第 30 回釜山国際映画祭コンペティション部門 選出、志萱大輔監督初⻑編作品『猫を放つ』本予告、が4月10日に解禁!
主題歌は mmm「さようなら」/さらに 向坂くじら、巽啓伍(never young beach)ら総勢10名より応援コメントも到着!
『春みたいだ』『窓たち』などを手掛けてきた志萱大輔監督による初⻑編作品『猫を放つ』(英題:Leave the Cat Alone)が 5 月 2 日(土)よりユーロスペースほか順次公開されるにあたり、この度本予告が解禁。
本編のエンディング曲としても使用されている mmm の「さようなら」の音源も流れる内容となっており、『猫を放つ』本編の編集も手掛け『クマ・エロヒーム』などの監督としても知られる坂田貴大が本予告の制作も担当している。
映画『猫を放つ』本予告|2026.5.2 Roadshow
www.youtube.com本作は、1994 年生まれの志萱大輔(シガヤダイスケ)監督が 7 年に及ぶ制作期間を経て完成させた劇映画。すれ違う夫婦の現在と、かつての記憶を揺さぶる友人との再会。過去に引き寄せられながらも、今の「幸せ」の輪郭を探す人々を描いた作品である。第 30回釜山国際映画祭のコンペティション部門にてワールドプレミアを果たし、第 26 回東京フィルメックス メイド・イン・ジャパン部門にも選出された。
主人公・モリ役に工藤梨穂監督作品や本作でも音楽を手掛けているアーティスト「soma」としても活動する藤井草馬、モリの妻である写真家・マイコ役にモデルとしても活躍するほか『息を殺して』主演などでも知られる谷口蘭、モリのかつての友人・アサコ役として村上由規乃が共演。さらに、望月めいり、宮原尚之、カトウシンスケ、菅原大吉、古矢航之介、佐藤ケイらも出演している。
© 2025 “Leave the Cat Alone” Film Partners
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COMMENTS
劇場公開に向けて、以下の通り総勢 10 名の方々からの応援コメントも到着した。
当たり前のようにそこにある光は実は毎秒 30 万 km も進んでいて、間抜けな私たちはいつだって後から気がついてしまう。でもその遅さだけが刻める感触もあるのだと、この映画は信じているようにみえた。主人公のひとり・モリのどこか傲慢で不器用な態度にイラつきながらも、モリの作った歌を聴いたらきっと心揺らいでしまうから悔しい。歪な心にビールを流し込みながら、少しずつ良くなりたいと願う私や誰かの春のざわめきが映し出されていた。
──井戶沼紀美(肌蹴る光線)
些細な記憶の永続性。親密な人間関係のすきまに落ちた、もう戻ってこないあの日の私たち。映画に登場する歩きながらのおしゃべりに身を預けることが好きな自分は、本作の俳優たちの声に惹き込まれた。過ごした月日を物語る声、離れた時間を纏う話しぶり。同じ家に暮らす近い間柄だからこそ生まれる少しの緊張感。日常の小さなやりとりをつぶさに描くと、こんなにも油断できないのかと不意を打たれた。鑑賞後にしか共有できない秘密について早く話し合いたい。
──奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
「猫を放つ」というタイトルの映画を見る。猫は出てこない。出てくるのは、記憶の写像のようなものたち。写真、旧い知りあい、シルエットの映った窓ガラス、プラネタリウムの映写機、ひとつのなにげない単語。どの写像もささやかで、けれど思い通りにならなくて、どこか悲しみを映し取っている。時間がどうしようもなく過ぎていくことの悲しみ、だれかと他人どうしでいることの悲しみ。
猫たちのことを考える。「捨てられた」でも「逃がされた」でもなく「放たれた」彼らは、どこへ行くのだろう。
ひとから離れてやっと自由になるんだろうか。
そして、そう思えばつくづく、わたしたちに棲みついた記憶とは、なんと不日由なものだろう。
──向坂くじら(詩人・小説家)
私の記憶は私のものだ。
けれど、人との再会が、季節が、香りが、
忘れていた記憶を解き放つこともある。
かつてのヒリヒリした痛みも
懐かしく出会い直せば、
今を生き抜くための恩寵になる。
そのことを、この映画は教えてくれる。
──佐々木ののか(文筆家)
本作は、「記憶」と「記録」を頼りに壊れかけた関係性を再構築していく「ドキュメント(記録)」である。お互いのことを全部わかりあうことは到底できるものではない。お互い言葉が足りなくても、逆にいくらお互いが言葉を尽くしても、芯を食わないことのほうが多い。それでも、共にいたいと思う気持ちがあるのならば、どこかですれ違った思いやりを調律する必要が生じる。あてのない散歩で重要なのは、話す内容よりも今隣で歩くあなたと私の心の調律なのかもしれない。
──関根麻里恵(表象文化研究者)
生活が続く限り、否が応でも思い悩み、気付いたら知らない道にいる時がある。
寄る辺無さに不安になって、もう戻れないのかと徒労感が襲う。 そんな時、一体どこでどうなって、何がこうなったのか反省するより先にすべきなのは、自分自身が美しいと信じた確かな時間を静かに思い出して、想像しているよりもずっとゆっくり歩を進めることだ。
──巽啓伍(音楽家/ never young beach)
ただ、そこにある映画だと思った。時間の流れが心地よく、素敵。
そして、私の記憶じゃないのに、どこか懐かしさを覚えた。回想は、滑らかな毛並みに手を差し込むような感触だ。
アパートの硝子に反射する街の風景や、ビルの窓灯り、車のライト。こんなにも限りない人々の時間が粒々に光っているなんて、少しこわくなるけれど、二人と正面から向き合ったとき、私は今、目の前にいる人とのささやかな勘違いを甘んじようと思えた。
──中里有希(映画監督)
弱くて、妻と他の女性との間で揺れる志萱監督の男性主人公は、等身大で現代的な存在だ。
『猫を放つ』は中盤から、森での散歩から過去の時制へのジャンプ、終盤の夫婦が並んで歩くロングテイクなど、奇跡のようなシーンが続く。あくまで実体験から出発し、辿り着いた境地、迷い、揺れる時間。その贅沢をぜひスクリーンで。
──夏目深雪(映画批評家)
奇跡的な映画を見た。1 組の夫婦の暮らしに唐突に過去が侵入し、激しく揺さぶられる。でもそれは回想シーンとして描かれるのではなく、登場人物が実際に過去の若い姿に戻るのだ。映画を観た後、1994 年生まれの志萱大輔監督が撮影に 7 年の歳月をかけた初の⻑編と知って合点がいった。20 代の若者たちが 102 分の映画の中で 7 年歳をとって 30 代になる。現在と過去が衝突する際にポルターガイスト現象が起きる。このノスタルジックなホラー風味が効いている。欲望を含んで捩じれた記憶のメタファーとして目に見えない猫が放たれるのだ。傑作。
──盛田隆二(小説家)
時間とともに変わっていく愛の感情と、変化した感情の源を辿る記憶とが、絶妙に絡みあっていく感覚がたまらない。そして感情と記憶が混じると磁場が乱れて幽霊が現れ、パラレルワールドへの道先案内人となる。なんと甘美で刺激的な作品であることか。
──矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター)
SCHEDULE
本作は 5 月 2 日(土)からのユーロスペースを皮切りに、以下の通り全国各地での順次公開も決定している。
愛知|センチュリーシネマ 5 月 15 日(金)公開
宮城|フォーラム仙台 5 月 22 日(金)公開
京都|出町座 5 月 29 日(金)公開
大阪|シネ・ヌーヴォ 5 月 30 日(土)公開
神奈川|横浜シネマリン 6 月 6 日(土)公開
福岡|KBC シネマ 6 月 12 日(金)公開
愛媛|シネマサンシャイン重信 6 月 19 日(金)公開
また、本作の劇場公開に先駆けて、Morc 阿佐ヶ谷にて開催中の<創造的シネマ感性 2018―2025 16 の創造 16 の感性>において志萱大輔監督の過去作短編『春みたいだ』(2017 年/33 分)と『窓たち』(2021 年/30 分)の二本立てが 4 月 12 日(土)・18 日(土)・23 日(木)の計 3 回上映予定。初日の 4 月 12 日(日)14:20 の回 上映後には志萱大輔監督に加え、『春みたいだ』出演の古矢航之介さんと『窓たち』出演の関口アナンさんを迎えたトークイベントも予定されている。
さらに国外では、アイルランドにて 4 月 9 日より開催中の「access CINEMA: Japanese Film Festival Ireland 2026」での招待上映も行われている。
© 2025 “Leave the Cat Alone” Film Partners
『猫を放つ』(読み:ねこをはなつ)作品概要
「 あなた今、幸せ? 」という問いが、自分に返ってきたとき、ようやく彼らは 自らの現在地点 に目を向ける。写真家の妻マイコ(谷口蘭)との距離に悩む音楽家のモリ(藤井草馬)は、かつての友人アサコ(村上由規乃)と、思いがけない再会を果たす。その出会いは、とうに過ぎ去った愛情を、ふたりの間に呼び起こす。しかし思い出はすれ違い、期待や欲望を含んだ記憶は、ぼやけ、歪み、それぞれの中で都合よく書き換えられながら現れる。そして⻑い散歩の終わりに、モリとアサコは、もう既に軌道を外れてしまった二つの人生と、それぞれが立つ〈今〉を、あらためて見つめ直すことに──
監督・脚本:志萱大輔
出演:藤井草馬 村上由規乃 谷口蘭
望月めいり 宮原尚之 カトウシンスケ 菅原大吉 古矢航之介 佐藤ケイ ほか
プロデューサー:板谷洋
撮影:平井諒 三代郁也 照明:颯輝
サウンドデザイン:荒川翔太郎 録音:庄野廉太朗
助監督:志筑司 川名正人 制作担当:古市あきほ
衣裳:松井弥樹 ヘアメイク:仙波夏海
編集:坂田貴大 VFX : 潮杏ニ カラリスト:有賀遼
スチール:志村颯 アートディレクター:Rak 音楽:soma
制作プロダクション:HUT Pictures 配給・宣伝:イハフィルムズ
英題:Leave the Cat Alone
(2025|ステレオ | カラー | 1.85:1 | 102min)
公式 X・Instagram:@_necowohanatu_
監督プロフィール
1994 年神奈川県生まれ。日本大学芸術学部卒業。卒業制作映画『春みたいだ / Spring Like Lovers』が PFF アワード2017 や第 27 回 TAMA NEW WAVE コンペティション部門など入選。2020 年には ndjc2020 に選出され、制作した短編映画『窓たち / Windows』は第 26 回釡山国際映画祭 Wide Angle Asian Short Film Competition 部門で上映された。本作『猫を放つ / Leave the Cat Alone』が初⻑編作となる。