%%著名な映画監督の“原点と現在”を探るシリーズ企画が代官山のシアターギルドでスタートします。第一弾は、林海象監督の衝撃のデビュー作『夢みるように眠りたい』と最新作『BOLT』となり、11月27日(土)から30日(火)まで上映されます。
『私立探偵濱マイク』シリーズはじめ『アジアンビート』『ZIPANG』『彌勒 MIROKU』などの作品を映画を世に放ってきた監督の原点は、1986年に発表された長編デビュー作『夢みるように眠りたい』。 衝撃のデビューとなった今作は、当時、映画制作現場の経験のない監督が、映画を撮るのが難しかった時代に、モノクロ、サイレントの手法を用いて制作され、その後、多くの若手監督に影響を与えました。
今作は、公開時にヴェネチア国際映画祭 批評家週間正式招待のほか、ブルーデンツ国際映画祭 実験映画部門グランプリ(1986)、フィゲイラ・ダ・フォズ国際映画祭グランプリ(1987)など、世界の映画祭でも絶賛され、2020年には、英国映画協会(BFI)によって"The best Japanese film of every year–from 1925 to now"で、1986年制作の日本映画の代表作にも選出されています。
主演は、その後の林監督映画に度々出演する佐野史郎の映画初出演作です。
また、美術は木村威夫、音楽にはあがた森魚などが名を連ねています。
また、最新作となる『BOLT』は、『BOLT』『LIFE』『GOOD YEAR』の3つのエピソードで構成された作品で、 主演は、林海象と何度もタッグを組んできた盟友、永瀬正敏。そのほか、佐野史郎、金山一彦、後藤ひろひと、大西信満、堀内正美、月船さららが脇を固めるほか、佐藤浩市が声の出演を果たしました。 現代美術家、ヤノベケンジが香川・高松市美術館に創り上げた巨大セットや防護服などの近未来的なデザインも圧巻。
第22回上海国際映画祭パノラマ部門にて正式招待作品、京都国際映画祭2019に特別招待をされた作品となります。
『夢みるように眠りたい』
(あらすじ)
大正7年。初めての女優主演映画といわれる帰山教正監督「生の輝き」の以前に、実は月島桜が主演した「永遠の謎」 という映画があった。しかし、この「永遠の謎」は、警視庁の映画検閲によって妨害され、ラストシーンが遂に撮影され ないまま、その名を映画史から消されてしまった......。 昭和のはじめ、東京。私立探偵・魚塚甚(佐野史郎)の元に、 月島桜と名のる老婆(深水藤子)から、誘拐された娘・桔梗(佳村萠)を探して欲しいとの依頼がくる。調査を続けるう ちに、魚塚は、この事件全体がまるでドラマのように出来すぎていることに気がついていく......。
脚本・監督:林海象
撮影:長田勇市
製作:一瀬隆重
美術:木村威夫
音楽:熊谷陽子/浦山秀彦 /佳村萠 /あがた森魚
照明:長田達也
出演者:
佳村萌/佐野史郎/大竹浩二/大泉滉/あがた森魚/小篠一成/中本龍夫/中本恒夫/
十貫寺梅軒/遠藤賢司/草島競子/松田春翠/吉田義夫/深水藤子
受賞歴:
1986 ヴェネチア国際映画祭 批評家週間 正式招待 /
1987 フィゲイラ・ダ・フォズ国際映画祭 グランプリ /
1987 ベナルマデナ国際映画祭 グランプリ(ヘラクレス賞) /
1987 ブルーデンツ国際映画祭 実験映画部門 グランプリ /
1986 ニューヨーク映画祭 正式招待 /
1987 第 41 回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞
2020年デジタルリマスター(初版1986年)|日本|84分/モノクロ
製作:映像探偵社
宣伝・配給:ドリームキッド/ガチンコ・フィルム
『BOLT』
(あらすじ)
ある日日本のある場所で大地震が起きた。その振動で原子力発電所のボルトがゆるみ、圧力制御タンクの配管から 冷却水が漏れ始めた。その高放射能冷却水をとめるために、ボルトを締めにゆく男たちの物語。 『BOLT』は、林海象監督による短編映画3部作の内、2014年撮影の第2話『GOOD YEAR』、2015-2016年撮影の第3話 『LIFE』に続いて撮影される第1話。
監督・脚本:林海象
出演者:
永瀬正敏/佐野史郎/金山一彦/後藤ひろひと テイ龍進/月船さらら/吉村界人
佐々木詩音/大西信満/堀内正美
佐藤浩市(声)
美術:ヤノベケンジ
制作:東北芸術工科大学
製作・著作:レスパスビジョン/ドリームキッド/海象プロダクション
配給:GACHINKO Film
2019/80分