日本のアニメーションにおける巨大ロボットのデザインとその映像表現の歴史をたどることで「巨大ロボットとは何か」を問う特別展「日本の巨大ロボット群像-巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-」東京会場が池袋・サンシャインシティにおいて1月13日(月・祝)まで開催中です。
また、会期中の特別企画2つの開催が決定しました。

ロボットアニメは日本の大衆文化の重要な一部であり、架空のロボットを描いた作品が数多く制作されています。横浜に登場した「動くガンダム」など、実物大ロボットが日本の都市に現れるように、これらのロボットは日常的な風景となっています。

ロボットアニメの起源は1963年の『鉄人28号』に遡り、その後『マジンガーZ』(1972年)や『機動戦士ガンダム』(1979年)の登場によって、ロボットアニメは進化し続け、多くの魅力的なロボットがデザインされてきました。他国のアニメーションとは異なり、ロボットデザインには空想的な要素に「リアリティ」を与えるための創意工夫が凝らされ、ファンを魅了してきました。

本展では、ロボットアニメにおけるロボットのデザインと映像表現の歴史を、特に「メカニズム」と「大きさ」の視点から検証します。そして、「巨大ロボットとは何か」という問いを観客とともに考察することを目的としています。

展示風景
photo©︎moichisaito

展示風景
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みどころが4点挙げられています。
みどころ1:巨大ロボットの「メカニズム」に注目!

「搭乗」、「合体」、「変形」は巨大ロボットアニメの、いわば「お約束」。玩具展開を前提としたデザインには工夫が凝らされています。が、そのデザインに隠された「メカニズム」には、それなりの合理性があります。本展では、そうしたメカニズムの魅力を、デザイン画やアニメ劇中の場面などから制作した造形物によってお伝えします。

展示風景
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展示風景
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みどころ2:気分はパイロット?ロボットの「大きさ」を体感できる!

巨大ロボットの「大きさ」は、アニメ劇中にていかに表現されてきたか?1980年代になると、巨大なロボットは実用機械レベルに小さくなり、同時にその表現はリアリティを増します。現実にありそうなそうしたロボットたちの一部分(あるいは全部)を、劇中で設定されたとおりの大きさに引きのばしたらどう見えるか? アニメの登場人物になった気分でご鑑賞ください!

展示風景
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みどころ3:「内部メカ」にもえる!

架空のロボットが、あたかも本当に存在するかのように、「内部透視図」が描かれてきました。装甲の裏側、そして隙間にのぞくメカは、架空メカの「実体化」への欲望なのか、制作者のフェティシズムか?現在ではプラモデルや玩具でも当たり前のように再現されることが多くなったロボットの「内部」に注目します。

展示風景
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展示風景
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みどころ4:メカニックデザイナー・宮武一貴による圧巻の巨大絵画を展示!

宮武一貴氏(スタジオぬえ)が、巨大ロボットをテーマとした描きおろしの巨大絵画を本展のために制作しました。展示場ならではの大画面で、宮武氏の描くロボットワールドを堪能してください!
また、宮武氏が所属する「スタジオぬえ」の仕事も特別展示で紹介します!

展示風景
photo©︎moichisaito

展示の最終章では、「巨大ロボット」に魅了されてきた6名のインタビューが公開されています。この問いと答えの紹介は、来場者の展示鑑賞をより深めるものになっていると思います。

展示風景
photo©︎moichisaito

展示風景
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会期中の特別企画2つの開催が決定しました。

1つは、「日本の巨大ロボット群像」の監修を務めるインディペンデント・キュレーターの山口洋三さんと、企画協力として本展覧会に関わっている編集者、執筆者、アニメーション研究家の五十嵐浩司さんによるガイドツアーです。このガイドツアーでは、本展覧会に深く関わっているお2人のそれぞれの視点からの解説を聞きながら会場内を回ることができます!
山口さんによるガイドツアーは1月10日(金)に、五十嵐さんによるガイドツアーは1月11日(土)と12日(日)に、いずれも午後1時からと午後4時からの2回開催します。各回先着で30名まで参加できます。

また、1月12日(日)には、メカニックデザイナー、イラストレーター、コンセプトデザイナーの宮武一貴さん(スタジオぬえ所属)によるトークショーを開催します。 日本のメカニックデザイナーの草分け的存在でもあり、本展覧会に向けて巨大絵画を制作していただいた宮武さんが、巨大ロボットについて大いに語ります。

ガイドツアー、トークショーともに、本展覧会や巨大ロボットについて深く知ることができる貴重な機会となります!ぜひご参加ください。

特別企画概要

<ガイドツアー>
【開催日時】山口洋三さんによるガイドツアー
      2025年1月10日(金) ①午後1時~ ②午後4時~
      五十嵐浩司さんによるガイドツアー
      2025年1月11日(土)・12日(日) ①午後1時~ ②午後4時~
【定員】   各回30名 ※希望者先着順

【料金】   無料 ※別途入場券が必要です。
【参加方法】 開催日当日各回開始30分前より受付開始(会場入口外に集合場所を用意します)
      ※近隣施設などのご迷惑となりますので受付時間前からお並びいただくのはご遠慮くだ
      さい。
      ※予め入場券をご用意の上お集りください。
      ※ツアー開始より入場となります。一度入場された後での再入場参加は出来ませんので
      ご注意ください。

【出演者】・山口洋三
     1969年生まれ。福岡市在住。
     福岡市美術館、福岡アジア美術館で30年にわたり学芸員を務め、作品収集、コレクショ
     ン展示に携わる一方、現代美術やサブカルチャーなど多数の展覧会を企画してきた。
     2024年にフリーランスとなり、企画展制作を中心に活動中。
     美術エッセイ執筆や図録編集なども手掛ける。
     「日本の巨大ロボット群像」では企画の監修を行い、音声ガイドのシナリオを執筆。

    ・五十嵐浩司
     編集者、執筆者、アニメーション研究家。
     1968年生まれ。株式会社TARKUS(タルカス)代表。
     アニメ・特撮を中心に取り扱う書籍の執筆、編集、企画、監修、構成、解説を多数手がけ
     る。
     ホビー関連のトークイベントでゲスト、司会者としても活動中。
     「日本の巨大ロボット群像」では所蔵品の展示なども含め企画に協力。図録の編集構成と
     執筆も担当した。

開催概要

タイトル:日本の巨大ロボット群像  東京会場

開催日時:開催中〜2025年1月13日(月・祝)
     午前10時〜午後6時 ※入場は30分前まで
休館日: なし
会場:  池袋・サンシャインシティ 展示ホールB(文化会館ビル4F)
     (東京都豊島区東池袋3-1)
アクセス:https://sunshinecity.jp/information/access_train.html
料金:  一般・大学生当日2200円、中高生当日1600円、小学生当日800円
公式HP: https://artne.jp/giant_robots/

タイトル:日本の巨大ロボット群像  愛知会場

開催日時:2025年2月15日(土)〜3月24日(月)
     午前10時〜午後6時 ※入場は30分前まで
休館日: なし
会場:  金山南ビル美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)
     (愛知県名古屋市中区金山町1-1-1 金山南ビル内)