映画『ベルファスト71(原題: '71)』
IRAや北アイルランド問題を背景に、敵地に取り残された若きイギリス軍兵士の悪夢の一夜を描いたサバイバルスリラー。
1971年、イギリス軍の新兵ゲイリーが着任した北アイルランドのベルファストは半世紀に及ぶプロテスタント系住民とカトリック系住民による紛争が激化し、かつてない緊張状態にあった。
パトロールの最中に争いに巻き込まれ、敵対派の少年に銃を盗まれたゲイリーは少年の後を追い、たった1人で敵のテリトリーに紛れ込んでしまう。
監督はヤン・ドマンジュ。主演は『300 スリーハンドレッド 帝国の進撃』でハリウッド映画デビューを果たしたジャック・オコンネル。他に『おみおくりの作法』などのポール・アンダーソンや『プロメテウス』などのショーン・ハリスらベテラン俳優が共演。
緊迫したストーリー展開はもとより、戦慄のラストに言葉を失う。
あん、ドキドキ、ワナワナ、緊張感ハンパない…。全体的に抑え気味な演出、ほぼ無名の役者陣による確かな演技、主人公に密着したカメラのスリリングな映像、戦う意志もないのに巻き込まれるサバイバル、スパイや裏切りが絡み合う先の読めない展開、全編不穏な空気が漂うもの凄い緊張感…。
組織で暗躍する少年たちの存在感も強烈。何気ない台詞たちが伏線になってたりして。アイルランドの宗教的背景とか難しいのでちょっと物足りなさを感じてごめんなさい…。
でもこの緊張感からIRAって過去のものやフィクションではなく、そこにある“現実”なのかも?と思った。
シネフィル編集部 あまぴぃ