『選挙』『精神』『演劇』などの想田和弘監督最新作『港町』 がいちはやく【第 68 回ベルリン国際映画祭(2018 年 2 月ドイツ・ベルリンにて開催)・フォーラム 部門】への正式招待が決定いたしました。合わせて日本での劇場公開は 2018 年 4 月を予定されていることも発表されました。

(c)Laboratory X, Inc

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泡沫夢幻、空前絶後 ドキュメンタリー映画の臨界点

美しく穏やかな内海。小さな海辺の町に漂う、孤独と優しさ。
やがて失われてゆくかもしれない、豊か な土地の文化や共同体のかたち。そこで暮らす人々。静かに語られる彼らの言葉は、町そのもののモノ ローグにも、ある時代のエピローグにも聞こえる。そして、その瞬間は、不意に訪れる......。

監督は、イタリア、カナダ、中国などでレトロスペクティブが組まれるなど、国内外で高い評価を受け る映画作家・想田和弘。

ベルリン国際映画祭への正式招待が早々と決まった本作は、作品を重ねるごとに進化を続ける「観察映画」の新境地であり、同時に、現代映画のひとつの到達点である。しかし、我々は、この映画体験の美しさと比類のなさとを語る言葉を未だもてずにいる。あなたは、どうか?

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『港町』は、静謐な感動をもたらす、息を呑むほど美しいドキュメンタリーです。 島が美しい。海が美しい。そして猫も。
だけど一番美しいのは、そこで暮らす人々。
・・・・ 穏やかだが衝撃的で、心を揺さぶるあの場面は、ごく自然に映画のなかに歩いて入ってきました。
これが、ドキュメンタリー映画の芸術なのです。
――ポン・ジュノ監督(『グエムル 漢江の怪物』『母なる証明』)

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想田和弘監督の寄せた声明

僕は「観察」をキーワードにドキュメンタリーを作り続けてきた。事前のリサーチやテーマ設定、台本作りをせず、目の前の現実をよく観てよく聴きながら、行き当たりばったりでカメラを回す。結論先にありきの予定調和を排除するための方法論である。『港町』の撮影も、計画性とは無縁だった。前作の撮影で岡山県牛窓に滞在中、 映画の合間に港を歩き回っている最中に、彼らと出会った。
つくづく思うことだが、映画の入り口は日常の思わぬ場所にぽっかりと開いている。その穴はあまりに小さく平凡に見えるので、うっかりすると見過ごしてしまう。しかしよく観てよく聴きながら入ってみると、豊かで魅惑的な世界が広がっている。特に今回クミさんが誘ってくれた「穴」は、異界に通じるような、摩訶不思議なものだった。能の形式に、旅人が幽霊に出会い、幽霊がそこで起きた出来事を語って舞う「夢幻能」というのがある。 夕暮れ時、クミさんに連れられ山の中に入り込んでいった場面は、奇しくもあれと似たような、かなり特異な体験をカメラに収めさせていただいた気がする。能が描くような世界をドキュメンタリーで撮れるとは思いもしなかったので、僕自身驚いている。クミさんのシーンに限らず、『港町』はドキュメンタリーでありながら、どこか夢の中の出来事のような、まぼろしを見たかのような感覚をもたらす。編集が仕上げの段階に至るまで、この映画は全編カラーで作られていて、カラーコレクションも済ませていた。しかし柏木の突然の思いつきをきっかけにモノクロームにすることを決め、カラコレを一からやり直した。モノクロームには、映像に虚構の被膜を一枚かぶせるような効果があり、この映画にとても合っていると思う。というより、今では本作を目に浮かべるとき、モノクローム以外には考えられない。仕上げまでずっとカラーで見ていたことが信じられない。

想田和弘(そうだかずひろ)
1970 年栃木県足利市生まれ。東京大学文学部卒。スクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒。
93 年からニューヨーク在住。映画作家。台本やナレーション、 BGM 等を排した、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。 監督作品に『選挙』(07)、『精神』(08)、『Peace』(10)、『演劇 1』(12)、 『演劇 2』(12)、 『選挙 2』(13)、『牡蠣工場』(15)があり、国際映画祭などでの受賞多数。著書に『精神病とモザイク』(中央法規出版)、『なぜ僕はドキュ メンタリーを撮るのか』(講談社現代新書)、『演劇 VS 映画』(岩波書店)、『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』(岩波ブックレット)、『熱狂なきファシズム』(河出書房新社)、 『カメラを持て、町へ出よう』(集英社インターナショナル)、『観察する男』(ミシマ社)など。

<レトロスペクティブ>
2017 年 ポポリ映画祭(イタリア・フィレンツェ)
2016 年 BOZAR 芸術の宮殿(ベルギー・ブリュッセル)
2013 年 UCCA 現代芸術センター・アートシネマ(中国・北京)
2013 年 杭州アジア映画祭 (中国・杭州)
2012 年 国際交流基金(カナダ・トロント)
2011 年 南台湾映画祭(台湾・台南)

想田和弘監督の"観察映画"第7弾『港町』特報

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監督・製作・撮影・編集:想田和弘
製作:柏木規与子
製作会社:Laboratory X, Inc
配給:東風+gnome
特報制作:想田和弘
特報・予告編音楽:"Piesni milosne" by Ramin Heydarbeyg
2018 年/日本・米国/122 分/モノクローム/DCP/英題:Inland Sea
(c)Laboratory X, Inc

2018 年4月より、シアター・イメージフォーラム 他、全国順次ロードショー