12/4(日)〜12/11(日)東京都写真美術館ホールにて、村田信男監督『甘い夏』公開を記念し、【青春映画祭】と題して特集上映の開催が決定致しました。
本当に大切にしたいこともまだ分からないままに、毎日を懸命に呼吸しているうちに、永遠と呼びた くなる瞬間が指の間からこぼれ落ちていく、そんな名前をつけられないほどの<青春>という時間の 断片。『甘い夏』は、ふたりの女性の間で舞い上がる男の姿をユーモラスに描いた『恋する男』(2019) の村田信男監督が、倉中るな、出口亜梨沙、大崎翔洋、髙谷広幸といった若手キャストをむかえ、現代を生きる若者たちのあるひと夏のポートレートを軽やかに描き出した群像劇です。
本作の公開を記念し今回ラインナップされた作品は、甘くもほろ苦い、青春の煌めきを楽しんで頂ける名作ばかり。 巨匠フェデリコ・フェリーニ監督が国際的に認められた最初の傑作『青春群像』(1953)、恋愛悲喜劇の巨匠エリック・ロメール監督による<六つの教訓話シリーズ>の一篇『コレクションする女』(1967) と<四季の物語>シリーズの一篇『夏物語』(1996)、ジャン=リュック・ゴダール監督のデビュー作 にして傑作『勝手にしやがれ』(1959)を大胆にリメイクした『ブレスレス』(1983)、ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワート、ライアン・レイノルズという人気俳優たちが集った『アドベンチャーランドへようこそ』(2009)を上映致します。ますます本格的な冬が近づく時期の開催にはなりますが、太陽の輝きと共に、きっと誰もが懐かしくなる永遠の若さが封じ込められた季節を、映画で楽しんで頂けたら幸いです。
『甘い夏』公開記念【青春映画祭】
『甘い夏』(2022)
監督・脚本:村田信男
出演:倉中るな、出口亜梨沙、大崎翔洋、髙谷広幸
日本/2022年/カラー/78分
©2022ネスト、マーメイドフィルム
カメラマンを目指す青年の、忘れられない夏が始まる──。主人公、淳はアルバイト先に やってきた女優志望の女の子、真結香に一目惚れしてしまう。どこか浮世離れした年上の 青年、明宏や自由奔放な女性、りえとも出会い、よく一緒に遊ぶようになった 4人は互いの恋や定まらない夢について語り合い、交流を深めてゆく。現代の、都会の片隅で交錯する若者たちの思惑、重なり合う孤独。彼ら の恋の行方と、それぞれが選ぶ道とは?若手キャストを迎え、等身大の青春のひとときを切り取ったポートレート。
『青春群像』(1953)
監督:フェデリコ・フェリーニ
イタリア / 1953年/ モノクロ / 108分
©1953RTI
巨匠フェデリコ・フェリーニが、憧れを持って眺めていたという上の世代の青年たちか ら着想を得た群像劇。第14 回ヴェネツィア国際映画祭でサン・マルコ銀獅子賞を受賞、第30 回アカデミー賞脚本賞にノミネート。
『コレクションする女』(1967)
監督・脚本:エリック・ロメール
フランス / 1967年/カラー /87分
南仏の色鮮やかな風景のもと、コレクションするように男を引っかける自由奔放な少女に振り 回される男たちの姿がおかしみを誘う夏映画。恋愛悲喜劇の巨匠、エリック・ロメール監督< 六つの教訓話>シリーズのなかの一篇。
『ブレスレス』(1983)
監督:ジム・マクブライド
アメリカ/ 1983年/カラー / 100 分
©1983Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
ジャン=リュック・ゴダール監督のデビュー作にして傑作『勝手にしやがれ』(1960)を大胆にリメイク!まさに<息もつけない>逃避行ムービーとして生まれ変わった。主演は 『愛と青春の旅だち』(1982)で大ブレイクしたばかりのリチャード・ギア。
『夏物語』(1996)
監督・脚本 : エリック・ロメール
エリック・ロメール監督による<四季の物語>シリーズで唯一男性が主人公であり、気になる女の子たちの間で不器用に揺れる青年の姿をユーモラスかつ愛おしく見つめた名作。
『アドベンチャーランドへようこそ』(2009)
監督・脚本:グレッグ・モットーラ
アメリカ / 2009 年 / カラー / 106 分
Images Courtesy of Park Circus/Paramount
名作コメディ『宇宙人ポール』(2011)の監督、グレッグ・モットーラが大人まであと一 歩の青年が理想と現実の間で、恋や将来に悩む姿をノスタルジックな魅力とともにコミ カルに描く。