「靴職人と魔法のミシン」「コングレス未来学会議」「シグナル」
「靴職人と魔法のミシン」トム・マッカーシー監督
「靴職人と魔法のミシン」は、「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督のアメリカ映画。
ニューヨークのロウアー・イーストサイドで、代々靴職人を続けてきたマックス(アダム・サンドラー)は、預かった客の靴を試しに履いてみてびっくり。
顔かたちが、客そのものになっていた。
自動ミシンが壊れたので、古くから伝わる足踏みミシンで靴を修理したのが原因らしい。
それからマックスは、客から預かった靴を履いては街を歩いた。
だが、だれもマックスとは気が付かない。
ニューヨークの下町に住む、ユダヤ人社会を基本に据えたファンタジー。
どこか懐かしい味わいなのは、古い街のたたずまいのせいか。
脚本のアイデアが優れており、楽しめる作品だ。
ロングライド配給。6月からTOHOシネマズシャンテにて、全国順次公開中。
「コングレス未来学会議」
「コングレス未来学会議」は、アメリカ映画。見ているうちにどこかで見たと思えてきた。
記憶をたどってみると、2013年に韓国のプチョン・ファンタステイック映画祭に行ったとき、オープニングで上映された映画だった。
ロビン・ライトが女優役で出演。ハリウッドではCG用の契約を結ぶことが当たり前になってきた。(本当はそこまでいっていないと思う)。要するに一種の肖像権だ。
首をすげ替えれば、どんな役でもできる。契約すれば多額の契約金は入るが、ほかの映画には出演できなくなる。
最初は断ったロビンだが、息子が難病で金が必要。やむを得ず契約する。
それから20年が経った。
ロビンはメジャー映画の会議に招待されて会議に赴く。
前半は実写、後半はアニメーションで現実の世界と幻想の世界を描き分けている。
どちらかというとアニメの比重が高い。なんとなくオタク向きの作品という感じが強い。
「戦場でワルツを」のアリ・フォルマン監督。
東風配給。6月から、全国順次公開中。
「シグナル」
「シグナル」は、きわめて状況がわかりにくいSF映画。足の不自由なニック(ブレントン・スウェイツ)は、友人のジョナ(ボー・ナップ)と、恋人ヘイリー(オリヴィア・クック)の引っ越しを手伝う車の旅に出る。
MIT(マサチューセッツ工科大)の3人の学生だ。ニックとジョナは大学のコンピューターに侵入したハッカーを追いつめようとしていた。
その位置が分かったので、旅の途中で寄り道することにした。
ニックは空き家に踏み込むと意識を失った。気が付くと研究棟のような場所で、ニックは防護服を着た政府の職員(ローレンス・フィッシュバーン)の尋問を受けていた。
ニックは意識不明になっているヘイリーを偶然見かけ、この施設から脱出を図る。
ウィリアム・ユーバンク監督は映像感覚が優れている。
しかし状況の分かりづらさにはイライラさせられる。ラストにははっきりするのだが、もうちょっとなんとかしてほしい。
ファントム・フィルム配給。5月から、全国順次公開中。
野島孝一@シネフィル編集部
野島孝一の試写室ぶうらぶら 、オリジナル版は、アニープラネットWEBサイト
に掲載されています。
アニープラネットWEBサイト
http://www.annieplanet.co.jp/