映画だけでなく美術のフィールドでも世界的に活躍し、最新作『MEMORIA メモリア』が日本でも公開されるタイのアピチャッポン・ウィーラセタクンの代表作4本を上映する特集上映が 4 月 9 日よりシアター・イメージフォーラム(渋谷)で開催されます。『ブンミおじさんの森』の初のデジタル化上映のほか、研究家によるレクチャーも行われ、ファンにはたまらない企画上映となります。

2021 カンヌ映画祭審査員賞の新作『MEMORIA メモリア』がまもなく公開されるアピチャッポン・ウィーラセタクン。
初デジタル化上映となるカンヌ最高賞パルムドールの不朽の名作『ブンミおじさんの森』のほか、 タイ時代の代表作 4 本を 2 週間限定上映!

2010 年、『ブンミおじさんの森』でカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞したタイの天才、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督。美術作家としても世界的に活躍し、 2016 年には個展「亡霊たち」開催、2017 年の「フィーバー・ルーム」上演など、日本でも多くのファンを集めている。今年は、南米コロンビアで撮影し、昨年のカンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いた新作『MEMORIA メモリア』が 3 月 4 日より公開される。 そんなアピチャッポンのこれまでの代表作4本が、4 月 9 日(土)~4 月 22 日(金)シアター・イメージフォーラムにて2週間限定上映(全国順次上映予定)。
本特集で上映されるのは、故郷タイ時代の代表作4作品。美しく斬新なイマジネーションで世界に驚きを与え、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した不朽の名作『ブンミおじさんの森』(2010)は、本特集のために新たに権利を購入し、初デジタル化しての上映となる。
本特集上映のポスターにも『ブンミおじさんの森』の通称「赤く目が光る猿」が登場しているのが嬉しい。 そのほかの上映作品には、アピチャッポン監督の現在につながる創造性が存分に発揮されているデビュー作『真昼の不思議な物体』(2000)や、ユニークな構成が魅惑的でファンの間でも特に人気の高い『世紀の光』(2006)、 「記憶」というテーマが最新作にも重なる傑作『光りの墓』(2015)というラインナップで、『世紀の光』はまもなく日本での上映権が切れるため貴重な上映となる。故郷タイ東北部の森に覚醒された音と映像が映画を拡張させていく、アピチャッポン監督の才能をあらためて全身で感じてほしい。

また、開催前には4 月 3 日(日)19:00 から、日本唯一のアピチャッポン研究家、中村紀彦氏によるオンラインレクチャーが決定。LIVE配信後にはアーカイブ配信も予定している。
タイ時代の代表作 4 本を上映する『アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2022』、何度見ても発見が生まれ変わり続けるアピチャッポン監督の傑作群を、ぜひ劇場で!

『ブンミおじさんの森』
★本特集のために、新たに権利を購入し初のデジタル化
2010|イギリス、タイ、ドイツ、フランス、スペイン|カラー|DCP|114 分
カンヌ国際映画祭パルムドール|カイエ・デュ・シネマベスト1ほか

©Kick the Machine Films

腎臓の病に冒され、死を間近にしたブンミは、妻の妹ジェンをタイ東北部の自分の農園に呼び寄せる。そこに 19 年前に亡くなった妻が現れ、数年前に行方不明になった息子も姿を変えて現れる。やがて、ブンミは愛するものたちとともに森に入っていく...。美しく斬新なイマジネーションで世界に驚きを与え、カンヌ国際映画祭 パルムドールを受賞したアピチャッポン不朽の名作。

『真昼の不思議な物体』
2000|タイ|モノクロ|35mm|83 分
山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション 最優秀&NETPAC
特別賞受賞|全州国際映画祭グランプリ受賞

©Kick the Machine Films

まさに世界を驚かせた記念すべきデビュー作。タイ北部の村で行商人の女性が、 撮影クルーに促され、一つの架空の物語を語り始める。その続きを象使いの少
年たち、伝統演劇の劇団員たちなど、様々な人々がリレー形式で即興的に語り
継ぎ、物語は二転、三転しながら思わぬ方向に進んでいく...。驚くほどの自由
なイマジネーションと同時に緻密に考えられた構成。この作家の現在につなが る類まれな創造性が全編を通して発揮されている重要作。

『世紀の光』
★今年 6 月で日本での上映権切れ
2006 年|タイ、フランス、オーストリア|カラー|DCP|105分
ヴェネチア国際映画祭公式出品|ドーヴィル・アジア映画祭グランプリほか

© 2006 Kick the Machine Films

アピチャッポンのアート作品に多くみられる 2 パート構成の作品。前半は地方の緑豊かな病院、後半は近代的な白い病院が舞台。登場人物の多くも重なり、医 師の恋の芽生えなどのエピソードは2つのパートで反復される。ファンの間で も特に人気が高く、自身がフィルモグラフィーの中で「もっとも幸福な映画」と振り返る必見作。

『光りの墓』
2015年|タイ、イギリス、フランス、ドイツ、マレーシア|カラー|122 分|DCP
カンヌ国際映画祭ある視点部門公式出品|アジア太平洋映画賞最優秀作品賞ほか

© Kick The Machine Films / Illuminations Films (Past Lives) / Anna Sanders Films / Geißendörfer Film-und Fernsehproduktion /Match Factory Productions / Astro Shaw (2015)

タイで撮影された最後の⻑編映画。タイ東北部の町。かつて学校だった病院。
原因不明の“眠り病”にかかった兵士たち。ある日、病院を訪れたジェンは前世 や過去の記憶を見る力を持った若い女性ケンと知り合い、眠り続ける兵士イッ
トの面倒を見始める...。最新作『MEMORIA メモリア』にも共通する「記憶」 というテーマを、アピチャッポン的というしかない手法で描き、プレミアとな
ったカンヌ映画祭ではアピチャッポンの新たなステージと絶賛された。怒りや
悲しみを色濃くしながらも、ユーモアと優しさが胸を打つ感動作。

日程:4/9(土)~4/22(金)
会場:シアター・イメージフォーラム (〒150-0002 渋谷区渋谷 2−10−2)
上映作品:『ブンミおじさんの森』(★初のデジタル化)、『真昼の不思議な物体』、『世紀の光』、『光りの墓』

*上映スケジュールはこちら→ https://note.com/moviola/n/n62343791ba90
*公式サイト→ http://www.moviola.jp/api/
当日料金:1,500円均一 リピーター割引:1,100円

アピチャッポン研究家・中村紀彦さんによる無料オンラインレクチャーを開催!

日時:4/3(日)19:00〜21:00
ZOOM での LIVE 配信+後日アーカイブ配信を予定

参加費:無料
*参加申込の詳細は後日公式サイトや SNS にて発表します。

Twitter:https://twitter.com/api_film?s=20
Facebook:https://www.facebook.com/apichatpong.film/
note:https://note.com/moviola/m/m2671bace7745

4/9(土)〜4/22(金)シアター・イメージフォーラムにて、ほか全国順次上映