2007年11月の初公開から毎年アンコール上映を繰り返す度にリピーターが続出。
今なお熱狂的なファンをもつ〝伝説のインディペンデント映画〟が、脳内を覚醒させる5.1chサラウンドリマスター版で、再びスクリーンに登場。

監督は『のんきな姉さん』、『あたなはわたしじゃない』(「音からつくる映画」プロジェクト)を始め、最新作の長編ドキュメンタリー映画『背 吉増剛造×空間現代』(今秋公開予定)も待機中、常に新しい映画の可能性に挑戦し続けている異才・七里圭。原作は孤高の漫画家・山本直樹の同名漫画「眠り姫」。その原典は、芥川龍之介の死や幻聴をモチーフにした内田百閒の短編小説「山高帽子」である。そして、話題作『ドライブ・マイ・カー』の西島秀俊が、野口先生役で声の出演。姿が見えないのに、その場所に濃厚な〝人の気配〟が漂い、やがて、人の〝心と感情〟だけがレントゲン写真のように浮かび上がってくる。
コロナ禍と紛争が続く2022年に、〝あなたが、今・なぜ・そこに存在しているのか〟を改めて問う、15周年記念特別上映!

また、『眠り姫』本編前に併映上映されるのが、七里監督の『DUBHOUSE:物質試行52』。
作品は、2010年国立近代美術館における建築家/鈴木了二のインスタレーション「物質試行51:DUBHOUSE」の記録映画。

建築が生み出す闇を捉えるという当初の意図は、翌年3月11日の出来事により決定的な変化を被る。七里は、展示作品を撮影した光の部分と同じ時間の闇を冒頭に置き、その中に、鈴木が描いた被災地のドローイングを沈ませた。35mmフィルムでしか表現できない極限の露光、そのあとに訪れる光の静寂。ヨーロッパの国際映画祭でも絶賛を博した本作は、極北のメタ映画であると同時に、歴史的出来事への応答でもある。映画館は、闇を内在した建築である。その闇から浮かび上がろうとする映画は、映画館に放たれる光であると同時に、祈りであるかもしれない。

『眠り姫/サラウンドリマスター版』予告(15周年記念特別上映!)

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『眠り姫 サラウンドリマスター版』

監督・脚本・撮影:七里圭 
原作:山本直樹 
音楽:侘美秀俊 
プロデューサー:棚沢努/平林勉 
撮影:高橋哲也 録音:小林徹哉 
音響効果:岡瀬晶彦 仕上げ:三本木久城 
整音:横田智明 整音(5.1ch MIX):高橋正敏

声の出演:つぐみ/西島秀俊/山本浩司/園部貴一/大友三郎/他

2007-2016年/日本/カラー/5.1ch/HD/80分

『DUBHOUSE:物質試行52』

監督:七里圭 
共同監督:鈴木了二 
撮影:七里圭/高橋哲也 
カラー:牧野貴 音楽:池田拓実

2012年/日本/カラー/35mm/16分

新宿K‘s cinemaにて4/9(土)より1週間限定上映!(連日ひる12時20分開映)