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加賀まりこ主演、塚地武雅と親子役で初共演を果たした映画『梅切らぬバカ』が 11 月 12 日(金)より全国公開となります。
母親と自閉症を抱える息子が社会の中で生きていく様を温かく誠実に描く本作。愛情と包容力にあふれる母親・珠子を演じるのは、54 年ぶりの主演となる加賀まりこ。軽口を叩きながらも、小柄な身体で大きな息子の世話をする姿はとてもチャーミング。 だからこそ、やがて訪れる“息子が 1 人で生きる未来”を案ずる横顔が、より一層切なく観る者の胸に迫る。息子・忠男役には『間宮兄弟』で日本アカデミー賞新人賞を受賞し、NHK 連続テレビ小説「おちょやん」など俳優としても活躍中のドランクドラゴンの塚地武雅。さらに、珠子たちの家の隣に引っ越してきた里村夫婦を、渡辺いっけいと森口瑤子が演じ、珠子と交流を深めていく里村家の息子・草太をドラマ「浦安鉄筋家族」の小鉄役が記憶に新しい斎藤汰鷹が好演。地域コミュニティとの不和や偏見といった問題を取り入れながらも、揺るぎない親子の絆と、他者との触れ合いを描き、あたたかな感動をもたらす。

この度、都内で加賀まりこが登壇するトークイベントを実施致しました。
その模様を記載したイベントレポートとなります

『梅切らぬバカ』イベント概要
日時:10 月 22 日(金)14:30~15:00
場所:ユーロライブ (渋谷区円山町 1-5 KINOHAUS 2F)
登壇ゲスト(敬称略):加賀まりこ(77)

加賀まりこが主演を務める母と息子の物語『梅切らぬバカ』のトークイベントを 都内で実施。試写後に加賀が登壇すると、まず「上映後に皆様の拍手が控室 まで聞こえてきたのがとても嬉しかったです。ありがとうございます」と挨拶。54 年 ぶりの主演となった本作だが、周囲からの反響を聞かれると

今回オファーを受けた時の気持ちを聞かれると「まず脚本を読んで、若い監督 がこんな地味な作品を本当に撮りたいの?と驚きました」と答え、役柄については自身のパートナーの息子が自閉症を抱えている ことから、「私は近くに自閉症を抱えた息子がおり、この親子の日常がそんなに違った日常ではなかったので、自分ならやれるかもし れないと思い引き受けました。淡々と描かれる日常の中で、母としていられればいいなと、割烹着の似合うお母さんをやりたいなと 思いました」と振り返る。またパートナーの息子と過ごす中で経験したことを重ね、

「“2 分で泣ける!”って予告編がすごく反響があったみたいで、お友達からもたくさん連絡を頂きました。取材を受けさせて頂いている中でも、観た方の心に響いているなと感 じることが多いので、この歳でそんな作品に出会えたのは女優をやっていて良かったなと思います」と作品に寄せられた反応を素直に喜んだ。

今回オファーを受けた時の気持ちを聞かれると「まず脚本を読んで、若い監督 がこんな地味な作品を本当に撮りたいの?と驚きました」と答え、役柄については自身のパートナーの息子が自閉症を抱えていることから、「私は近くに自閉症を抱えた息子がおり、この親子の日常がそんなに違った日常ではなかったので、自分ならやれるかもし れないと思い引き受けました。淡々と描かれる日常の中で、母としていられればいいなと、割烹着の似合うお母さんをやりたいなと 思いました」と振り返る。またパートナーの息子と過ごす中で経験したことを重ね、「息子とはたまに一緒に散歩したり、ごはんを食べに行ったりすることがあったのですが、急に大きな声を出したりすると、すれ違う方々の視線を冷たく感じる時がありました。だから、この映画を観て忠さん(忠男)を好きになってくれたらいいなと心の中で念じることが、私の役作りだったんです。忠さんのような人に出会ったらみんな微笑んでくださいねというのが願いです」と役に込めた熱い想いを語ると、会場からは大きな拍手が送られた。

印象に残ったシーンとして、加賀演じる珠子が息子・忠男に「ありがとう」と伝えるシーンをあげ、「私は障害のある子は個性だと思っています。そういう子と出会えば自分が変われたり、成長できたりすることってあると思うんです。“ありがとう”というのは、そんな気持ちも込められています。私自身もパートナーの息子と出会えて良かったなと思っています」と想いのこもったシーンを振り返った。

加賀まりこさん

本作の取材で様々なインタビューを受けている加賀。その中でも大きな反響を呼んだ「週刊文春WOMAN」(9/21発売)の内容に話が及び、加賀の“人生って大変な時があっても、あとで絶対良いことがある。人生はプラマイゼロね”という言葉について触れられると、「そうね、人生の秤ってプラスにもマイナスにも動くけれど、私は結果チャラだと思ってるの。みんなそれぞれ人生の妨げになるものは抱えているのよ。それをどう受け入れていくのかよね。許容できる範囲で噛み砕いて生きていくってことじゃないかなと思うの」と自身の人生哲学を披露。
MCからそのお考えはいつから?と質問が飛ぶと「人生最終的にチャラって思ったのは、麻雀をやっている時ね」と茶目っ気たっぷりに答え、会場からは拍手と笑いが起こった。

さらに同インタビューで答えていた“臆病にならずに、好奇心を持って自分からノックすることが大切よ”という言葉については「私は普段から世間体っていうのを物差しなんかしてどうするのって思っているから、そういったものや周りの目を気にして臆することって一番もったいないと思うの。“自分なんて…”って言葉は私の中には浮かんでこない。間違えてもいいから、ノックしないよりはした方がいいと思う」と昔から変わらない、型にはまらない生き方について話す。今のパートナーに対しても同じ姿勢だったようで、「15年ぶりくらいに彼と一緒に仕事して、若い時に比べて、なんて良い顔になったんだろうって思ったの。きっと息子さんのおかげね。その時彼は、仕事や息子のことがあって恋愛どころじゃなかったの。5年もかかったわ。でも、ノックし続けて良かったと思う。今、毎日穏やかに暮らしてますので」と照れながらも満面の笑みで現在の幸せを語った。

そして最後には「観終わって忠さんが好きと思ってくれたら一番嬉しいです。そして、街でそういった方を見かけたら手を差し伸べなくてもいいので、ぜひ微笑んであげてください。お願いします」とあたたかいメッセージを送った。

【ストーリー】
父親代わりの梅の木が運んでくれた“小さな奇跡”とは・・・?
山田珠子は、息子・忠男と二人暮らし。毎朝決まった時間に起床して、朝食をとり、決まった時間に家を出る。庭にある梅の木の枝は伸び放題で、隣の里村家からは苦情が届いていた。ある日、グループホームの案内を受けた珠子は、悩んだ末に忠男の入居を決める。しかし、初めて離れて暮らすことになった忠男は環境の変化に戸惑い、ホームを抜け出してしまう。そんな中、珠子は邪魔になる梅の木を切ることを決意するが・・・。

加賀まりこ 塚地武雅
渡辺いっけい 森口瑤子 斎藤汰鷹 / 林家正蔵 高島礼子

監督・脚本:和島香太郎

配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ

文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」長編映画の実地研修完成作品
©2021「梅切らぬバカ」フィルムプロジェクト

公式Twitter:@umekiranubaka

11月12日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー