2018 年に公開された木村文洋監督『息衝く(いきづく)』が東京・ポレ ポレ東中野にて 2022 年 9 月 3 日(土)より、大阪・シアターセブンにて 9 月 10 日(土)より緊急上映することが決 定いたしました。ポレポレ東中野での上映後には、<「宗教・政治・家族」を巡って>と題したトークイベントも連日開催いたします。

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政権与党でもある大宗教団体の信者を親にもつ2世信者たち 自身の信仰と政治活動の狭間で、葛藤し苦悩する人々の群像を描くある政権与党の政治団体でもあり、大新興宗教団体でもある「種子の会」。本作は、その信者を親にもつ、二人の男と一人の女を巡る物語である。
宗教の掲げる理想、原発の再稼働に目を瞑る政党。
理想と現実の間に揺れ、自らの信念を問い続けながらも団体の中で生きる二人の男、則夫と大和。
一方、「種子の会」を離れ、母親となり、独りで子を育てる一人の女、慈。
彼らには絶対的に信頼を寄せる父親的存在がいた。
幼少期からの師でもあり、精神的支柱でもあるカリスマ、 森山周。
「ひとは独りで生きていける程は強くない。世界ぜんたいの幸福を願うときこそ、個であれ―」そう言ったかつてのカリスマは、日本という国を捨てて失踪した。
彼が思い描いた未来は果たしてどこにあったのか―この物語は、三人の2世信者たちが、自身の信仰する宗教の始祖のもとに再び会いにゆくことで、 自身の背けていた何かを取り戻そうとする。

本作の監督は、核燃料再処理工場がある青森県六ヶ所村を舞台に、そこに生きる家族の決断を描いた『へばの』('08)。「地下鉄サリン事件」オウム真理教の幹部・平田信と、逃亡を助ける女性の、実在の話をベースに、そのありえたかもしれない束の間の愛のすがたを描いた『愛のゆくえ(仮)』('12)など常に社会と個のあり方と関わりに、鋭く問題を投げかけてきた木村文洋監督による長編第3作である。2018年に公開され、 話題を投げかけた本作が、2022年9月、宗教団体の反社会活動、政治と宗教の関わりが取り沙汰される昨今、 緊急上映される。
上映後には<「宗教・政治・家族」を巡って>と題して、各界の識者を呼んでのトークイベ ントも開催。信仰とは?政治とは?家族とは?と言う困難な問いについてゲストと木村監督と共に考える。

緊急上映に辺り
木村文洋監督のステイトメント、社会学者の宮台真司氏よりコメント到着!

映画『息衝く』を2010年頃から数多くのキャスト・スタッフ、協力者とともに製作し、2017年より上映してきました。本作は二世信者を主人公にした映画であり、私の10代の人生経験、親族、友人のことが根本にありました。スタッフとの共作で一個人の体験や問いを超え、様々な方の生きる課題を見つめる映画になったかと思います。いま改めて、この国の長年の信仰と社会との関係が問われています。ひとはなぜ迷いながらも自分以外のもの—家族、社会、信仰を必要とするのか。そしてひとは自分が生きている間の時間にどうにかできる分からない問題に直面したとき、なにを選んでその問題と関わりを持ち直していけるのか。いま改めて、この問いに見つめ返されている思いでいます。本作の再上映で、そうした問いを私たちの日常から考えていける機会にできれば幸いです。
―木村文洋(『息衝く』監督)

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政教分離の意味は二つある。
第一:政治が特定宗教を贔屓しないこと。
第二:宗教が「信者なら××せよ」と政治動員しないこと。
後者が難しい。価値観に基づく政治参加は大切で、その価値観は宗教に由来してよい。だが「信者なら×× せよ」は範囲を超えるのだ。どう超えるのかを一言で述べづらい。『息衝く』はその難しさに「社会」ならぬ 「実存」の側から切り込む。宗教二世なら覚えがあろうが、「信者なら××せよ」という命令に従うことと、 宗教的信念に従うことの、微妙かつ大きな違いは、実存の側から見て初めて判るのである。
―宮台真司(社会学者)

<トークイベント:「宗教・政治・家族」を巡って>

日程:9/3(土)~9(金) 連日17:30『息衝く』上映後トークイベント開始
場所:ポレポレ東中野 中野区東中野4丁目4−1 坐ビル地下

9/3(土)登壇:木村文洋監督
9/4(日)登壇:藤田直哉(SF・文芸評論家)、木村文洋監督
9/5(月)登壇:宮台真司(社会学者)、木村文洋監督
9/6(火)登壇:島田裕巳(宗教学者)、木村文洋監督
9/7(水)登壇:寺尾紗穂(シンガーソングライター、エッセイスト)、木村文洋監督
9/8(木)登壇:木村文洋監督
9/9(金)登壇:木村文洋監督
※登壇は予告なく変更となる可能性があります。

映画『息衝く』予告編

映画『息衝く』予告編/2022年9月3日よりポレポレ東中野にて緊急上映決定!

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【ストーリー】
3.11、数年後の夏を迎える、東京。参議院選挙が始まろうとしていた。この国にとって幾度目か、そして則夫、 大和にとって―果たして幾度目の「忙しい夏」なのか。彼らはカリスマ・森山の失踪後、久しくして“種子の会”選挙に呼び戻 される。「原発廃炉が争点となるか」、その言葉を幹部との人質に交わしながら。活動に邁進する大和。一方、則夫は、幼少期に 核開発が始まった青森県・六ヶ所村に妹と父とを残してきた記憶に決着をつけられず、母・悦子との最後の時間を目前にして いた。そのさなか、かつて想いを抱いていた慈と再会する―。

出演:柳沢茂樹、長尾奈奈、古屋隆太/寺十吾
監督:木村文洋
脚本・プロデューサー:桑原広考 中植きさら 木村文洋/脚本:杉田俊介 兼沢晋/撮影:高橋和博/撮影・照明:俵謙太 /俗音:近藤崇生/助監督:遠藤晶/編集:上田茂/音楽:北村早樹子/録音・ミックス:葛西敏彦/宣伝美術:大橋祐介/製作:team JUDAS 2017
配給:ブライトホース・フィルム
2017 年/DCP/16:9/130 分
©teamJUDAS2017

2022年9月3日(土)
ポレポレ東中野、9月10日(土)より大阪・シアターセブンにて緊急公開!