『青の帰り道』再上映記念連載/監督・藤井道人#21

「青の帰り道」監督の藤井道人です。

5月11日から、アップリンク渋谷にて「青の帰り道」の上映が始まりました。
それに伴って、昔から縁の深いcinefilさんで、連載を書かせていただけることになりました。
今日で、3週間を迎えた第21回。

©映画「青の帰り道」製作委員会 

5月31日

上映21日目。
回数は2回に減ってしまったが今日にも動員は4000人を突破する。リバイバルにも関わらず、映画が届いてくれていることにやり甲斐を感じる。日中の作品準備に影響しないか心配していたが、スタッフがケアしてくれているお陰で睡眠時間はしっかり確保出来ているためご心配なく。

本日のゲストは俳優の前田公輝。
映画「悪魔」で一緒に作品を作ってから定期的に会う間柄でありドラマ「向かいのバズる家族」にもキーパーソンとして出演してくれている。

彼の芝居が僕は大好きだ。自然かつ、作り手に寄ってくれるスタイルは映画、ドラマどちらでも無二の存在感を出してくれる。「向かいのバズる家族」も、別作品の撮影があるにも関わらず、僕のオファーを快諾してくれた。

そんな前田君とのトークショー。
他の作品のトークショーに出るのは初めてだそうで上手く話せるか不安がっていたが、全くそんなことはなく、一秒も観客を飽きさせることのない素敵なトークショーだった。

前田君は、2回観てくれたようで、1回目は俳優目線、2回目は作り手目線で観てくれた。

1回目に観たときは、工藤夕貴さんの芝居に度肝を抜かれたそうだ。嬉しい。
僕も、度肝を抜かれた素晴らしい女優さんだ。

2回目については、後半のシーンにFIXの画が多い理由や、前半の浮遊感のあるカメラワークの理由を聞いてくれた。俳優部なのにそこまで観てる!と驚いたが、精一杯答えさせてもらった。

いつか「青の帰り道」の続編のようなものを撮るときは是非前田君にも出て欲しい。
山中さんが演じた橘のような役をやってもらいたいなと妄想した楽しいトークショーだった。

左から藤井道人監督、前田公輝さん

今日からアップリンク渋谷では、先日トークショーに来てくれた高橋朋宏監督、笠松将出演の映画「ラ」も公開される。そちらも是非ご覧ください。

今夜のゲストは冨田佳輔とアーティストのトミタ栞さん。奇跡の兄妹トークショーです。
本邦初公開です。お楽しみに。

藤井道人

■藤井道人 Michihito Fujii
映画監督、映像作家、脚本家。1986年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部映画学科脚本コース卒業。伊坂幸太郎原作『オー!ファーザー』でデビュー。『光と血』などの作品を発表する一方で湊かなえ原作ドラマ『望郷』、ポケットモンスター、アメリカンエキスプレスなど広告作品も手がける。2017年Netflixオリジナル作品『野武士のグルメ』や『100万円の女たち』などを発表。2019年『デイアンドナイト』『青の帰り道』公開中。6月28日『新聞記者』の公開が控える。

ご来場のお客様からご感想をいただきました!

■‪m____2405様

2度目の鑑賞。初めて観た時より涙が出た。一度目は7人の人生を追う事に必死で、今回2008年高3~2018年28歳まで全く自分と同じ時間の物語だと気付いてしまった。自分と重ねて青い時代が蘇った。ただひたすら涙が溢れたのは多分私が今生きていられてるからなんだろな。

トークショーは藤井道人監督と前田公輝くん。「青の帰り道」の濃い話が聞けて嬉しかった!藤井監督は想像してた以上に雰囲気が柔らかく、この優しそうな朗らかそうな方が「青の帰り道」「向かいのバズる家族」「デイアンドナイト」「100万円の女たち」「光と血」などの人間の中にあるもの全て、飾らずありのまま剥き出しのものを作品として作り続けている事実に驚愕した。監督をもっと知りたくなった。パンフレットも購入。読んでいたら涙が止まらなくなってしまった。パンフレット読んで涙が出たのなんて初めて。

私が一番感情移入をしてしまったのはタツオでした。きっかけが受験失敗とかじゃなくても、人には人生の中で思い通りに進めない何かって必ずあって、そこで折れてしまう事ってあったりすると思う。どうしようもなく自己嫌悪に陥って、周りが眩しくて羨ましくて、だから怖くて、人と会いたくなくて、自分を見せられなくて、閉じこもって、自分なんて居なきゃよかった、居なくなればいいんだって。それ、私も何度も何度も思った事あるなぁ。

でも、そんな時に心を救ってくれるのが、「誕生日おめでとう」の一言だったりして、昔の思い出だったりして。自分がいる事を誰かが見ていてくれていたり、知ってくれていたり、ただそれだけで自分は生きてていいんだと、ちょっと光が見えたりするから。

タツオの自分なんか居ない方がよかったんだ、という自分の居場所を見失って、光を閉ざされたような、そういうの感じて涙出た。今自分がこうして映画館でこの作品をみてこんな風に嗚咽しながら泣きわめいていられる現実がある事がどんなに光のある事かとジワジワと感じてまた涙が止まらなかった。

どんなに暗闇しか感じられない中にいても、ただ生きていられたら、きっといつか、どうにか光はみえたりする。その時に絶望しかなくても、どんなに時間がかかっても生きてさえいればいつか笑えたりする。生きているという事は希望があるということ。私はこれからも生きていきたいと思った。

辛い苦いしんどい内容の作品かもしれないけれど、観た後に必ず光を生んでくれる作品だなと思う。誰に感情移入出来ても、または出来なくても、きっと光を生んでくれる作品だと思う。‪「青の帰り道」は、大切な人にほど、勧めたい作品だと思いました。

■nozoOOmi様

渋谷での再上映、やっぱり監督があえて選んだ場所だったんだな(^^)

上映後の帰り道に通ったスクランブル交差点は、映画のワンシーンに自分が急に入り込んだような気になったし、映画の余韻が引かないまま泣きそうになりながら渋谷駅に向かったのを思い出した。

■紅茶様

てっきり七人の誰かに自分を重ねて懐しむんだと思った。でも違った。

あのとき父は、母は、何を言えば道を外さずに済んだのだろう。どうすれば一歩前に進む勇気を持たせてやることができたんだろう。

見終わってしばらく経つ今も、見つからない答えを探す毎日。あぁ、私も親になったんだ。

『青の帰り道』 東京再上映・トークイベント開催中!

東京・アップリンク渋谷 https://shibuya.uplink.co.jp/
5/11(土)〜公開中 (終映日未定)

《トークイベント登壇予定者》

藤井道人監督
31(金)前田公輝/6月1日(土)冨田佳輔、トミタ栞/2日(日)松井薫平、海老沢七海/3日(月)内田理央/4日(火)深川麻衣/5日(水)清原果耶/6日(木)飯塚健監督/7日(金)ねお

※詳細は劇場HPをご覧ください。

■アップリンク吉祥寺 拡大上映決定!
https://joji.uplink.co.jp/
5/17(金)〜(終映日未定)

連日満席の東京から関西、そして新潟でも上映決定!

■大阪第七芸術劇場
http://www.nanagei.com/
6/22(土)〜

■京都・出町座 https://demachiza.com/
6/22(土)〜

■新潟・市民映画館 シネ・ウインド https://www.cinewind.com/line-up/
7/27(土)〜

映画『青の帰り道』

映画「青の帰り道」特報/2018年12月7日(金)全国ロードショー

www.youtube.com

出演:真野恵里菜 清水くるみ 横浜流星 森永悠希 戸塚純貴 秋月三佳 冨田佳輔
山中崇 淵上泰史/嶋田久作
工藤夕貴 平田満

主題歌:amazarashi『たられば』

監督:藤井道人
原案:おかもとまり
脚本:藤井道人/アベラヒデノブ
制作プロダクション:and pictures
制作協力:BABEL LABEL/プラスディー
配給:NexTone
配給協力:ティ・ジョイ
再上映配給:BABEL LABEL/ボタパカ/and pictures

©映画「青の帰り道」製作委員会 

公式サイト:(以下より)

連載第20回