2011 年に 35 ミリフィルムで公開された空族制作・富田克也監督による『サウダーヂ』が公 開 10 周年を記念してデジタルリマスター版にて 10 月 23 日(土)より K’s cinema ほかにて劇場公開することが決定し、この度、本作の新予告編を解禁されました。


©2021 kuzoku

外国人労働者、ヒップホップ、シャッター街。地方都市で起こっている現実。
10 年後の今、どのように日本が変わり、変わらなかったのかを突き付ける―

この度、解禁された予告編では、鷹野毅演じる土方の誠司が、タイパブで出会った女性に、「ありがとう」を意味するタイ語を「コップ・クン・クラップ」と教えてもらうシーンと共に1980年代の代表的なロックバンド BOØWY の「わがままジュリエット」が流れ予告編の幕が上がる。
「わがままジュリエット」は、本編でも強烈な印象を残すあるシーンで流れる楽曲だ。また、誠司の現場の同僚の保坂が、「俺、タイに住んでたんすよ」と誠司に言うセリフの後に、2人がタイパブで、ぼんやりとタイ女性の踊りを眺めるシーンが続く。そして、その行きたくもないタイパブに先輩に連れてこられた、ラッパー田我流演じる猛が、帰り道の甲府のシャッター街で、唾を吐き、フリースタイルを始める。このシーンこそ、今回のメインビジュアルにも採用されている、本作の名シーンのひとつだ。このシーンは、当初、脚本 の相澤虎之助と富田克也である程度、どんなことを言って欲しいかをラップ調にしてセリフを書き、田我流に渡したと言う。それを読んだ田我流は、これは無いと却下。フリースタイルという名の通り、その場で、田我流自身の言葉でラップを披露した。それがこのシーンの緊迫感を産み出していることは、予告編からも伝わるだろう。続くシーンでは、出稼ぎにきたブラジル人たちの姿、そして、 そのブラジル人たちに敵意を抱き、ナイフを手に後ろから近づく猛の姿をとらえて予告編は終わっている。

『サウダーヂ』デジタルリマスター版 予告

『サウダーヂ』デジタルリマスター版 予告編

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外国人労働者、ヒップホップ、シャッター街。地方都市で起こっている現実を、実際にそこで生きる人々に演じてもらい作り上げた『サウダーヂ』。その魅力は、10 年後の今も色あせることなく、その後の 10 年間の日本がどのように変わり、変わらなかったかを突き付ける。

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本作は 2011 年のロカルノ国際映画祭のメインコンペに正式出品されたが、「このテーマに行きついた最初のきっかけは?」と記者会見で問われ、富田監督は「僕たちはずっと『サウダーヂ』で描かれている山梨県を舞台に映画を撮り続けてきました。それは出身地であるという事もありますが、それよりも社会の中にある人々が生きる中にあるあらゆる問題、人々が普段目を逸らそうとするもの、見ないようにしようとするものをあえて映画で描く。そして自分たちがそのようなところに住んでいるというところを改めて見直す機会にすると言いますか、僕たちがこれまで見て来た映画にそういうところを教わって来たので、僕たちもそういう映画作りをします。」と答えている。

『サウダーヂ デジタルリマスター版』 2021 年/35mm→DCP/5.1ch/167min
監督:富田克也
脚本:相澤虎之助/富田克也

撮影:高野貴子 録音・音響効果:山﨑厳 助監督:河上健太郎 編集:富田克也/高野貴子
エグゼクティブ・プロデューサー:笹本貴之
プロデューサー:伊達浩太朗/富田智美
制作:空族/『サウダーヂ』製作委員会
配給:空族
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出演:鷹野毅、伊藤仁、田我流、ディーチャイ・パウイーナ、尾﨑愛、工藤千枝、デニス・オリヴェイラ・デ・ハマツ、イエダ・デ・ アルメイダ・ハマツ、野口雄介、村田進二、亜矢乃、熊田ちか、中島朋人(鉄割アルバトロスケット)

2021 年 10 月 23 日(土)より K’s cinema にて公開!以降全国順次