第12回「グッド・ストライプス」「ズタボロ」「騒音」
「グッド・ストライプス」岨手由貴子監督
「グッド・ストライプス」は、岨手由貴子監督の長編デビュー作。
文科系の女子・緑(菊池亜希子)と、お坊ちゃま系の男子・真生(中島歩)。
マンネリの交際が4年続いたあと、突然緑の妊娠が発覚する。
「結婚する…よね」「ウン」。だが、相手のことを知らな過ぎた。
どこにもありそうな話。でも、人の良さそうなカップルが前向きに進んでいく姿は、見ている者に温かい思いを伝えてくれる。
結婚となると、両方の家族が知り合うことになるが、考えてみれば未知との遭遇だ。
そのへんがユーモラスに描かれていて、後味がいい。愛すべき小品というべきか。
ファントム・フィルム配給。5月30日より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開中。
コラボ企画も!
「ズタボロ」ゲッツ板谷原作の映画「ワルボロ」の後編。
監督は「王妃の館」の橋本一。
「ズタボロ」は、ゲッツ板谷原作の映画「ワルボロ」の後編にあたるが、監督は「王妃の館」の橋本一に。
主役の板谷コーイチが、永瀬匡に代わるなど面目を一新。
また板谷のかーちゃんに南果歩、やくざのおじに平田満、やくざの親戚に木村祐一など。
相変わらずケンカに明け暮れるコーイチの周辺。
ただ、やくざ嫌いのかーちゃんの影響で、コーイチが心変わりしていくあたりが丁寧に描かれる。
南果歩の演技に注目。
東映配給。5月9日より、全国順次公開中。
「騒音」関根勤の監督第1作。
「騒音」は関根勤の監督第1作。
東京のある区に地底人が襲来する。
対抗できるのはダメおやじと呼ばれるさえない中年男だけ。
いつもストレスをためて我慢しているおやじたちは、地底人に毒ガス攻撃を受けても、立ち直りが早い。
清水洋一、村松利史、酒井敏也、飯尾和樹など、普段は脇役に徹している地味な俳優たちが主役。
タモリ、明石家さんま、千葉真一らが花を添える。
ばかばかしくはあるが、喜劇人で映画通の関根勤だけのことはあって、笑いのツボをはずさない。
スールキートス配給。5月23日よりシネマート新宿ほか、全国順次公開中。
野島孝一の試写室ぶうらぶら 、オリジナル版は、アニープラネットWEBサイト
に掲載されています。
野島孝一@シネフィル編集部
アニープラネットWEBサイト
http://www.annieplanet.co.jp/