Statement from Galleries
Focusing on a new generation in Tokyo
-画廊からの発言-新世代への視点2025

「文化的、歴史的、批評的、美的価値として」 　　 上田雄三

あるアーティストから「何故、展覧会を開くのか」という質問を受け、ギャラリストである私は、展覧会を開くということは、その人自身が作品を制作することによって、どのようにあなたは生きているのかを証明すること、あなた自身で問いを探し、あなた自身が答えを発見することにあると伝えました。同様に、見る人は作品に答えを求めるものではなく、見る人自身にも疑問を投げかける「問い」が作品であるとも伝えています。そして、アーティストという職業は他の職業とは違い、何かに属することではなく、自立した自身の意思によって、主体そのものとなることにあります。従って、アーティストは自立した存在であることを自らの意思によって決定し、その自身の責任において活動をしなくてはならないのです。その覚悟を確認し、検証する場を持つことが、展覧会を開くことの最大の理由かもしれません。無論、経済的な活動もあり、社会に貢献していくことで、自身の存在を知らしめてもいくのです。私たちが展覧会を開くことは、アーティストとともに知識を共有し、文化資本を生産することでもあると思います。優れた作品は文化的、歴史的、批評的、美的価値があることにより、人々の精神にアーティストの考えや感性、価値観を伝えます。優れた作品には卓越した技術が伴い、対象を的確に捉え、伝えることが求められます。アーティストはこの優れた技術によって社会に貢献し、啓蒙し、普及することで、自身の存在を知らしめていく、展覧会を開くことでアーティストとしての自身を自らの力で積み上げていくのです。

「新世代の視点」展は次代を担うアーティストたちに自身によって考える場と時間を提供することを目的とし、銀座と京橋に位置するギャラリーが集まり開催しています。

李 晶玉
1991 東京都生まれ　
2018 朝鮮大学校研究院総合研究科美術専攻課程修了

飯島 暉子
1994 神奈川県生まれ
2017 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
2021 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画研究分野修了　
2018 ナント芸術学校修士課程　交換留学、フランス　

外山 雄太
1995 埼玉県生まれ
2020 東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース卒業

天明 里奈
1986 千葉県生まれ
2012 東京藝術大学美術学部工芸科漆芸専攻卒業ドイツ・ベルリンにて2年間の滞在制作
2016 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程 工芸専攻漆芸領域修了

古川 樹
1990 大阪府生まれ
2012 京都精華大学芸術学部素材表現学科テキスタイルコース卒業
2014 京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程染織専攻修了

蔡 云逸　
1995 上海生まれ、中国
2018 武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業
2020 東京芸術大学大学院先端芸術表現学科修了
2023 武蔵野美術大学大学院造形研究科博士後期課程修了博士号取得

西田 知代
1984 福岡県生まれ
2006 女子美術大学短期大学部造形学科美術コース卒業
2008 女子美術大学芸術学部美術学科洋画専攻卒業

纐纈 令
1989 東京生まれ
2013 横浜美術大学絵画領域卒業

2025年7月21日（月）- 8月2日（土）
Date: 21st (mon.) July – 2nd(sat.) Aug. 2024
主催：東京現代美術画廊会議
Gallery Q、藍画廊、ギャラリイＫ、ギャラリー椿、
ギャルリー東京ユマニテ コバヤシ画廊、ギャラリー58、ステップスギャラリー

Organizer:
Gallery Q・Ai Gallery・Gallery K・GALLERY TSUBAKI・Galerie Tokyo Humanité・
Gallery Kobayashi・Gallery 58・Steps Gallery

新世代への視点2025
Homepage : http://galleryq.info/news/news_newgeneration2025.html