野島孝一の試写室ぶうらぶら シネフィル版 第8回:シネフィル新連載 「ビリギャル」「寄生獣 完結編」
第8回「ビリギャル」「寄生獣 完結編」
「ビリギャル」
「ビリギャル」 学年ビリのギャルが、1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」は、坪田信貴の原作がベストセラーになっている。
この作者は実際に「ビリギャル」を指導した進学塾の講師だ。
さやか(有村架純)は私立高校2年生。中学入学から楽しいことを追い求め、勉強はまったくしなかったので成績は学年ビリ。学校では人間のクズ扱いされている。
さすがに見かねた母親(吉田羊)が、学習塾の坪田先生(伊藤淳史)に相談。
マンツーマンの塾に通うことになった。
坪田先生は目標を決めさせたが、なんと、さやかが選んだのは、超難関の慶応大学。
しかしさやかの学力は小学校4年のレベル。
聖徳太子を「セイトクタコ」と読むまるっきりダメ女。
さあ、この結末はどうなる。
有村架純が金髪、へそ出しルックのいかれた高校生から、徐々にやる気を出していく過程を、とても自然に演じている。本当にあった話だが、興味本位で作ったのとは違う輝きが感じられる。
そんなに大した映画にはならないだろうという予想ははずれた。
この映画を多くの人に見てほしいと思う。
外見や素行でダメな人間と決めつけられることは多いと思う。偏差値の低い生徒が有名大学を受けようとすれば、せせら笑われることが多いと思われる。
でも本人のやる気と潜在的な能力、熱心に指導する先生がいれば、夢ではない。そんな風に思わせる映画だ。
はじめはいかれたギャルに笑いながらも、だんだんそのやる気に感動する。
土井裕泰監督の熱意がうかがえる。
東宝公開。5月1日公開から、大ヒット上映中。
「寄生獣 完結編」
「寄生獣 完結編」は、コミックの原作を山崎貴監督がCGを交えてリアルに描いている。
2部作の完結編。
パラサイトがいきなり人間を襲うところから始まる1部に比べ、東福山市に集結したパラサイトと、警察が直接対決することになる2部は、アクション場面も多く、起伏に富んでおもしろい。
染谷将太とミギー(阿部サダヲ)が、最強の敵(浅野忠信)と対決する見せも迫力がある。
日本のVFXの実力はなかなかのものだ。
東宝配給。4月25日から、全国順次公開中。
野島孝一@シネフィル編集部
野島孝一の試写室ぶうらぶら 、オリジナル版は、アニープラネットWEBサイト
に掲載されています。
アニープラネットWEBサイト
http://www.annieplanet.co.jp/