旧ユーゴスラビアの政治・経済の中心地であり、ユーゴスラビア紛争、コソボ紛争を経て­経済的にも低迷したセルビアを舞台に、時代に翻弄された若者の苦悩、貧しさ、鬱屈した­思いを描いた青春映画『バーバリアンズ セルビアの若きまなざし』が、1月16日より公開される。

この映画は、撮影で実際に現地の不良たちを起用し、台本を渡さずに演じさせるという演出でドキュメンタリーのよ­うなリアリティを生みだした。
そして、世界各地の映画祭で賞賛され、カルロヴィ・ヴァリ2­014では“スペシャル・メンション”を授与し、世界各国の映画祭でも絶賛を浴びている。

画像: まるでドキュメンタリーのように、素人の不良たちが出演させ現在のセビリアの実情を暴きだした青春映画『バーバリアンズ セルビアの若きまなざし』日本公開!

本作が長編映画デビュー作となるイヴァン・イキッチ監督は弱冠33歳。

セルビアの首都ベオグラードに生まれ、コソボ紛争中に多感な時期を過ごした監督は、「自分たちのような“忘れられた世代”の憤りを描きたい」と脚本をしたためた。
その動機となったのが、2008年2月21日に首都ベオグラードで起きた【コソボ独立反対デモ】である。あの晩、各地方から多くの若者たちが集まり、火炎瓶の欠片や焼かれた米国旗(コソボ独立を認めたため)が道路に散乱していたという…。
まさにこれまでの無政府状態への怒りが爆発した夜の出来事だった。そしてこの反対運動は監督の記憶の中に深く焼き付けられた。時が経ち、監督は大人になっても忘れられないこの記憶に向き合い、混乱の末に荒廃した故郷のリアリズムを描き出した。

映画『バーバリアンズ セルビアの若きまなざし』予告編

youtu.be

ストーリー

2008年2月17日、コソボはセルビアからの独立宣言を行い、
セルビア政府は強く異議を唱えた―。
まだ精神的に大人になりかけで、仮釈放中の身という問題児のルカは、かつては工業地域として栄えながら、いまは荒れてしまった町ムラデノバツ(首都ベオグラードから50kmほどの距離)に住んでいる。閉鎖的な街を毎日うろついてばかりのルカにとって、鬱屈した生活の中で唯一発散できるのは地元のサッカーチームの試合で応援すること。そしてサポーターを仕切るリーダーで親友のフラッシュと、いつも夜中までつるんでは飲んで騒いでいた。
ある日、自宅に訪問してきた社会福祉士によって、ルカは家族の秘密を知らされる。それはコソボ紛争で死んだと思われていた父が生きており、ルカを捜しているというのだった。突然の真実に当惑するルカ。何故か母は父の消息について、ひた隠しにしていた―。
家族の問題が解決されない中、仮釈放中のプレッシャーや上手くいかない恋の悩みなどでルカは苛立ちを抑えられず、いざこざから地元のサッカーチームでトップクラスの選手の脚を折ってしまう。
トップ選手を負傷させたルカを捕まえようと、チームの連中やサポーターたち、さらには友人たちにまで追われるはめとなり、ルカは行き場がなくなってしまう。
そんなある日、首都のベオグラードでは、一方的に独立宣言をしたコソボに対する抗議デモが行われ、多くの若者たちもこぞって参加した。ルカも仲間たちとデモに向かうが、信念も無くただ暴れては強奪をして楽しむ仲間たちを見て、ふと我に返る。
「いったい、自分は何者で何がしたいのだ・・・」と自問自答するルカは、仲間たちから離れ、ベオグラードにいるという父親に会うためバスに飛び乗るのだが―。

『バーバリアンズ セルビアの若きまなざし』
2016年1月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
監督・脚本:イヴァン・イキッチ
出演:
ジェリコ・マルコヴィッチ
ネナド・ペトロヴィッチ
ヤスナ・ジュリチッチ
配給:アニモプロデュース

2016年1月シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!

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