カンヌ国際映画祭に作品を出品するごとに、常に高評価を得続けているトルコの名匠、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督最新作で、第 76 回カンヌ国際映画祭において、トルコ人初の最優秀女優賞を受賞した『二つの季節しかない村』(英題:About Dry Grasses)が、10月11日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開いたします。

© 2023 NBC FILM/ MEMENTO PRODUCTION/ KOMPLIZEN FILM/ SECOND LAND / FILM I VÄST / ARTE FRANCE CINÉMA/ BAYERISCHER RUNDFUNK/ TRT SİNEMA / PLAYTIME

本作のメインビジュアルでこちらに魅惑的な視線を向けている少女は、物語の鍵を握る女子生徒・セヴィム。主人公の美術教師サメットと誰よりも仲が良く、理由なくサメットの部屋を訪れては雑談に花を咲かせ、時にはサメットの腰に手を回すほど親密な関係であったが、ある日ラブレターを没収されたことをきっかけに態度が豹変。虚偽の「不適切な接触」でサメットを告発する。
時に無邪気に、時に小悪魔のような二面性を見せ、サメットや観客をも翻弄するセヴィムを演じるのは、本作が映画デビューとなる新星エジェ・バージ。その演技は「魅力的な表情から、激しく恐ろしささえ感じる表情へと一瞬のうちに変化する様が見事」(IndieWire)と評され、世界中の注目を集めている。現在 17 歳、ヌリ・ビルゲ・ジェイランの作品が元々好きだったと公言するバージはどんな女優なのか?
併せて学校でサメットの部屋を訪れるセヴィムの本編映像と、そして4人がそれぞれの思惑を浮かべるキャラクターポスタ―ビジュアルを解禁されました。

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キャラクターポスタ―ビジュアル

解禁されたキャラポスでは油彩のような重厚感溢れる雰囲気の中、主人公サメット、義足の英語教師ヌライ、サメットの同僚ケナン、そしてセヴィムが感情の読めない表情を浮かべている。彼らが見つめる先には一体何があるのか――。

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「生まれてからずっと芸術に囲まれて育ってきた」と語るバージのスタート地点はダンスとバレエ。演劇鑑賞も好きだったというバージは、演劇を学べる美術高校を受験。合格すると母親と一緒にイスタンブールに引っ越すという行動力にも驚きだ。
長尺で難解と評されることの多いジェイラン監督の作品が「元々大好きだった」というバージ。セヴィム役を射止めた後に、ジェイラン監督の過去作を全て見返したというほど勉強熱心な一面を持つ。教室の中では子供らしく、サメットと二人きりになると急に色気のある表情を見せ心をざわつかせる、ファム・ファタル的な存在として映画の中に存在するセヴィムというキャラクターについて、バージは「最初に脚本を読んだときは簡単には理解できませんでした。彼女はとても深く、多面的な人物だからです。形にするのに苦労しましたが、 徐々に頭の中にじわじわと収まっていきました」と語っている。

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◆エジェ・バージ プロフィール ECE BAGCI
2007 年 10 月 12 日、トルコ・アンカラ生まれ。アンカラではトルコ国立オペラ・バレエ団の子供バレエ団に所属し、いくつかの舞台を踏む。現在は演劇を学ぶために、イスタンブールへ移住し、ミマール・シナン美術高等学校演劇科に通う。『二つの季節しかない村』で映画デビュー。セヴィム役はオーディションで獲得した。本作で第 59 回シカゴ国際映画祭助演女優賞、第 56 回トルコ映画批評家協会賞助演女優賞、第 25 回サドリ・アリシュク映画賞ライジング俳優賞を受賞。

大好きな監督の作品に出演した後、チームでカンヌ国際映画祭に参加したバージは、同年代に向けて「一番大切なことは行動すること。一生懸命働き、たくさん本を読み、あらゆることについて情報を得ようとする意識は、特に芸術の面ではとても大切なことだと思います」とメッセージを贈っている。映画への愛と行動力で、17 歳にして大きな夢を叶えたエジェ・バージ。次はどんな表情を見せてくれるのだろうか。今後の活躍に期待したい!

カンヌの 寵児 、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン最新作
壮大な自然を前に人間は如何に小さいものか――。

冬が長いトルコ東部の村で美術を教えるサメットはこの村を忌み嫌っている。ある日、自分を慕っていたはずの女生徒セヴィムらに虚偽の“不適切な接触”を告発される。同じ頃、美しい義足の英語教師ヌライと知り合い……。プライド高く、周囲を見下す、“まったく愛せない”主人公サメット。人と自分を比べ、他者をやりこめようとするサメットの姿は、現代社会のどこにでも見つけることができるだろう。
音さえ吸い込む雪景色の圧巻の美しさと、標高 2150m にある世界遺産ネムルトダーの夏の雄大さ、人間の悲しいほどの卑小さ。ヌリ・ビルゲ・ジェイランは、この荘厳な自然と、自我に縛られた人間を大胆に対比させる。ドストエフスキー、チェーホフら世界の文豪作品に加え、太宰治らの私小説を思わせる感情の機微を圧倒的な演出力で描き出し、トルコ人初のカンヌ国際映画祭最優秀女優賞を獲得した。

監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
脚本:アキン・アクシュ、エブル・ジェイラン、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン

出演:デニズ・ジェリオウル、メルヴェ・ディズダル、ムサブ・エキジ、エジェ・バージ

2023/トルコ・フランス・ドイツ/198 分
配給:ビターズ・エンド

公式 X :@BittersEnd_inc

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10月11日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!