映画『at Home アットホーム』
『眠りの海』で小説推理新人賞を受賞し、単行本デビュー作『MISSING』で一躍脚光を浴び、『真夜中の五分前』『ストレイヤーズ・クロニクル』といった映画化作でも知られる本多孝好の人気小説を映画化。
一見何の変哲もない幸福に満ちた家族ながら、裏では犯罪に手を染める一家の母が結婚詐欺相手に誘拐され身代金を要求されたことで、母を取り戻すため奮闘する家族の姿を描く。
監督は『未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』の蝶野博。それぞれに過去を抱える血のつながらない5人家族の父親に竹野内豊、結婚詐欺師の母には松雪泰子が扮し、他に坂口健太郎、黒島結菜、池田優斗、村本大輔、國村隼、板尾創路、千原せいじらが共演。
ああ、松雪泰子、キレイだなあ、大好きだなあ。ボクの大好きな松雪泰子をじっくりたっぷり観られる作品。
あれ? 何だか距離を感じる作りだなあ。感情移入ができないっていうか、ここではなく、そこで物語が進んでるっていうか。過去に辛い経験をした人が集まって家族以上の絆で結ばれていくっていう設定とそこへ至る経緯はすごく面白いんだけどね。なんだろう、テンポと構成かしらね? 全体的に展開はゆっくりで、クライマックスに“過去”を持ってきたことで流れが止まっちゃった気がするなあ。人間関係ももっともっとスリリングに描けたろうに…。
犯罪を仕事にしている特殊な“家族”だからこそ絆も強いんだろうと思うし、「血は水よりも濃い」とは言われるものの、家庭内暴力や児童虐待、家族同士の殺し合いなどが多い昨今、本当の家族の在り方や絆について考えさせられたなあ。
松雪泰子はとにかくキレイだし、竹野内豊も相変わらずカッコイイし、若手の役者陣も素晴らしいし、110分とさくっと観られるオススメの作品。
シネフィル編集部あまぴぃ