香港アカデミー賞11部門、台湾アカデミー賞12部門を席捲し、日本では全国5都市にて開催された「香港映画祭2022」で動員数No.1となった注目作香港映画『香港の流れ者たち』(原題:濁水漂流)が、2023年12月16日(土)よりユーロスペース、2024年1月6日(土)大阪シネ・ヌーヴォほか全国順次公開となります。

リバイバル上映中の『インファナル・ アフェアⅡ無間序曲』でも魅力全開のフランシス・ ン激シブメイキング写真&香港オールスター勢ぞろいの予告編解禁!
絶賛コメントも続々到着!!ジュン・リー監督初日オンライン舞台挨拶も決定‼

香港の下町・深水埗(シャムスイポー)で暮らすホームレスたちは、出所祝いにヤクを打ち、こっそり万引きする。そんな彼等の日常は、突然やってきた食物環境衛生署による“清掃”により失われてしまう。ソーシャルワーカーの助けを借り、政府に賠償を求め裁判を起こすが、和解金を前に意見が割れてしまい…。

 日本でも宮下公園のホームレス排除により人権を巡る議論が巻き起こったが、香港でも同様の社会問題が起きている。本作は2012年に高架下のホームレスが強制退去させられ、政府への賠償請求の裁判が起こされた「通州街(トンジャウ)ホームレス荷物強制撤去事件」をベースに制作された。再開発のかげで追いやられるホームレスの排除問題を軸に、移民問題、そして薬物に蝕まれる貧困層など様々な社会問題を浮き彫りにしていく。
 “新世代の香港映画”の俊英ジュン・リー監督は、デビュー作『トレイシー』(2018)が、東京国際映画祭で上映された注目の監督。
長編2作目となる本作で、過酷な状況の中にも人間の「尊厳」、お互いを思いやる「心」を見出し、社会派ドラマという枠を超え、ヒューマンドラマとして深い余韻を引き出した。

新進気鋭のジュン・リー監督の元に集まったのは、香港の新旧世代を代表するスターキャストたち。
80年代から香港映画界で活躍し、『エグザイル/絆』(2006/ジョニー・トー監督)等で知られる香港のベテラン俳優フランシス・ンが、ヤク中のホームレスの人生の悲哀を表現し新境地を切り拓いた。最近はイケオジ俳優としても名高いツェー・クワンホウ、90年代を代表するロレッタ・リー、『風の輝く朝に』(1982/レオン・ポーチ監督)で知られるセシリア・イップの特別出演も話題となった。そして若手キャストは、『燈火は消えず』(2022/アナスタシア・ツァン監督)『返校 言葉が消えた日』(2019/ジョン・スー監督)等の話題作への出演が続くセシリア・チョイ、『別叫我“賭神”』でチョウ・ユンファの息子役に抜擢された注目俳優ウィル・オー、『私のプリンス・エドワード』や『星くずの片隅で』で注目されるチュー・パクホン等、注目俳優が集結した。

煌めく光に彩られた夜景と、再開発により高層ビル建設ラッシュに沸く、香港の下町・深水埗。美しい街の裏側で、ホームレスのファイたちは追いやられていく。その中でお互いを支え合いながら懸命に生きるファイたちの姿を捉えた予告編が完成!
また貴重なメイキング写真6点も一挙公開されました。

メイキング写真

「香港風味」著者の野村麻里さん、台湾のホームレス10名の人生の物語が鮮やかに描かれた「私がホームレスだったころ」翻訳者の橋本恭子さん、映画評論家のくれい響さん、映画批評家の佐藤元状さん、映画ライターのよしひろまさみちさんより、絶賛コメントが到着いたしました。

野村麻里(作家・「香港風味」著者)
以前、香港で友人が近所のホームレスを指して「彼らは私のホームレス」と言った事があった。直接の関わりがなくとも「街」を通して人は繋がっていることを、この映画は思い出させてくれる。街角、高架下、夜の闇…どれもがリアルで切ない。

橋本恭子(日本社会事業大学非常勤講師/台湾芒草心慈善協会企画・李玟萱著『私がホームレスだったころ』(白水社、2021)訳者
≪絶望の中の希望≫
路上生活者の平穏なコミュニティは簡単に壊され、大切な仲間は去っていく。絶望しかないように見えて、この映画は希望。 「グリーンスリーブス」の哀切なメロディが香港の街角の映像とともに深い余韻を残す。

くれい響(映画評論家)
『星くずの片隅で』で頭角を現した“香港の A24”ことmm2スタジオが、さらに観る者の心震わせる、よりリアルでヘヴィな『どですかでん』。
電気街として知られる深水埗の片隅で、もがき苦しみながら生きる彼らの魂の叫びを聞け!!

佐藤元状(映画批評家)
ジュン・リーは、追い詰められたホームレスたちの姿をときに優しく、ときに冷酷に映し出す。
この独特の距離感こそ、監督の知的な誠実さの表れなのだ。

よしひろまさみち(映画ライター)
デビュー作からマイノリティにフォーカスするジュン・リー監督。本作の悲哀は全く他人事ではない。経済的成功だけが勝ちとされる現代社会の問題は、国境を超え地続きということを思い知らされる。

またユーロスペース初日12/16(土)にジュン・リー監督のオンライン舞台挨拶も決定いたしました!※詳細は劇場HPにて発表

『香港の流れ者たち』予告編

映画『香港の流れ者たち』予告編 2023.12.16 RoadShow

www.youtube.com

≪STORY≫
濁流に身を任せて生きる“流れ者ホームレス”たちが欲しいのは、和解金か?謝罪/尊厳か─!?刑務所を出たファイは雑多で陰鬱な街・深水埗(シャムスイポー)へ戻り、ラムじいが出所祝いくれたクスリをさっそくキメる。ホームレス仲間の皿洗いのチャン、ヤク中のダイセン、車椅子のランたちと再会し、ファイはまた高架下で暮らしはじめる。ある晩、事前通告なしにやってきた食物環境衛生署によって、ファイたちは家も身分証明書も何もかも失ってしまう。新人ソーシャルワーカーのホーは彼らのために裁判を起こし、政府に賠償と謝罪を求める。ホーはベトナム難民であるラムじいの家族探しを手伝い、ファイの健康を心配し通院を勧め、彼らをできる限りサポートしていく。
ファイはハーモニカを吹く失語症の青年に出会い、「モク」という名前を与える。ファイはモクと新しい小屋を建て、心を通わせていく。建設中のマンションに忍び込み見下ろした夜の深水埗の街には、人々の生活の息吹が感じられるまばゆい光の海が広がっていた。ファイはモクに静かに語りかける。
「深水埗は貧乏人が住む町だ。高級マンションを建てて、貧乏人はどこへ行く? 」
政府から賠償金として2000香港ドルずつ受け取れることになり、よろこぶダイセンたち。ただファイだけが謝罪なしの賠償金は受け入れないと拒絶し、彼らは散り散りになってしまう。ひとり高架下に残ったファイ。賠償も謝罪もないまま、彼らは冬を越せるのだろうか…。

フランシス・ン(吳鎮宇) ツェー・クワンホウ(謝君豪) ロレッタ・リー(李麗珍)
セシリア・チョイ(蔡思韵) チュー・パクホン(朱栢康)   ベイビー・ボウ(寶珮如)  ウィル・オー(柯煒林)

監督:ジュン・リー(李駿碩)

プロデューサー:マニー・マン(文佩卿) 
脚本:ジュン・リー(李駿碩)
撮影:レオン・ミンカイ(梁銘佳)/HKSC
美術・衣裳:アルバート・プーン(潘燚森) 
編集:ヘイワード・マック(麥曦茵)、ジュン・リー(李駿碩) 

音楽:ウォン・ヒンヤン(黃衍仁) サウンドデザイン:サイラス・タン(鄧學麟)

日本語字幕:小木曽三希子 宣伝デザイン:阿部宏史 
配給:cinema drifters・大福 
宣伝:大福

原題:濁水漂流 英題:Drifting 2021|香港|カラー|DCP|5.1ch|112分 
(C)mm2 Studios Hong Kong

2023年 12月16日(土)よりユーロスペース、
2024年1月6日(土)より他シネ・ヌーヴォ他全国順次公開!