米サイトTaste of Cinemaが選んだ日本の家族を描いた映画ベスト12です。
作品を選んで批評を書いたのはPANOS KOTZATHANASIS氏。
彼によると、1950年代から、黒澤明の『生きる』小津安二郎の『東京物語』と溝口健二の『雨月物語』のような国際的に称賛された映画で、日本の映画製作者は、家族を描いた作品が優れていたという伝統がある。そして、この傾向は今でもリアリズムとミニマリズムを用いて続いている。
確かに、言われてみると一つの大きな映画のジャンルの中で家族をテーマにしている作品が多くつくられ、また優れた作品が多い事には納得します。
何年までの作品から選んでいるかわかりませんが、2004年から2013年までの12本を選んでいます。やはり海外の視線で選んでいて、なかなか面白いですよ。
1、トウキョウソナタ 黒沢清
2、おくりびと 滝田洋二郎
3、ALWAYS 三丁目の夕日 山崎貴
4、八日目の蝉 成島出
5、そして父になる 是枝裕和
6、歩いても歩いても 是枝裕和
7、まいにち母さん 小林 聖太郎
8、誰も知らない 是枝裕和
9、空中庭園 豊田利晃
10、うさぎドロップ SABU
11、腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 吉田大八
12、1リットルの涙 岡村力
1位2位は納得の2作品。アカデミー賞の滝田洋二郎監督『おくりびと』が、1位でもおかしくないですが、今年のカンヌで監督賞の黒沢清監督は、コンスタントに海外で作品が紹介されている事もあり、堂々の1位でした。
3位は、日本でも大ヒットでしたね。いまや、日本で一番のヒットメーカー山崎貴監督。
4位は意外と言えば成島出監督に失礼ですが、海外でも観られていた事に、嬉しさも---『ふしぎな岬の物語』『ソロモンの偽証』などやはり売れっ子ですね。
5位、6位、そして8位も当然のランクインの是枝裕和監督。しかし、3本とはスゴい。海外での評価の高さを物語っています。
7位『まいにち母さん』小林 聖太郎監督(マエストロ!など)、9位『空中庭園』豊田利晃監督(クローズEXPLODE など)、10位『うさぎドロップ』SABU監督(天の茶助など)、11位『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』吉田大八監督(桐島、部活やめるってよ など)などは選ばれた作品以降もコンスタントに作品を発表していますね。
12位『1リットルの涙』の岡村力監督はこれ以降の作品が見当たらなそうですが、次回作を期待。
やはり、海外メディアの評価がすべていいという訳ではありませんが、違う視点もあり、逆に私たちにとっても知らない作品は”観なきゃ”と思わせてくれます。