3月10日~20日に開催します大阪アジアン映画祭の開幕作、閉幕作について決定しました。

これまで大阪アジアン映画祭では、合作映画など映画制作・製作における国境を跨ぐ流れについて積極的に紹介してきましたが、そのことを象徴するような2作となりました。

オープニング作品は、中国・日本・韓国合作『柳川』(監督:チャン・リュル(張律))、クロージング作品は、デンマーク・ノルウェー・日本合作『MISS OSAKA(原題)』(監督:ダニエル・デンシック (Daniel DENCIK))と、くしくも外国人監督が日本を舞台に撮影した作品で開幕し、閉幕します。
そして、『柳川』には池松壮亮、中野良子、『MISS OSAKA(原題)』には森山未來、阿部純子、南果歩が重要な役で出演、いずれの作品も日本から実力派俳優が参加しています。

オープニング作品『柳川』
(監督:チャン・リュル(張律))中国・日本・韓国合作

ニー・ニー(倪妮)、池松壮亮ほか日中豪華スターが共演
九州・柳川を舞台にした 名匠チャン・リュル監督による 11 年ぶりの中国語映画

中年になり自分が不治の病であることを知ったドンは、長年疎遠になっていた兄・チュンを柳川への旅に誘う。柳川は北京語で「リウチュアン」と読み、2 人が青春時代に愛した女性「柳川(リウ・チュアン)」と同じだった。20 年ほど前、チュンの恋人だったチュアンは、ある日突然、姿を消してしまったが、今は柳川で暮らしているという。誰にも理由を告げずに消えた彼女の存在は、兄弟の中で解けない謎になっていた。2 人は、柳川でついにチュアンと再会する。

監督・脚本を手掛けたチャン・リュル(張律)監督は中国出身の朝鮮族で、これまで韓国映画を送り出 し、ヴェネチア、カンヌ、ベルリンなど世界の映画祭で高く評価されてきた。日本でも『キムチを売る女』『慶州 (キョンジュ) ヒョンとユニ』『春の夢』が劇場公開、OAFF では 2019 年に『群山:鵞鳥を咏う』を上映した。本作は『福岡』に続く、日本を舞台にした第 2 作であり、中国出身だが韓国を中心に活動してきたチャン・ リュル監督にとって、『豆満江』以来 11 年ぶりの中国語映画となる。

チュアンを演じるのは、チャン・イーモウ(張芸謀)監督の“金陵十三釵”(2011)でデビューを果たし、今や中華圏で絶大な人気を誇るニー・ニー(倪妮)。兄弟を演じるシン・バイチン(辛柏青)とチャン・ルーイー(張魯一)は『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』(妖猫伝)でも共演している実力派俳優。さらに日本からは『アジアの天使』(OAFF2021 クロージング作品)など国際共同制作作品にも積極的に参加している池松壮亮と、『君よ憤怒の河を渉れ』などで中国での圧倒的な知名度を誇る中野良子が出演。チャン・リュル監督にとって初めて中国スターを主演に迎えた作品であり、初めて日本人人気スターを起用した作品でもある。
本作は 2021 年の平遥国際映画祭(開幕作品)と釜山国際映画祭で同日ワールドプレミア上映された。

http://www.oaff.jp/2022/ja/program/op.html

クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』
(監督:ダニエル・デンシック (Daniel DENCIK))デンマーク・ノルウェー・日本合作

デンマークの新鋭がノルウェーと大阪を舞台に描くミステリー
日本からは、森山未來、阿部純子、南果歩が出演

(C)Haslund Dencik Entertainment

24 歳のイネスは自分に自信が持てず、「別の誰かになりたい」という願望をいつも抱いていた。恋人のノルウ ェー出張に同行したイネスは、大阪からやってきた謎めいた女性・マリアと出会う。そして、マリアの事故死をきっ かけに、自分自身を葬りマリアになりすますことを決意。新しい人生を求め、すべてを捨てて大阪へと旅立つイネ ス。ナイトクラブ“MISS OSAKA”の名刺を手にした彼女は、ネオンが輝くパラレルワールドの奥深くへと導かれて いく。イネスの、「別の誰かになりたい」という願望を追求する旅が始まる。

(C)Haslund Dencik Entertainment

監督を務めるのは、作家としても活躍するデンマークの若き俊英、ダニエル・デンシック。本作ではプロデュー スと脚本も手掛ける。2014 年、デンマークアカデミー賞の最優秀短編ドキュメンタリー賞を獲得。2015 年、西アフリカのガーナとブルキナファソで撮影した初の長編劇映画“Gold Coast”はカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 で上映された。長編2作目となる本作は、雄大なノルウェー北部と喧騒に包まれた街・大阪を舞台に、アイデ ンティティが溶け合う現代で、自分であること、人を愛することとは何かをテーマに据え、真実と虚偽が交差するスリリングなミステリー映画を作り上げた。

(C)Haslund Dencik Entertainment

イネスを演じるのは、2020 年にベルリン国際映画祭シューティング・スター賞を受賞したデンマークの新星、ビクトリア・カルメン・ソンネ(『ウィンター・ブラザーズ』『ビッチ・ホリデイ』)、恋人役のミケル・ボー・フォルスゴーは『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』でベルリン国際映画祭主演男優賞を獲得するなどデンマークのスター俳優である。そして日本から、ナイトクラブ“MISS OSAKA”の闇を彩るメンバーとして、森山未來(『オルジャスの白い馬』『アンダードッグ』)、阿部純子(『2つ目の窓』『リング・ワンダリング』)、南果歩(『伽倻子のために』『「オー・ルーシー! OH LUCY!」』)が出演。日本とデンマークの実力派俳優がここに集結した。
また、音楽を手掛けるのは、サキソフォン奏者、作曲家の清水靖晃(TV ドラマ「今ここにある危機とぼくの 好感度について」)。そしてデンマークのプロデューサー、マイケル・ハスランド=クリステンセン(Michael HASLUND-CHRISTENSEN)のもと、日本側のコプロデューサーとして山本晃久(『スパイの妻』『ドライ ブ・マイ・カー』)が参加している。
「大阪は私がずっと魅かれていた場所です。少年時代には、まったく別世界のような気がしていました。私はこの映画に子どものころから抱いてきたテーマを詰め込みました。それは、運、運命、偶然の産物、偽物と本物、 アイデンティティを変えるということ、つまり人生という冒険についてです」と監督はコメントを寄せている。

http://www.oaff.jp/2022/ja/program/cl.html

『柳川』は3月10日(木)梅田ブルク7にて日本初上映、『MISS OSAKA(原題)』は3月20日(日)ABCホールにて日本初上映します。
なお、『柳川』は、Foggy、イハフィルムズの共同配給により2022年秋公開、『MISS OSAKA(原題)』はカルチュア・パブリッシャーズの配給により、2022年内公開を予定しています。

■名称:第 17 回大阪アジアン映画祭(OSAKA ASIAN FILM FESTIVAL 2022)
■期間:2022 年 3 月 10 日(木)~20 日(日)
■会場:梅田ブルク 7、シネ・リーブル梅田、ABC ホール 他
■料金:1,300 円、青春 22 切符:22 歳までの方、当日券 500 円 全席指定席
■販売方法:梅田ブルク 7、シネ・リーブル梅田上映分は各劇場ウェブサイト及び劇場窓口にて販売。ABC ホール上映分は映画祭ウェブサイト、及び会場窓口にて販売。
※チケット発売開始日時等の詳細については、2 月中旬以降、映画祭ウェブサイトにてお知らせいたしま す。

■主催:大阪映像文化振興事業実行委員会(大阪市/一般社団法人大阪アジアン映画祭/大阪商工会議所/公 益財団法人大阪観光局/朝日放送テレビ株式会社/生活衛生同業組合大阪興行協会/株式会社メディアプラス)

■支援:芸術文化振興基金助成事業
■協賛:台湾文化部/神戸女学院大学文学部英文学科/公益財団法人芳泉文化財団

第 17 回大阪アジアン映画祭 3 月 10 日(木)~20 日(日)開催