アメリカ映画界随一の職人監督、リチャード・フライシャーの実録犯罪映画3作品が、普段一般に入ることがない試写室にて特別上映されることが決定しました。

戦後すぐにキャリアをスタートさせたフライシャーは『海底二万哩』(54)『ミクロの決死圏』(66)といった話題作をはじめ文芸作からホラーまであらゆるジャンルを手がけ、その職人的気質もあってか作家性を多く語られぬまま 2006 年に 89 歳で逝去しました。しかし彼が遺した作品群はいずれも独特の個性に貫かれており、紛れもなく 20 世紀最高のフィルムメイカーのひとりとして今や世界的に再評価の機運が高まっています。今年 8 月には奴隷牧場を営む家族の栄光と没落を描いた『マンディンゴ』(75)がリバイバル公開され話題を呼びましたが、フライシャーが最も得意としたのが、実際に起こった事件を題材としたいわゆる実録犯罪もの。この度、その中から『絞殺魔』『10 番街の殺人』『夢去りぬ』の 3 大傑作が【土橋名画座】と称し、12 月 1 日 (水)よりTCC試写室にて上映されることが決定しました。

上映作品

『絞殺魔』The Boston Strangler

1968 年/アメリカ映画/116 分/カラー
出演:トニー・カーティス、ヘンリー・フォンダ、ジョージ・ケネディ

女性だけを狙った連続絞殺事件。検事のボトムリーが捜査の指揮をとるが、事件は迷宮入りに。そんなときある男が逮捕される・・・。1962 年から 64 年にかけて全米を震撼させた “ボストン絞殺魔事件”を描いたドキュメンタリー・タッチの作品。マルチ画面や鏡を効果的に使った取り調べシーンはその後の映画人に多大な影響を与えた。

『10 番街の殺人』10 Rillington Place

1971 年/イギリス映画/111 分/カラー
出演:リチャード・アッテンボロー、ジョン・ハート、ジュディ・ギーソン
ロンドンの古いアパートに住むクリスティは温厚な元警察官だが、その正体は女性を殺害して凌辱する殺人鬼だった。新しく越してきた若い夫婦も彼の毒牙にかかり・・・。イギリス 最大の冤罪事件となった“エヴァンス事件”がモチーフ。『ガンジー』(82)などの監督アッテンボローが一度見たら忘れられない強烈なキャラクターを演じる。

『夢去りぬ』The Girl in the Red Velvet Swing

1955 年/アメリカ映画/109 分/カラー
出演 :レイ・ミランド、ジョーン・コリンズ、ファーリー・グレンジャー

著名な建築家スタンフォードと恋に落ちた踊り子イヴリンだったが、大富豪の御曹司の執拗な求婚に抗いきれず結婚してしまう。やがて悲劇が起こる・・・。数々の雑誌や広告のモデルとなったイヴリン・ネスビットにまつわる 20 世紀初頭の一大スキャンダルに材をとったメロドラマ。たくましい生命力で生き抜くヒロイン像が衝撃的。

会場: TCC 試写室(中央区銀座 8 丁目 3 番先 西土橋ビル 102 号(地下 1F)
(JR「新橋駅」銀座口より徒歩 3 分/東京メトロ銀座「新橋駅」5 番出口より徒歩 3 分)

料金:\1,200 均一

提供 : 国映、マーメイドフィルム

12 月 1 日(水)~12 月 19(日)、土橋名画座(TCC 試写室)にて特別上映!