなところには けっしてないだろう。凄惨な暴力描写、飛び散る血ふぶき。ああ、やめてほしい。

品がない。ガサツである。演出も、芝居も、全体のルックも。相米さんの作品の、自由でいながら端正にまとまった品格が、たまらなく思い起こされる。

ポリシーなく あいまいに揺れ続ける手持ちのキャメラ。つくり手としての視点が定まらないキャメラ。思想のないキャメラ。

逆(ライト)を随所に仕込む手法もやめてほしい。映画の画づくりとは、そういうものではないだろう。そんなことで「勝負」しないでほしいと思う。

角川映画40周年記念映画だという。この作品がそうだとすれば、それは、日本映画史に間違いなく重要な足跡を残した角川映画そのものに対しても、この作品の前回映画化の際の主演、薬師丸ひろ子に対しても、この偉大な前作を世に送り出した角川春樹プロデューサーや相米慎二監督に対しても、とんでもない冒涜、かぎりない失礼であるといわざるをえないだろう。

(3月7日 夜・記)

#セーラー服と機関銃-卒業- #旦雄二 #YUJIDAN #それはEIGAな!

画像: 映画監督 旦 雄二の☆それはEIGAな!  Cool! It's a movie! by DAN Yuji   ♯26(通算 第45回)  映画『セーラー服と機関銃  -卒業- 』を鑑賞して

旦 雄二 DAN Yuji
CMディレクターを経て映画監督
〇武蔵野美術大学卒
〇城戸賞、ACC賞、HVC特別賞
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