2015年6月13日に、Bar Sにて開催されたカクテルパーティー「小夜子な夜~SAYOKO NIGHT~」
(SHISEIDO THE GINZA主催)に参加しました。
このイベントは、もちろん現在、東京都現代美術館で開催されている「山口小夜子 未来を着る人」(編集部注:「山口小夜子 未来を着る人」展は、〜6/28まで、開催中)に因んだ企画です。
トーク・ゲストは小夜子さんのメイクを担当していた、今は資生堂のヘア&メーキャップスクール「SABFA」の校長である富川栄さん、小夜子さんを数多く撮影した写真家、横須賀攻光さんの息子である横須賀安里さん、そしてモデルとしての小夜子さんと恊働したファッションデザイナーの丸山敬太さん。
3人から、当時の小夜子さんの色々なエピソードや伝説を伺いました。あんなに存在感がありながら、とてもシャイな人だったそうです。
丸山敬太さんからは、ある本番数日前の衣装合わせの際に、大概のモデルさん達はスッピンだったりごく普段着な感じで来るのに対して、小夜子さんは電話で伝えていた服のコンセプトやショーのイメージをすっかり身に纏っていて、彼女が入ってきた瞬間に部屋の空気が変わって驚いた、と話していました。
丸山さんが初めて(偶然に)小夜子さんと会ったのは、まだデザイナーとして活躍する前、原宿にあったキーウエストクラブという、カフェバーだったそうです。
その名前に当時を思い出させられます。
私も一度だけ(生)小夜子さんを見たことがあります。
10年前に「ハウス・オブ・シセイドウ」で開催された、Serge Lutens (セルジュ・ルタンス)の企画展、「夢幻の旅の記録」のオープニングにいらっしゃったのです。
そこで談笑している小夜子さんを見て、デビュー当時から変わらない姿に感動したのを、記憶しています。
「小夜子な夜~SAYOKO NIGHT~」では、ドレスコード:Something SAYOKO (自由な発想で、どこかに小夜子のイメージを取り入れた装い)とあったので、参加された皆さんの装いも楽しめました。
ベストドレッサー賞は男女1名ずつ選ばれましたが、その少年の方はなんとお母様が資生堂にお務めだったそうで、自分でメイクしてきたとのこと。素敵でした。
会場のBar Sは、東京銀座資生堂ビル11階に新しくオープンしたバーです。バーカウンター以外に奥にラウンジエリアもある、社交場といった感じです。
東京都現代美術館で開催中の「山口小夜子 未来を着る人」展も素晴らしく、日を追って人気が増しているようです。
大きな建築を生かして、「ウェアリスト(着る人)」を名乗った山口小夜子の軌跡を、アーカイブとして辿る空間と、彼女の身辺で活動した後、現在のシーンにおいて大きな影響力を持つ先端的な表現者たちが、小夜子に捧げている新作インスタレーションの空間を、堪能できます。
山口小夜子急逝の直前に、新聞紙上で往復書簡を予定していた、森村泰昌さんが、彼女に捧げる新作を発表しています。
これには何か、他の森村作品との違いを感じてしまいます。
寺山修司から、2000 年代のアンダーグラウンドカルチャーまで、常に時代の最先端とコラボレーションした、パフォーマー、クリエーターとしての姿を存分に楽しめる展示は、映像表現が多いこともあって、「全体を見るのに時間がかかりすぎる!」という、嬉しいクレームが美術館に届いているとか…。
まだご覧になっていない方は是非、6月28日までにお出かけ下さい。
そういえば、こういうのが本当のクール・ジャパンですね。
説明はいらないです。
是非、パリのポンピドゥー・センターで、「山口小夜子 未来を着る人」展の巡回展を、開催して欲しい!と思いました。
斎藤繁一@シネフィル編集部