陽の光を受けて輝く清々しい緑の樹々や草原。果てしなく広がる青く澄んだ空、新鮮な空気。光に照らされ、きらきらと水面が輝く海、静かに打ち寄せる波。このような風景は、いつの時代もわたしたちの心を癒してくれます。
イギリス史上最も繁栄したといわれるヴィクトリア女王治世(1837-1901)において、都市や工業技術の成長を目の当たりにした人々にとって、美しい風景画は、のどかな田園風景への郷愁を誘い、疲れた心にやすらぎをあたえてくれるものとして大変好まれました。
光を受けたその瞬間のきらめきや光景をキャンバスに捉えようとしたフランス印象派、さらに当時の光学、色彩理論を参考にした新印象派も生まれました。
このたび、松岡美術館(東京都港区白金台)にて、2026年6月16日(火)から10月12日(月・祝)まで、「風そよぐ情景 ヴィクトリア朝絵画・フランス印象派」展が開催されます。本展では、イギリスの美しい自然を捉えたベンジャミン・ウィリアムズ・リーダーの風景画や、チャールズ・エドワード・ペルジーニの清楚な女性像、フランス印象派からは「光の画家」として知られるモネや、ピサロ、ギヨマンらの作品など約35点の館蔵作品が一堂に会します。風そよぐ美しい自然の情景に心癒されるひとときをお過ごしください。
また、同時開催の「五窯響宴 宋から元までの中国陶磁」で中国陶磁の美の世界も是非ご堪能ください。
1.心やすらぐイギリスの風景画
ベンジャミン・ウィリアムズ・リーダー《北ウェールズの穏やかな午後》1885年
ヴィクトリア女王の政権下で、産業革命による工業化、都市化が進み、美しい自然、田園風景はすでに“失われゆく景観”へと移行しました。
そうしたときに、リーダーをはじめとするイギリスの風景画家たちが描いた森林や河川の美しさが細密に描きこまれた牧歌的な風景画は、人々の心に安らぎをあたえるものとなりました。
ラモーナ・バーチ《ペンザンスの西の谷》をはじめ、同時代に活躍したピーター・ポルティーリエ《オリエントの少女像》や、ジョン・エヴァレット・ミレイ《聖テレジアの少女時代》といった人物画も出展されます。
エドウィン・メドウズ 《家畜と風車のある風景》
2.印象派のモネを生んだ師匠ブーダンと印象派の画家たちの作品
ウジェーヌ・ブーダン 《海、水先案内人》 1884年
ウジェーヌ・ブーダン(1824-1898)は、貧しい家庭に育ち仕事の合間に好きな絵を描いていました。20歳代半ばからデッサン学校の講座に通い始め、画家への道を歩み出します。その10年後、ブーダンは画材店で展示されていたカリカチュア(風刺画)を見て18歳のモネの才能を感じ取り、熱心に油彩画の勉強を勧め、戸外での制作に誘いました。風景画のすばらしさに開眼したモネは画家になることを決意し、パリの画塾で出会った仲間たちとグループ展を開き、彼らは印象派と呼ばれるようになります。
ブーダンの作品の魅力は、空の表現にあります。1859年のサロンで、ボードレールはいち早くその空の習作に注目。コローは「空の王者」と称えています。
クロード・モネ《サン=タドレスの断崖》1867年
「睡蓮の連作」で有名な「印象派の父」、「光の画家」とも称されたモネ。幼少期は、パリの食料品店を営む家庭に育ち、5歳の時に港町ル・アーヴルに移り住みます。16歳頃には風刺画で才能を発揮し、ル・アーヴルを訪れたブーダンに見出され、自然光のもとで絵を描く大切さを教わりました。
その後、パリに出たモネは画塾に通い、ピサロやシスレー、ルノワールらに出会いました。1865年のサロン・ド・パリに《オンフルールのセーヌ河口》と《干潮のエーヴ岬》を初出品し、2点とも入選を果たします。
モネはサン=タドレスで熱心に作品制作に励み、後の印象派を思わせる明るい色彩と細やかな筆遣いで、光に包まれる風景を捉え、初期の名作をいくつも生み出しました。
カミーユ・ピサロ 《羊飼いの女》 1887年頃 展示期間 6月16日(火)-8月16日(日)
ピサロは印象派の最年長で、他のメンバーから慕われる存在でした。1869年頃からパリ郊外のルーヴシエンヌに住み、モネ、シスレー、ルノワールらと一緒に戸外制作を行ううちに、明るい色調の絵画を描くようになりました。貪欲な探求心があったピサロは、印象主義に固執せず、若い世代のスーラやシニャックといった新印象派の画家やゴーギャンと交友し、その技法を取り入れる柔軟さも持っていました。
アルフレッド・シスレー 《麦畑から見たモレ》 1886年
シスレーの遺した900点近い油彩作品の大部分は、パリ周辺の穏やかな風景を描いたもので、他の多くの印象派画家が、後にその技法から離れていったのに対し、印象主義的な画風で風景画を描き続けました。ピサロはそんなシスレーを「真の印象主義者」と称しています。
オーギュスト・ルノワール 《リュシアン・ドーデの肖像》 1879年 展示期間 8月18日(火)-10月12日(月・祝)
印象派の中心人物であったルノワールは、早くから「人物画家」であることを自負し、友人やその家族、親しいパトロンの肖像画を多く手がけました。
本作は、『風車小屋だより』や『アルルの女』などで知られる小説家アルフォンス・ドーデとジュリア夫妻の次男リュシアンをモデルとした作品。ルノワールは、柔らかい色彩で上品で優美な女性や少女たちを描きました。
《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》や《舟遊びをする人々の昼食》など戸外での光を受けた作品も有名です。
同時開催「五窯響宴 宋から元までの中国陶磁」
多様な文化や芸術が花開いた宋時代から、モンゴル民族の元時代までの およそ400年間に渡り、中国各地の窯で個性的な陶磁器が産み出されました。
青花魚藻文大盤 元時代 14世紀 景徳鎮窯
洗練された定窯の白磁、多彩な磁州窯の装飾技法、翠青色が美しい龍泉窯の青磁、幻想的な趣のある鈞窯の澱青釉、白い地を埋めるように複雑な文様を描いた景徳鎮窯の元時代の青花など、宋時代から元時代に五つの窯で製作されたやきものが紹介されています。鮮やかな釉薬の色や神秘的な艶、さまざまな装飾技法、当時の人々が追い求めた美を是非、ご覧ください。
展覧会概要
展覧会名 企画展 風そよぐ情景 ヴィクトリア朝絵画・フランス印象派
同時開催 五窯響宴 宋から元までの中国陶磁
会期 2026年6月16日(火)〜2026年10月12日(月・祝)
会場 松岡美術館
住所 108-0071 東京都港区白金台5-12-6 Google Map
時間 10:00〜17:00(最終入館時間 16:30)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
入館料など詳細は下記に触れて頂きますとご覧いただけます。
松岡美術館 公式サイト
https://www.matsuoka-museum.jp
シネフィルチケットプレゼント
下記の必要事項、をご記入の上、「風そよぐ情景 ヴィクトリア朝絵画・フランス印象派」@東京・松岡美術館 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、無料観覧券をお送り致します。この観覧券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2026年7月13日 月曜日 24:00
記載内容
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