この映画『ファンタジア』は、『オーケストラの少女』にも出演しているレオポルド・ストコフスキーとフィラデルフィア・オーケストラが演奏しているんですよね。
20年ほど前ですが、アメリカ本国でフィラデルフィア・オーケストラを聴きに行った時、なんと!無料でコンサートを見せていただいたことがあります。
劇場に着いたのは午後8時過ぎくらいで、「チケット、プリーズ」と言ったら、紳士的な係員の方から「イッツ、クローズド」と言われました。
まだロビーが賑わっているのに解せなかったので、
「ホワイ?…アイ マスト ゴーバック ジャパン トゥモロー。 アイ.ウォント リスン フィラデルフィア・オーケストラ。ビコーズ アイ アム ファン オブ ミスター・ストコフスキー…ファンティジア!」
…ひどい英語(笑)と言ったら、彼は「ウェイト」と言って、席へと案内してくれました。
しかもプログラムまでくれて。
お金を払おうとしたら「ノゥ」と言われ、結局、無料で聴くことができました。
後で分かったのは、ロビーが賑わっていたのは、前半のプログラムが終わった休憩タイムだったのですね。
しかし日本で、たとえば上野の東京文化会館にアジアの青年が来て、同じようなことになっても、まずこうしたことは考えられないし、アメリカは文化大国だなぁ、と改めて実感しました。
仁科 秀昭
:天井桟敷、東宝撮影所などの美術スタッフを経て、
現在はミュージアムプランナーとして、活躍中。