『青の帰り道』再上映記念連載/監督・藤井道人#20
「青の帰り道」監督の藤井道人です。
5月11日から、アップリンク渋谷にて「青の帰り道」の上映が始まりました。
それに伴って、昔から縁の深いcinefilさんで、連載を書かせていただけることになりました。
今回で早くも第20回。
5月30日
ついに上映20日目。
皆様のおかげで観客動員は3500人を突破した。
ちょうどドラマ「向かいのバズる家族」最終話の編集がここ数日佳境を迎えており、げっそりとしていたのだが昨日で山を越えた。引き続きスタッフ一同頑張ります。
また、売り切れていたパンフレットも再入荷しました。是非お買い求めください!
20日目のゲストは山田智和監督と川島直人監督。
山田監督は昨年、米津玄師「Lemon」のMVを手がけ、SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2019の「BEST VIDEO DIRECTOR」を受賞した監督で、川島監督は映画「高崎グラフィティ。」で昨年監督デビューを果たした新鋭だ。
僕とこの二人の接点は、同じ大学の先輩後輩、そして、サークルも同じというガッチガチの縦社会にいた3人だ。山田監督も川島監督も学生時代から僕の作品の助監督をしてくれていたこともあり、先輩特権でお願いして来てもらった。
なんだか、本当に感慨深いトークショーになった。
山田監督は、映像に対してストイックなのでどんな駄目出しが来るかと思っていたら、凄く聡明に僕の作品を分析してくれて、川島監督は脚本やキャラクターの面で笑いを混ぜて作品を解説してくれた。
「僕は作り手として何かを企画する時、どこまで目を見張るかに価値がある気がしていて。(「青の帰り道」を見て)藤井さんの変わらない目線や、細かいところ、どう人と向き合うか。学生時代からそこがずっとブレていないというのが、監督として信用できるなと生意気にも思ったんです。
日常生活で溢れちゃう何気ないすれ違いに無自覚で、そこまで向き合わなくても成立する世の中にいても、変わらずに居続けるんだなっていうのが第一印象でしたね」【山田監督】
「何者かになりたかった」時期を共に切磋琢磨した仲間でもある彼らの堂々とした姿勢にも感慨深いものを感じた。何よりも続けてくれていることが嬉しいし、更に素敵な作品を世に送り出しているからこそ刺激にもなる。
この3ショットが後々、価値が出てくれるように精進しようと誓い合った夜でした。
今夜のゲストは、信頼してやまない俳優、前田公輝。
この作品をどう見てくれるのか、楽しみです。
藤井道人
■藤井道人 Michihito Fujii
映画監督、映像作家、脚本家。1986年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部映画学科脚本コース卒業。伊坂幸太郎原作『オー!ファーザー』でデビュー。『光と血』などの作品を発表する一方で湊かなえ原作ドラマ『望郷』、ポケットモンスター、アメリカンエキスプレスなど広告作品も手がける。2017年Netflixオリジナル作品『野武士のグルメ』や『100万円の女たち』などを発表。2019年『デイアンドナイト』『青の帰り道』公開中。6月28日『新聞記者』の公開が控える。
ご来場のお客様からご感想をいただきました!
■sachi様
どんなに考えてもうまく表現できない。文章力ない自分…。
それでもみんなに届けばいいな。
予習もなく観た映画。知らず知らずに、涙が出てきた。どの人物とも自分は当てはまらない。それでもグッときた。たくさんの人の目に止まりますように。
■ピョル 様
失敗や挫折は人を強く優しくするなんてのは綺麗事、結果論。
現実を容赦なく突きつけられ息をするのも辛くなるくらいなのに、それでもひりつく傷みの中に友愛、家族愛、無償の愛。様々なカタチの愛が溢れているから堪らなく惹きつけられ何度も観たくなる。
あの一本道にいる7人に会いたくなる。
商店街のアーケードを歩くキリとお母さんに救われる。
リョウの「生きていくしかねぇだろ」がいつまでもリフレインする。
もしもこの映画にピンとこないという人がいたなら、きっと私は仲良くはなれないだろう。
生きていくしかない、生きてこその人生。この映画は誰かの、そして私の物語でもあるから。
タツオのように周りから取り残されたかのような娘を実際そばで見ているので、たとえ友だちでも心の奥深くまでズカズカ踏み込んでくることなく、友だちなのになぜもっとと思えるくらいの距離感が逆にリアルだった。
『青の帰り道』に誘ったけどまだ観る勇気がないという娘。
いつか2人並んで観られたら、それが私たち親子にとっての「青の帰り道」になるのかもしれない。
きっと自分の人生において、ふとした時に観たくなる、ずっと心の片隅にあるであろう大切な作品。
『青の帰り道』 東京再上映・トークイベント開催中!
東京・アップリンク渋谷 https://shibuya.uplink.co.jp/
5/11(土)〜公開中 (終映日未定)
《トークイベント登壇予定者》
藤井道人監督
31(金)前田公輝/6月1日(土)冨田佳輔、トミタ栞/2日(日)松井薫平、海老沢七海/3日(月)内田理央/4日(火)深川麻衣/5日(水)清原果耶/6日(木)飯塚健監督/7日(金)ねお
※詳細は劇場HPをご覧ください。
■アップリンク吉祥寺 拡大上映決定!
https://joji.uplink.co.jp/
5/17(金)〜(終映日未定)
連日満席の東京から関西、そして新潟でも上映決定!
■大阪第七芸術劇場
http://www.nanagei.com/
6/22(土)〜
■京都・出町座 https://demachiza.com/
6/22(土)〜
■新潟・市民映画館 シネ・ウインド https://www.cinewind.com/line-up/
7/27(土)〜
映画『青の帰り道』
出演:真野恵里菜 清水くるみ 横浜流星 森永悠希 戸塚純貴 秋月三佳 冨田佳輔
山中崇 淵上泰史/嶋田久作
工藤夕貴 平田満
主題歌:amazarashi『たられば』
監督:藤井道人
原案:おかもとまり
脚本:藤井道人/アベラヒデノブ
制作プロダクション:and pictures
制作協力:BABEL LABEL/プラスディー
配給:NexTone
配給協力:ティ・ジョイ
再上映配給:BABEL LABEL/ボタパカ/and pictures
©映画「青の帰り道」製作委員会
公式サイト:(以下より)
連載第19回