シアター・イメージフォーラムでは、オールナイト企画「IMAGE FORUM MADNIGHT(イメージフォーラム・マッドナイト)」を11月20日(土)より始動させることが決定致しました。

VOD配信の隆盛により映画ファンの視聴形態が多様化している今だからこそ、選りすぐりの映画を一晩かけてどっぷりつかるオールナイト上映を提案。第一弾はソ連邦の腐敗を6時間半の圧倒的スケールで描く歴史的大作『DAU. 退行』、第二弾はアルゼンチンの14時間半の超・長尺の“終わらない”映画『ラ・フロール 花』を3週連続で上映する。

シアター・イメージフォーラムの支配人である、山下宏洋氏は本企画のコンセプトについて「オールナイト上映の記憶。時には観た映画より、上映後朝焼けを眺めながら帰ったなとか、上映作品全部寝てしまったなとか、誰々と一緒に行ったなとか、あの時の自分はああだったな……などと、妙に自分史と結びついて憶えていたりします。オールナイト上映を通して、改めて映画館での映画のいろいろな楽しみ方にスポットを当てたいと思っています」と語る。

日常を忘れ映画世界にどっぷり漬かる決して忘れられない一夜をあなたに――。

◉Vol.1:『DAU.退行』

11月20日(土)
開場:22:30 /開映:23:00/終映:5:30/料金:3,600円(一律)

ダンテの「神曲」になぞらえた全9章6時間9分、圧巻の黙示録!
「ソ連全体主義」の幻想を破壊しつくし葬り去る、20世紀を総括する新世紀映画の金字塔

映画史上初の試みともいえる異次元レベルの構想と高い芸術性が評価され、第70回ベルリン映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した映画『DAU.ナターシャ』の続編であり、スターリン体制下の1952年から10年以上が経過した1966年~1968年が舞台となる。前作ではカフェのウェイトレスであるナターシャの視線で閉鎖的かつ断片的に描かれた秘密研究所だが、今回は一転、カメラは研究所内部に入り込み、様々な人々の複雑な人間模様や共産社会の構造物をよりダイナミックに映し出していく。

脚本・監督:イリヤ・フルジャノフスキー、イリヤ・ペルミャコフ/
撮影:ユルゲン・ユルゲス/
出演:ウラジーミル・アジッポ/ドミートリー・カレージン/オリガ・シカバルニャ/
アレクセイ・ブリノフ
2020年/ドイツ、ウクライナ、イギリス、ロシア合作/ロシア語/ 369分/ビスタ/カラー/ 5.1ch /
原題:DAU. Degeneration /日本語字幕:額賀深雪/
字幕監修:松下隆志
配給:トランスフォーマー/ R18+

◉Vol.2:『ラ・フロール 花』

〈第1部〉11月27日(土)開場:23:30 /開映:24:00/終映:4:00
〈第2部〉12月4日(土)開場:23:30 /開映:24:00/終映:5:45
〈第3部〉12月11日(土)開場:23:30 /開映:24:00/終映:5:10

料金:2,500円(一般)2,000円(会員)

*終映時刻は多少前後する可能性がございます。

4人の女優とともに、B級スリラーからミュージカル、スパイものからメタ映画そして有名クラシックのリメイクと、あらゆる映画ジャンルを華麗に横断し、映画の「物語」の快楽と、それにまつわる歴史の再構築を試みる、愛と狂気の野心作がついに公開。

制作期間10年、868分の超・長尺の圧倒的なボリュームで既成の映画のあり方に対峙し、ロカルノ・トロントを始めとする国際映画祭で批評家の絶賛を浴びたアルゼンチンの鬼才マリアノ・ジナスの3つのパート、6つの独立した物語で構成される極大映画。ジャック・リヴェットの精神性を引き継ぐとも評される本作を、ジナス監督は自ら「フィクション版『ゴダールの映画史』」と呼ぶ。ボルヘス・コルタサル・ボラーニョの語りの遊戯性を想起させる「終わらない映画」。

「トータル十四時間半の途轍もない超大作で、つまんなかったらどうしようかと思っていたが、死ぬほど面白かった!大傑作! ――佐々木敦(著述家)」

監督:マリアノ・ジナス 
出演:エリサ・カリカホ、ピラール・ガンボア、バレリア・コレーア、ラウラ・パレデス
デジタル/868分(アルゼンチン)/2018年