2022年2月4日(金)より2月20日(日)まで開催となる15日間の映像とアートの国際フェスティヴァル恵比寿映像祭。
第14回となる恵比寿映像祭では、「スペクタクル後」をテーマに19~20世紀にかけての博覧会や映画の歴史から現代にいたるイメージおよび映像表現について考察します。
展示作品を中心に11月に発表した第1弾リリースにつづき、第2弾作家・プログラム情報として、「展示」「上映」「オフサイト展示」「各種イヴェント・YEBIZO MEETS(教育普及プログラム・地域連携プログラム)」を追加発表されました。
注目の追加作品や追加作家としては、空音央 & ラウラ・リヴェラー二《アイヌ・ネノアン・アイヌ》、佐々木友輔 《映画愛の現在》3部作、『エル プラネタ』監督のアマリア・ウルマンの過去レクチャーパフォーマンス映像集、石原海の最新作と過去短編作、C.W.ウィンター&アンダース・エドストローム《仕事と日(塩谷の谷間で)》などが確定しました。
「スペクタクル後 AFTER THE SPECTACLE」のコンセプト
いかなる情報も一大スペクタクルに見える時代のなかで、イメージや視覚表現を「みる/みられる」「とる/とられる」という視点から考えていきます。
「スペクタクル後 AFTER THE SPECTACLE」をテーマに、歴史/現代性/体験という構成で、複数の展示や上映、イヴェント、さらに未知の作品との出会いを拡げる教育普及プログラムが加わり、恵比寿映像祭ならではの映像体験の可能性を探っていきます。
ゲスト・キュレーターの小原真史による博覧会関連資料と東京都写真美術館に収蔵されている貴重なコレクションを組み合わせた展示から、映像作家・遠藤麻衣子によるオンライン映画プロジェクトまで、映像史・視覚史・技術史の原初を詳らかにすることを出発点に、現代の映像表現を多様な作品によって提示していきます。
歴史―博覧会・映画の登場とスペクタクル
インディペンデント・キュレーターの小原真史をゲスト・キュレーターに迎え、小原が所蔵する約2,000点の博覧会関連資料の一部と東京都写真美術館のコレクションを組み合わせて展示します。総合テーマである「スペクタクル後」を考える上で重要となる19世紀後半から20世紀を出発点に、歴史を深く掘り下げることで、あらためてイメージを取り巻く変容を考察し、現代の作家へとつなげていきます。
現代性―映像の「スペクタクル後」の可能性
国内・海外の現代作家による作品の展示、上映、イヴェントによって、最前線の映像表現の可能性を提示します。
新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックを経て、映像の受容もオフラインからオンラインへと重心が大きく変化をしてきました。「スペクタクル後」といえる今日の状況をふまえ、気鋭の映像作家の遠藤麻衣子は新作オンライン映画を発表します。
※本プロジェクトは恵比寿映像祭では初となるオンラインでの新作委嘱となります。
映像の「スペクタクル後」を体験する
―ライヴパフォーマンスやYEBIZOMEETS:教育普及プログラム
スペクタクルという言葉は、「風景」や「光景」という意味のほかに、「見世物」や「ショー」という意味でも使われます。会期中、さまざまなアーティストによるトークライヴやパフォーマンスを通して「スペクタクル後」を紐解いていきます。また、多様な人々が楽しめるワークショップをはじめとする教育普及プログラムの充実をはかり、未知の作品との出会い、鑑賞者の発見を促す機会を提供します。フィジカル/オンラインを組み合わせたハイブリッドな形態での開催を予定しています。
「スペクタクル後 AFTER THE SPECTACLE」の見どころ
歴史的考察から国内・海外の現代作家による最前線の表現までを提示する―展示プログラム
世界中で大小様々な博覧会が開催され、多くの来場者が「スペクタクル」な祝祭空間に酔いしれた19世紀半ばから20世紀前半。グローバリズムや消費資本主義、コロニアリズムやレイシズムなど現代社会の特徴的な事象もこの時代に強化されたと語る、ゲスト・キュレーターの小原真史による企画展示「スペクタクルの博覧会」は、博覧会の時代を省みることで、現代の我々がもつ欲望の根源を捉え直します。
また、初監督長編映画《エル プラネタ》が日本での公開を控え、注目されるアーティスト、アマリア・ウルマンは、SNSをはじめ様々なメディアを駆使し、ジェンダーや格差などの社会問題に鋭く切り込む作品により、「スペクタクル後」の社会を強く意識させます。過去と現在をつなぐ作品群をどうぞお楽しみください。
恵比寿映像祭ならではの上映プログラムをスクリーンで
個人映画作家の佐々木友輔による東京初公開の長編三部作《映画愛の現在》は、佐々木が移り住んだ鳥取を舞台に、地域の人々の映画愛に根差す映画文化の現在形を探るドキュメンタリー作品です。
そのほか、自身の体験をベースに、愛やジェンダー、狂気などのテーマに取り組み、国内外で高い評価を得る映画監督/アーティストの石原海の新作を含めた過去短編作の上映など、日本・海外の複数のプログラマーにより、「スペクタクル後」をテーマに選び抜かれた恵比寿映像祭独自のラインアップは必見です。
気鋭の映像作家、遠藤麻衣子の新作―オンライン映画
会期中随時配信するオンライン映画プロジェクトを実施。ヒトの「心」の在処に着目し、作家自らが「自然(じねん)」に選択した被写体を撮影、編集することで「心」とはなにかを探求します。
一年越しの実現―WOWによるオフサイト展示
明滅する光で人々の関心をひきつけ声高に情報を訴える映像が巷にあふれるなか、公共空間における映像のあり方を模索するクリエイティブ集団WOWによるプロジェクト《モーション・モダリティ / レイヤー》。2021年に展示予定だった本プロジェクトが一年越しに実現します。刻々と移り変わる夕暮れの雰囲気や雲の状態など、自然現象に似た様相を創り出します。
映像文化の楽しさに出会い、理解を深める―各種イヴェント&YEBIZO MEETS
瀬戸内海の豊島を拠点に活動する、夫婦パフォーマンスユニットusaginingenによる自作の装置と楽器を使った独自のライヴ体験は、デジタルとアナログを組み合わせて生まれる映像と音が会場を包み込む、幻想的な世界観によって子供から大人まで楽しめるプログラムです。
また「YEBIZO MEETS」では、ユニークな教育普及プログラムを多数実施。占星術研究家の鏡リュウジによる「恵比寿映像祭を星占いでガイダンス」など注目プログラムが目白押し。ただ見るだけでは感知できない映像のスペクタクル性、そして「スペクタクル後」を体験によって紐解きます。「地域連携プログラム」においては、地域で活躍するアートの担い手たちと行なうフェスティヴァルテーマ通底の連携企画や地域を散歩しながら巡るシールラリーなどを通じて、フェスティヴァルを楽しむきっかけをつくります。
地域連携プログラム詳細は公式ページから
第14回恵比寿映像祭
「スペクタクル後 AFTER THE SPECTACLE」
有料プログラム
会場・チケット情報
・展示(東京都写真美術館 3F展示室のみ)
料金:500円 (日時指定予約を推奨します)
*未就学児、学生(小・中・高校生含む)、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名様まで)は無料(日時指定予約対象外)
・上映(東京都写真美術館 1Fホール)
料金:500円(前売)/1,000円(当日)
・スペシャル上映:C.W.ウィンター&アンダース・エドストローム《仕事と日(塩谷の谷間で)》
(東京写真美術館 1Fホール)
料金:1,500円(前売)/1,800円(当日)
・ライヴ・イヴェント:usaginingen 映像と音楽のライヴ・パフォーマンス(東京都写真美術館 1Fホール)
料金:1,500円(前売)/1,800円(当日)
--*上映、スペシャル上映、ライヴ・イヴェント(usaginingen)をご鑑賞の際は、オンラインによる日時指定前売券の購入を推奨いたします。--
・オンライン映画 遠藤麻衣子
料金:1,500円(会期中通し券)
その他詳細は下記公式ページから