日本の自主映画史を支え続けて来たPFFの財産の一つに、数多く、70年代、80年代の多くつくられた8mmの映画があります。
多くの監督が、一度は通った道と言ってもいい、この8mmの映画。
これら、日本の8mm映画を回顧する上映が世界の映画祭で開催される事がわかった。
2月開催の第66回ベルリン国際映画祭、3月開催の第40回香港国際映画祭と、第38回PFFの共同プロジェクトとして、"8mm Madness: Japanese Indies from the Punk Years"と仮に名づけた、8mm自主映画の特集企画を実現する運びとなりました。
初めての試みとなるこの特集企画は、数ある8mm名作映画から、"PUNK"というキーワードでセレクトされた11作品、7プログラムでの構成となります。
あの熱い、90年代初頭までの自主映画の時代を、多くの人に体験してもらうことを、これまで国内では何度か実践してきました。近年では、東京国立近代美術館フィルムセンターで企画いただいた上映シリーズ「ぴあフィルムフェスティバルの軌跡」Vol.1、Vol.2、Vol.3、テアトル新宿のオールナイトイベント「ルネッサンスPFF」、「ナイトトリップ in PFF」、「夜のPFF課外授業 入門!インディペンデント映画」。しかし、8mmフィルムに字幕を入れることは不可能であること、8mmの映写機で上映するという方法で特集上映を実現してきたこと、など、数々の理由から海外での上映は現実味を持って考えることは出来ないできました。
が、世はデジタル時代。技術とお金で何かができる可能性が生まれているのかもしれない・・・と思っていながら、そのふたつこそ、すごく課題だと煩悶していたところに、ベルリン国際映画祭と、香港国際映画祭からの「8mm映画の特集に興味がある」と!!!香港国際映画祭のキュレイターであるジェイコブ・ウォン氏がテアトル新宿でのオールナイト上映に通ってくださり、ベルリン国際映画祭フォーラム部門のディレクター、クリストフ・テルヘヒト氏と盛り上がってくださった結果です。早速およそ2年に渡るやりとりと、PFF事務局での試写の結果、"PUNK"というキーワードとともに、11作品を、映画祭の新たな試みとしてプログラミングすることが決まりました。