シネフィル新連載:ミュージアムプランナーの映画そぞろ歩き #08
これは映画『インディ・ジョーンズ~魔宮の伝説』における、背景素材の撮影風景ですね。
なんと、ミニチュアの坑道のトロッコの軌道に、ニコンの一眼レフカメラを乗せて、コマ撮りしているんです!
しかもモーター制御で、カメラを少しずつ動かしながらシャッターを開放して撮影し、ブレた映像にしてスピード感まで演出したという。
これはひとつには、映画撮影用のカメラだと、ミニチュア・セットが巨大になってしまうというのを、避けるためだったそうです。
ILMのデニス・ミューレンは、この仕事で見事!アカデミー特殊撮影賞を受賞しました。
フィルムで撮っているのですが、
カートリッジを取り替えるのは手動だったかどうかが、気になります。
そもそも、 KODAKの35mmの写真フィルムって、元々映画用に開発したものを、切り売りしたんですよね。
スタンダードの24枚撮りって、動画でいうとちょうど1秒分だし…。
この撮影でフィルムをどれくらいの頻度で交換したのかは不明ですが、フィルムのカートリッジは、特別製作したのかも知れませんね。
あくまで想像ですけど。
仁科 秀昭
「天井桟敷」、東宝映画製作所などで、美術スタッフとして勤務。現在は、ミュージアム・プランナーとして、各地で活躍中。