『繕い裁つ人』『幼な子われらに生まれ』『Red』など多くの作品を手掛け、国内外で高い評価 を受ける三島有紀子監督の⻑編 10 作目となる最新作『一月の声に歓びを刻め』が、2 月 9 日(金)より劇場公開となります

本作は、三島監督自身が 47 年間向き合い続けた「ある事件」をモチーフに自主映画からスタートしたオリジナル企画。八丈島の雄大な海と大地、大阪・堂島のエネルギッシュな街と人々、北海道・洞爺湖の幻想的な雪の世界を背景に、3 つの罪と方舟をテーマに、人間たちの“生”を圧倒的な映像美で描いていく。

船でやってきた者を前田敦子船を待つ者を哀川翔、そして船で向かう者カルーセル麻紀が演じ、さらに、坂東龍汰片岡礼子宇野祥平原田龍二とよた真帆らが脇を固める。

© bouquet garni films

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この度、日本を代表する俳優や監督から絶賛コメント続々と到着した。

自身も映画監督である奥田瑛二は、「死んだ娘のことを独白するシーン、これができるのは他に誰もいない」と、幼い次女を亡くした父親を演じたカルーセル麻紀の壮絶な演技に感嘆。

佐藤浩市は、「三つの根底に流れるのは、忘れたい記憶や消してしまいたい記録を超える事が出来た自分にいつか出逢 えると願う気持ち」と、本作のテーマのひとつである“前向きに乗り越える”ことに言及。奥田瑛二も「元気をくれる映画」とコメントを締め括っており、本作を見終わった後に独特な感動が押し寄せることを窺わせる。

以下、【各界著名人から寄せられたコメント全文】

奥田瑛二(俳優/映画監督)

佐藤浩市(俳優)

田中麗奈(俳優)

水川あさみ(俳優)

藤原季節(俳優)

南沙良(俳優)

篠原ともえ(デザイナー/アーティスト)

阪本順治(映画監督)

岩井俊二(映画監督)

瀬々敬久(映画監督)

金子修介(映画監督)

加藤正人(脚本家)

桜木紫乃(小説家)

千早茜(小説家)

佐藤佐吉(脚本家・映画監督)
圧倒された
映像に
俳優の演技に
三島監督の叫びに
何が起こるか全く予想がつかない
すごい映画
いや、映画ですら無かったのかもしれない
映画を超えた何かだった。

ドリアン・ロロブリジーダ(ドラァグクイーン)
罪を抱えた人々は、いつか赦されるその日まで、
その罪を何度も見つめ、反芻し、血を流す。
傷を抱えた人々は、いつか赦せるその日まで、
その傷を何度も見つめ、反芻し、涙を流す。
湖畔でのマキの慟哭と、
れいこの歌声のリフレインに、
この作品は“人間讃歌”なのだと感じた。
エンドロールが終わっても、
暫く席を立てなかった。

荻野洋一(映画評論家、番組等映像演出)
映画作家の苛烈な自伝的要素を
人間の魂の形にした3章それぞれの主演者――
カルーセル麻紀さん、哀川翔さん、前田敦子さん。
俳優という身体の凄絶さに改めて圧倒される思いです。
殊に、並々ならぬ気迫で撮影に臨んだ前田敦子さんの演技に最大の敬意を。
前田さんの俳優人生を代表する一作になると思います。

田原総一朗(ジャーナリスト)
いずれも難しい問題に真剣に取り組んでいて、その姿勢に感動する。
三島監督の丁寧さと、前田敦子さんの演技に圧倒されました。

まだまだ各界の名士から賞賛の声が止まない。現在到着しているすべてのコメントはここで読むことができる。

本作は、三島監督自身が 6 歳の時に受けた体験から 47 年間向き合い続け、「心の傷と罪の意識、そして赦し」をテーマに結実させた、まさに渾身の一本。「生命存在として汚れてしまった」と思った子供の頃に名画座で観たイギリス映画『赤い靴』に衝撃を受け、「生と死の選択」に行き着き、「自分のような人間に向けて映画を作りたい」と映画制作の道に飛び込んだ。そして、「過去を忘れられる“一瞬の夢”のような世界、美しい人間の存在を信じられるような作品づくり」を胸に、『しあわせのパン』や『繕い裁つ人』、『幼な子われらに生まれ』などを制作してきた。そんな三島監督が本作に込めたメッセージで締め括る。

深手は、なかなか塞がらない。
塞がったあとは、再び開かぬよう傷を庇い生きる。 あとは心と体のどこかに無理をかけながら、庇うことに慣れるしかない。 あの日、男の欲望の下敷きになった少女は幼すぎて、自身についた傷が一生を左右することを知らなか った。
「汚れた」という言葉に囲まれた少女は、いつの間にか人の声に汚れていった。 死を考えた日、生きることを選んだ日、そのどちらにも癒えぬ傷があった。 男は欲望とともに、のうのうと生きている。
ならば自分は、傷とともにのうのうと生きてやろう。
六歳のあの日、わたしは痛みに泣いた。
十代のあの日、わたしは疵に泣いた。
そして傷をたずさえたまま、映画を作ることを覚えた。
自己憐憫は邪魔だ。
わたしは、傷を元手に生きてきた。
だからいま、一月の声に歓びを刻む。

三島有紀子

<ムビチケ発売情報>
『一月の声に歓びを刻め』ムビチケ前売り券(オンライン)&劇場販売(ムビチケカード)が、一般 1,600 円(税込)にて販売中。
【メイジャー】
https://www.major-j.com/cinema_information.php?id=M20231124002
【ムビチケオンライン】
https://mvtk.jp/Film/084050

<STORY>
北海道・洞爺湖。お正月を迎え、一人暮らしのマキの家に家族が集まった。マキが丁寧に作った御節料理を囲んだ一家団欒のひとときに、そこはかとなく喪失の気が漂う。マキはかつて次女のれいこを亡くしていたのだった。それ以降女性として生きてきた“父”のマキを、⻑女の美砂子は完全には受け入れていない。家族が帰り、静まり返ると、マキの忘れ難い過去の記憶が蘇りはじめる。
東京・八丈島。大昔に罪人が流されたという島に暮らす牛飼いの誠。妊娠した娘の海が、5年ぶりに帰省した。誠はかつて交通事故で妻を亡くしていた。海の結婚さえ知らずにいた誠は、何も話そうとしない海に心中穏やかでない。海のいない部 屋に入った誠は、そこで手紙に同封された離婚届を発見してしまう。
大阪・堂島。ほんの数日前まで電話で話していた元恋人の葬儀に駆け付けるため、れいこは故郷を訪れた。茫然自失のまま歩いていると、橋から飛び降り自殺しようとする女性と出くわす。そのとき、「トト・モレッティ」というレンタル彼氏をしている男がれいこに声をかけてきた。過去のトラウマから誰にも触れることができなくなっていたれいこは、そんな自分を変えるため、その男と一晩過ごすことを決意する。
やがてそれぞれの声なき声が呼応し交錯していく。

出演:前田敦子、カルーセル麻紀、哀川翔 坂東龍汰、片岡礼子、宇野祥平 原田龍二、松本妃代、⻑田詩音、とよた真帆

脚本・監督:三島有紀子
配給:東京テアトル

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公式 X:@ichikoe_movie /公式 Instagram:@ichikoe_movie

2024 年 2 月 9 日(金)テアトル新宿ほか全国公開