Netflix とアスミック・エースが共同で製作した Netflix 映画『ちひろさん』が 2023 年
2 月 23 日(木・祝)に Netflix にて全世界配信&劇場公開します。なお、すでに上映が決まっている新宿武蔵野館、イオンシネマ シアタス心斎橋、伏見ミリオン座に加えて、池袋シネマ・ロサでの上映も決定。Netflix での全世界配信、および全国 4 館の映画館で上映されることとなりました。
月刊漫画誌『Eleganceイブ』(秋田書店刊)で2013年から2018年にわたって第 一部が連載された傑作漫画『ちひろさん』を原作とした本作。元風俗嬢の主人公・ちひろが、とある海辺の町の小さなお弁当屋さんで働きながら、心に傷や悩みを抱えて上手く生きることができない人々と交流し、彼女の言葉や行動がそれぞれの生き方に影響を与えていく、心のままに生きることの大切さ、そして孤独と向き合うことの尊さを描き、心が浄化されるまさに現代に生きる私たちの処方箋となるような人間ドラマが誕生しました。
『ちひろさん』予告
原作漫画『ちひろさん』は、元風俗嬢のお弁当屋さん・ちひろの常識にとらわれない言動が女性を中心とした読者に強く支持され、著名人にもファンは多く、人気作家・島本理生(『ナラタージュ』等)が TBS「王様のブランチ」の中で“元気が出るおススメの本”として 『ちひろさん』を紹介するなど、「完璧になんて、なろうとしなくていい」と優しく訴えかける、各方面から熱狂的な支持を得続けている人気漫画です。そんな老若男女誰をも魅了する 主人公「ちひろ」を演じるのは、大ヒットした『花束みたいな恋をした』や『月の満ち欠け』など話題の映画に出演、2023 年 NHK大河ドラマ「どうする家康」にも出演、Netflix 作品には今回が初出演となる有村架純。「元・風俗嬢」という、これまでのイメージを覆す役柄を演じます。監督は、『愛がなんだ』や、スマッシュヒットを飛ばした『街の上で』、『窓辺にて』など、今若者を中心に熱狂的な支持を集める今泉力哉。原作漫画を読んで、「ああ、この寂しさを知っている。なんだろう、この懐かしい気持ちは」と感じたという恋愛映画の名手が、“恋愛を必要としない主人公”を描きます。
この度、劇場公開・配信に先駆け、2 月5 日(日)に、主演の有村架純、共演の豊嶋花、嶋田鉄太、van、そして、本作の監督・今泉力哉を迎え、完成披露舞台挨拶を実施いたしました。
下記レポートとなります。
■日時:2月5日(日) 18:30〜19:00 30 分(本編上映前・観客有り)
■会場:スペース FS 汐留
■登壇者(敬称略) :有村架純、豊嶋花、嶋田鉄太、van、今泉力哉(監督)
ステージに登壇した有村は「わたし自身も、ちひろさんという役に出会えて良かったなと思いますし、皆さんにとっても、ちひろさんという存在が背中を押してくれたり、何かを肯定してくれるような、そんな存在になったらと思っています」とあいさつ。
また、本作を製作することになった経緯について質問された今泉監督は「プロデューサーからお話をいただいて漫画を読んだんですけど、本当にこの漫画を作った原作者の方に会いたいと思ったくらいに、温かさだけでなく、さみしさも感じて。本当に寄り添うようにというか、応援するというよりも、ちひろさんが伴走してくれるような感じとか、出会っただけで視野が広がるような部分などにも惹かれましたし、それとさみしさということがマイナスではないようにも見えたりして。それでぜひやらせていただきたいと思いました」とコメント。さらに「Netflixで作るのは初めてでしたが、劇場公開とNetflixの両方でやれるというのもうれしいことだなと思いました」と付け加えた。
一方の有村は「お話をいただいた時に、まず原作を読ませていただいて。この世界観が大好きになりました。その時は自分が演じることも忘れて没頭してしまいましたし、ちひろさんという女性の沼にはまっていく感覚があったんですが、それを自分が演じるとなるとすごくハードルが高いなと思いました」とコメント。さらに「でも今泉さんや製作の方たちが、どうしてこの作品を届けたいと思ったのかというところにわたしも共鳴しましたし、孤独をテーマとした作品で、今のこの年齢で、社会に対して生きづらいと思っている人や、同じ女性として生きづらいと思っている方たちにぜひ届けたい作品だなと。それをわたしも感じましたし、もしその役目を担えるならすごく光栄だなと思ってお話を受けました」とオファーを受けた経緯について語りつつも、「ただだいぶ自分とかけ離れているキャラクターなので、そのギャップをどう埋められるのかは、大きな課題でした」とコメントするなど、その意義を感じると同時に、難しさも感じたという。
豊嶋が演じるのは、厳格な家族に息苦しさを覚え、学校の友達とも隔たりを感じる女子高生・オカジ。有村も「絵から出てきたようなオカジで。花ちゃんというのを忘れるくらいに(嶋田演じる)マコトとの掛け合いも自然でしたし、本番じゃないところでも、オカジとマコトのまま仲よさそうにしている様子をわたしはとてもほほ笑ましく見てました。でも(豊嶋は)小さい頃からお芝居をされているので、肝も据わっていますし、とにかく礼儀正しく、しっかりしてるという印象がありました」と述懐。
それを聞いた豊嶋は「今の言葉がうれしすぎて。大興奮しています」と感激の表情を見せると、「わたしから見ても、有村さんがちひろさんにしか見えなくて。女優さんとしても、もともとあこがれだったんですけど、女性としてもあこがれになりましたね」としみじみ付け加えた。
一方、シングルマザーの元で、母親の愛情に飢える小学生・マコトを演じた嶋田は、撮影を振り返って「楽しかったです!」と笑顔で振り返る。「有村さんと花ちゃんは、撮影の時も、終わった後も、(ちひろさんとオカジ)そのままでした!」と語る嶋田の姿に思わず笑顔が漏れてしまった有村が「それは喜んでいいのかな?」と問いかけると、嶋田は「いいと思います!」とお墨付き。有村も「ありがとね」と笑いながら返すひと幕もあった。
また、ちひろの友人でショーパブで働くバジルを演じたvanについては、「凛(りん)としていて。現場にいてカッコ良かったです」と語る有村。一方のvanは「正直、緊張していましたけど、待ち時間に(有村が)気さくに話しかけてくださったので。仲むつまじい感じになりましたし、ちひろさんとバジルのいい距離感が生まれたなと思っています。有村さんがすごくサポートしてくださったので、初めての演技を有村さんとご一緒できてすごくうれしかったです」と付け加えた。
また、本作がNetflixと映画館の同時公開となったことに、今泉監督が「映画館の利点は、暗闇で不特定多数の方と共有できるというところだと思っていて。今までの作品はそういう利点で作っていたんですが、Netflixで作らせていただいたことで、予算、準備、仕上げなどに余裕があり、しっかり作ることができました。それと同時に、世界中の人や、映画館がない地域の方に観てもらえるということは、配信によってもたらされた利点。本当にそれぞれの良さがあると思っています」と語ると、有村は「正直、映画館で公開することとネット配信とで、どう違うかと言われると、わたしはそれほど意識はしてないんですが、ただ映画館に勤められている方にとってはとても勇気のいることだと思うんですよね。(映画館の方は)できれば映画館に足を運んでいただきたいと思われると思うんですが、寛大にもNetflixでも配信しましょうと言っていただき、より多くの方に観てもらえるために協力してくれる。これはこの先に作品を作るにあたって希望になるのかなと。その垣根を越えられたことはうれしいなと思います」と続けた。
さらに今泉監督が「これはこの場で情報解禁になるんですが、映画館に足を運んでくださった方限定で、本編が終わった後におまけ映像を上映します。これは逆にNetflixさんの寛大さがあってのことなんですが、映画館のみで観られるものなので。映画館でも、Netflixでも楽しんでいただけたら」と情報を付け加えた。
なお、来たる2月13日は有村の30歳の誕生日となり、この日はひと足先に、サプライズで有村を祝福することに。嶋田から花束を受け取った有村は、「早く30代を迎えたいという気持ちがあったので。ようやくという気持ちと、あとは振り返ってみると、この10年はあっという間だったなと。ものすごいスピードでいろんな景色を見ることができたなと思いますし、ありがたい10年間でした」としみじみとコメント。さらに来たる30代を迎えるにあたり、「より質の良い作品をとどけるために、皆さんとディスカッションしながら作品を届けられたらいいなと思っています」と決意を語った。
<ストーリー>
きっと彼女に、会いたくなるー。
ちひろは、海辺の小さな街にあるお弁当屋さんで働く元・風俗嬢。
ちょっと口が悪くて、マイペース。そして自由。そんな彼女は街では浮いている。へんな”おとな”だ。
でもなんでだろう、彼女に会いたい。
ひとり母の帰りを待つ小学生、本音が言えない女子高生、そして無口なホームレスのおじさん・・・・ちひろの優しくない言葉と素っ気ない態度が、さびしくて不思議とあったかい。
この不思議を体験しに、さあ、ちひろさんに会いに行こう。
有村架純
豊嶋花 嶋田鉄太 van
若葉⻯也 佐久間由衣 ⻑澤樹 市川実和子
鈴木慶一 根岸季衣 平田満
リリー・フランキー 風吹ジュン
原作:安田弘之『ちひろさん』(秋田書店「秋田レディース・コミックス・デラックス」刊)
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織 今泉力哉 音楽:岸田繁
主題歌:くるり「愛の太陽」(VICTOR ENTERTAINMENT / SPEEDSTAR RECORDS)
製作:Netflix、アスミック・エース
制作プロダクション:アスミック・エース、デジタル・フロンティア
配給:アスミック・エース
©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014
PG-12