世界的音楽家・坂本龍一は、YMOでの音楽活動をはじめ、多くの賞に輝いた映画『戦場のメリークリスマス』や『ラストエンペラー』の作曲、『LIFE』や『TIME』といった舞台作品の制作など、さまざまな芸術分野で活躍しました。また、環境や平和問題にも取り組み、被災地への支援活動、「坂本図書」、森林保全など、社会にも多大なる貢献をしました。
このたび、大阪で初めての大規模企画展「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」が、大阪・梅田に新しく誕生した空間・グラングリーン大阪 うめきた公園ノースパーク「VS.(ヴイエス)」にて2025年9月27日まで開催されています。(「VS.」は、多様な人やアイデアが刺激し合い、新たな価値や関係を 生み出す文化装置と定義されています。)
「sakamotocommon」(サカモトコモン)とは、坂本龍一が遺した知的・物質的遺産を共有化する試みです。sakamotocommonの開催趣旨は、アーティスト坂本が遺したものを利活用し、新しいクリエイションを生み出すこと、彼が遺したものとクリエイターとの接点を作ること、そして、彼が遺したものと人々が触れることのできる場を作ることです。
1970年、18歳の坂本龍一は、「人類の進歩と調和」をテーマに掲げた大阪万博で、多彩な音楽やアートに触れました。特にバシェという音響彫刻に多大な影響を受けたことが、のちの創作活動に深い影響を与えることになります。2025年、再び大阪で万博が開催されているこの年に、若き日の坂本が受けた刺激を「sakamotocommon」を通じて次世代のクリエイターたちへ届けられないだろうか、という思いから、本プロジェクトは始動しました。
本展では、1970年の大阪万博のために制作されたバシェの音響彫刻を展示するほか、東京藝術大学のバシェ修復プロジェクトチームが坂本のために制作した新たな音響彫刻の展示も紹介されています。また、坂本の過去の演奏データをもとに、彼が長年愛用したグランドピアノで再生するプログラムは圧巻。まるで生前の坂本龍一が目の前に蘇り、ピアノを演奏しているかのようです。
本年3月末まで東京都現代美術館で開催された坂本龍一の大規模展「坂本龍一|音を視る 時を聴く」は、34万人超の来場者を迎え、同館史上最多の動員数を記録。 坂本龍一が遺した作品は、没後もなお、多くの人々を魅了し続けています。その東京都現代美術館で展示されたインスタレーション作品も数作品本企画展に展示されています。
坂本は生前、完成した作品よりも「プロセスが面白い」と語っていたそうです。彼は今も天国から、自分の遺してきたものが新たに構築され、多くの人に広がることを見守っているでしょう。
1999年初演の坂本龍一のオペラ『LIFE』を脱構築して制作した、映像と音によるインスタレーション
坂本龍一+高谷史郎《LIFE–fluid, invisible, inaudible...》2007、「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、 2025年 内覧会にて撮影 photo by © cinefil
バシェの音響彫刻
1970年の大阪万博のために制作されたバシェの音響彫刻と、東京藝術大学のバシェ修復プロジェクトチームとマルティ・ルイツによって坂本のために制作した新たな音響彫刻を展示。
KAWAKAMI PHONE 川上フォーン 1970年制作/2013年修復 「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 内覧会にて撮影photo by © cinefil
TAKAGI PHONE 高木フォーン 1970年制作/2013年修復
「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 内覧会にて撮影photo by © cinefil
Après Baschet RS001 2018 「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 内覧会にて撮影photo by © cinefil
Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2025 - D
坂本龍一の過去の演奏データをもとに、坂本が長年愛用したグランドピアノで再生するプログラム
展覧会風景
「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 内覧会にて撮影 photo by © cinefil
展覧会風景 「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 内覧会にて撮影 photo by © cinefil
展覧会風景
「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 内覧会にて撮影 photo by © cinefil
坂本龍一 + Zakkubalan《async–volume》
暗い部屋の中で、24台のiPhoneとiPadが小さく光る窓のように壁に配されています。近づくとそれぞれの映像からささやかな音が聞こえてきます。映し出されている映像は、坂本がアルバム『async』制作のために多くの時間を過ごしたニューヨークのスタジオやリビング、庭などの映像です。
坂本龍一+Zakkubalan《async–volume》2017年 「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 内覧会にて撮影 photo by © cinefil
坂本龍一+アピチャッポン・ウィーラセタクン《async–first light》2017年
タイの映画監督・アーティストのアピチャッポン・ウィーラセタクンとの映像と音楽のコラボレーション。
坂本龍一+アピチャッポン・ウィーラセタクン《async–first light》2017年 アピチャッポン・ウィーラセタクン《Durmiente》2021年 「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 内覧会にて撮影 photo by © cinefil
展覧会概
名称:sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一
会期:2025年8月30日(土) ~ 2025年9月27日(土)
時間:10:00 – 20:00(最終入場時間 19:30)
※一部、開館時間・閉館時間に変更があるため、最新情報は公式WEBサイト/Instagramをご確認ください。
休館日:会期中無休
会場:VS.(グラングリーン大阪内)
住所:〒530-0011 大阪市北区大深町6番86号グラングリーン大阪うめきた公園 ノースパーク VS.
オフィシャルサイト:https://vsvs.jp/exhibitions/sakamotocommon-osaka/
料金など詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。 お問い合わせ:https://vsvs.jp/contact
インスタグラム:https://www.instagram.com/vsvs.jp/
シネフィルチケットプレゼント
下記の必要事項、をご記入の上sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一@ グラングリーン大阪うめきた公園 ノースパーク VS. シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上3組6名様に無料鑑賞券をお送り致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2025年9月15日 月曜日 24:00
記載内容
☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・
1、氏名
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の郵便番号、電話番号、建物名、部屋番号も明記)
4、ご連絡先メールアドレス
5、記事を読んでみたい映画監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、
ご記入下さい(複数回答可)
8、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
9、シネフィルのこの記事または別の記事でもSNSでのシェアしていただくことと、シネフィルのサイトのフォローを必ずお願い致します。
☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・