京都の福田美術館、嵯峨嵐山文化館では、「ゼロからわかる江戸絵画―あ 若冲 、 お 北斎 、 わぁ 芦雪― 」が開催されています。
両館が合同で開催する本展では、若冲や、北斎、芦雪といった江戸絵画の名品118点が一堂に会しています。

誰もが一度は目にしたことがある伊藤若冲の鶏や、歌川広重の《東海道五十三次》、円山応挙や長沢芦雪の仔犬、狩野派や琳派による美しい屏風絵などを、日本画に精通されている方も、初心者の方も楽しめる江戸絵画の基礎知識や鑑賞ポイントの解説付きでご覧になれます。
また、このたび、数十年ぶりに公開される江戸絵画の名作かつ「幻の作品」といわれる長沢芦雪の《大黒天図》がお披露目されています。

四季折々の風情が感じられる京都・嵐山、日本情緒漂う渡月橋を望む大堰川(桂川)沿いの景勝地に佇む福田美術館と嵯峨嵐山文華館で、美しい自然とともに日本美術の名品を鑑賞できます。

嵐山 渡月橋 風景写真 photo by ©cinefil

第1 会場:福田美術

ギャラリー1では、17 世紀から 18 世紀にかけて京都で活躍した伊藤若冲、円山応挙、長沢芦雪などの作品が展示されています。
鶏をはじめ様々な動植物を独創的に描いた伊藤若冲。写生を基本とし、日本画の礎を築いた円山応挙。「奇想の画家」といわれ、近年、再評価されている長沢芦雪などの珠玉の作品が集結しています。

伊藤若冲《蕪に双鶏図》(前期展⽰)

四季折々の花鳥風月を鮮やかな色彩で細密に描き、鶏や鶴、犬、虎、昆虫などを鋭い観察眼で奇抜に用い、独創的な絵画表現と卓越した描写力で、今なお、人々を魅了する伊藤若冲。相国寺に寄進した、動植物を精緻に描いた花鳥画《動植綵絵》(全30幅)は、圧巻、まさに超絶技巧です。

円⼭応挙 《⽵に狗⼦図》右隻(前期展⽰)

円⼭応挙 《⽵に狗⼦図》左隻(前期展⽰)

写生を基本とし、京都画壇の「円山派」の礎を築いた円山応挙。
ころころ、ふわふわで、かわいらしい応挙ならではの仔犬を描いています。

⻑沢芦雪《親⼦⽝図》(前期展⽰)

円山応挙を師とする長沢芦雪は、「奇想の画家」といわれ、ユーモアセンスあふれる動物を描いています。

⻑沢芦雪《大黒天図》(通期展示)photo by © cinefil

52 年ぶりに再発見され、新たに福田美術館のコレクションに加わる長沢芦雪の幻の作品
《大黒天図》が公開されています。
大黒天には「幸福を呼ぶ」、「商売繁盛」、「子孫繁栄」などのご利益があるといわれています。
和歌山南部で描いた作品で、芦雪は46歳で亡くなりますが、大黒天を描いた頃が画業のピークだと思われます。

⾕⼝⾹嶠・猪飼嘯⾕《光琳式扇⾯散志図》右隻(前期展⽰)

⾕⼝⾹嶠・猪飼嘯⾕《光琳式扇⾯散志図》左隻(前期展⽰)

2 階のギャラリー2には 、狩野派や琳派による美しい屏風絵などが並びます。 江戸時代、室町時代から続く「狩野派」と呼ばれる集団が、江戸城や京都・二条城をはじめ大型建築の障壁画を手がけました。 伊藤若冲や円山応挙も、絵を習い始めたばかりの頃は狩野派に師事しています。
しかし京都と江戸において、どこかに弟子入りすることなく尊敬する画家の手本に学び、その表現方法を継承しようとする「琳派」と呼ばれる作家たちが現れます。                      琳派では、俵屋宗達に学んだ尾形光琳・光琳に学んだ中村芳中などが 知られています。

展覧会風景 photo by © cinefil

品川亮《⽩椿》(通期展⽰)

パノラマギャラリーでは 、日本絵画の流れを意識しつつ 、現代絵画の可能性に挑戦する現代作家、品川亮による個展「 Re Action 」が開催されています 。
新進気鋭の品川氏の作品は、伝統的な日本画の琳派絵画を現代的にアレンジしたもので、とても新鮮。モダンでスタイリッシュなアートです。

展覧会風景photo by © cinefil

第2 会場:嵯峨嵐山文華館

第 2 会場では、自らを“画狂”と称した葛飾北斎による《大天狗図》や《墨堤三美人図》をはじめとする貴重な肉筆浮世絵が紹介されています。

展覧会風景photo by © cinefil

葛飾北斎《⼤天狗図》(前期展⽰)

葛飾北斎は江戸時代後期の浮世絵師でゴッホや、モネなど海外の画家にも影響を及ぼしました。本作は右手を伸ばしてする真っ赤な顔の大天狗です。蜘蛛の巣は周囲に墨を塗り、モチーフを白くする外隈(そとぐま)という技法で描かれています。もともとは屏風に貼られた12枚組の1枚でした。江戸時代に描かれたとは思えない、まるでスパイダーマンのようです。

葛飾北斎《墨提三美⼈図》(後期展⽰)

隅田川で涼む三人の女性が描かれています。柳の葉が風にそよぐ様子が画面に爽やかさをもたらしています。

歌川広重《東海道五⼗三次 朝之景(⽇本橋)》(前期展⽰)

歌川広重は江戸時代の浮世絵師。風景を描いた木版画で有名になり、モネやゴッホなどにも影響を与えました。
誰もが知っている歌川広重の「東海道五十三次」の版画55点が、前期後期に分けて一挙公開されています。東海道を江戸から京都まで旅するのに、当時は2週間ほどかかりました。
本作は、東海道五⼗三次のスタート地点、日本橋の朝どれの新鮮な魚に行列する人々がたくさん描かれています。

歌川広重《東海道五十三次 三条⼤橋(京師)》(後期展⽰)

徳川家康はえど江戸と京の間に53の宿駅を設置し、公用の通信や荷物は次の駅まで無料で送り届ける伝馬制度を整備しました。それが「東海道五十三次」です。
本作は最終の目的地、京都の三条大橋です。繊細な橋の描写、川の青い色が綺麗です。

日本情緒あふれる京都嵐山で、伊藤若冲や、歌川広重、円山応挙、長沢芦雪、狩野派や琳派による美しい屏風絵などの江戸絵画を是非、ご堪能ください。

展覧会概要

展覧会名 ゼロからわかる江戸絵画 ーあ!若冲、お!北斎、わぁ!芦雪ー
会期 2023年10月18日(水)~2024年 1月8日(月・祝)
前期:10月18日(水)~12月4日(月)
後期:12月6日(水)~2024年1月8日(月・祝)

開館時間 10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日 12月5日(火)展示替え、年末年始:12月30日(土)〜1月1日(月)
場所 第一会場 福田美術館   (京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16)
第二会場 嵯峨嵐山文華館 (京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11)

入館料 一般・大学生:1,500(1,400)円 高校生:900(800)円
小中学生:500(400)円
障がい者と介添人1名まで:各900(800)円
※( )内は20名以上の団体 料金
※幼児無料

嵯峨嵐山文華館との二館共通券
一般・大学生:2,300円
高校生:1,300円
小中学生: 750円
障がい者と介添人1名まで:各1,300円

※福田美術館のオンラインチケットをご利用の方は、嵯峨嵐山文華館を団体割引料金で利用可能。従って、共通券と同じ金額で両館を利用することができます。

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「ゼロからわかる江戸絵画 ーあ!若冲、お!北斎、わぁ!芦雪ー」@京都・福田美術館、嵯峨嵐山文華館 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、招待券をお送り致します。この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2023年11月20日 月曜日 24:00
記載内容
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